初めての中国は船旅と寝台列車。35年旅が続く原点とは?

筆者の初めての中国渡航は約35年前、高校生の夏休みに神戸から船で上海へ渡る旅でした。

中国語を学び始めて1年ほどの時期に、手紙で短期留学を手配し、船と鉄道を乗り継いで北京の大学へ向かいました。当時はインターネットがなく、言葉も通じにくい中での初渡航でした。

この記事では、その行程と現地で困った場面、35年後の今も中国へ通い続けている理由を、筆者の記憶に沿って整理します。

筆者の初めての中国渡航はどのような旅だったのか?

結論から言うと、すべてアナログな手段で進めた旅でした。出発は高校生の夏休みで、中国語を学び始めてから1年が経つか経たないかという時期です。

筆者の印象では、当時は中国の自由旅行がこれからという雰囲気でした。行程は大きく4段階で、留学先への手紙、神戸から上海への船、上海から北京への寝台列車、北京での留学生活の順に進みます。

1

留学先の大学へ手紙を書く

中国語で北京の大学へ手紙を送り、ビザ取得に必要な書類の入手と費用などの条件を手紙でやり取り。

2

神戸から船で上海へ

鑑真号で2泊3日の船旅。夏休みの期間中に出発した。

3

上海から鉄道で北京へ

三段ベッドが並ぶ開放式の寝台車で移動。切符は旅行会社を通じて確保した記憶がある。

4

北京の大学で留学生活

筆談と紙の辞書で言葉の壁に対応した。外国人用の兌換券と人民元が別にある時代だった。

インターネットのない時代に、高校生が留学の手続きをどう進めたのか?

筆者は北京の大学(現在の北京語言大学。当時は名称が異なっていました)へ中国語で手紙を書きました。短期の留学でも、ビザを取るには大学側が出す書類が必要だったためです。

書類の入手と費用などの条件の話し合いは、すべて手紙のやり取りで進めました。当時の筆者の中国語はまったくダメダメで、筆者自身、手紙だけでよく手続きが進んだことに今も驚きを覚えています。

この手続きで押さえた点は2つです。

  • 留学先へ直接連絡して書類を入手すること
  • 費用などの条件も事前に確認しておくこと

でした。電話もメールもない前提で、確認の手段を手紙に絞った点が当時の特徴です。

神戸から上海、北京までの移動はどのように手配したのか?

神戸から上海までは、鑑真号という船で2泊3日の船旅でした。出発は夏休みの期間中で、上海から北京へは鉄道で移動しています。

当時の北京の街角(1991年撮影)

切符は旅行会社を通じて確保してもらったと、筆者は記憶しています。ただ、船の中で手配したのか出発前だったのかは、はっきり覚えていません。上海にある旅行会社、中国国際旅行社で受け取ったはずです。当時はインターネット予約のない時代でした。

上海から北京までの車両は、三段ベッドが並ぶ開放式の寝台でした。日本でかつて走っていたブルートレインのB寝台に近い造りだったと、筆者は説明しています。この寝台車の中で、筆者の記憶に最も強く残る出会いがありました。

寝台車で分けてもらったスイカを、筆者が35年たっても覚えているのはなぜか?

上海から北京へ向かう寝台車で、筆者は若い男女の大学生と乗り合わせました。2人は筆者にスイカを分けてくれました。35年が過ぎた今も、筆者はこの出来事を覚えています。

📍 現地レポート|上海から北京へ向かう寝台車

三段ベッドが並ぶ開放式の寝台車で、同じ車両に乗り合わせた若い男女の大学生からスイカを分けてもらいました。当時の中国語力では車内の会話はほとんど聞き取れませんでしたが、その場面は35年が過ぎた今も覚えています。

中国語を学び始めて1年ほどで飛び込んだ初めての中国で、最初に受けた印象は大きかったと筆者は考えています。実際に足を踏み入れたこの体験が、中国との長いつながりの始まりでした。

ただし、言葉が通じにくいということは列車の車内だけの話ではありませんでした。

中国語がほとんど聞き取れない状態で、現地ではどう意思疎通したのか?

当時の筆者が聞き取れたのは、単語と数字がわずかという状態でした。そこで、最初の何回かの渡航では、伝えたい内容を紙に書いて見せる筆談で意思疎通をしています。

筆談メモ1
中国語学習初期の筆談メモ

学び始めて1年ほどの中国語では、会話の速さについていけませんでした。話す・聞くより先に、書いて伝える手段を持っておくことが、初めての渡航では支えになります。

💡 ワンポイントアドバイス

初めての中国で聞き取れないときは、伝えたい内容を紙に書いて見せる方法があります。筆者は最初の何回かの渡航で、この筆談を使っていました。単語と数字だけでも書いて見せれば、確認しやすくなります。

言葉以外にも、当時の渡航には食事やお金の面で独特の苦労がありました。

約35年前の中国では食事やお金の面で何に困ったのか?

北京に着いた筆者は、小麦粉を溶いて焼いた生地に具材を巻く、クレープ状の料理を食べました。当時は「天津クレープ」と呼んでいました。その後にお腹を壊して腹痛になり、筆者はこの出来事を今も覚えています。

当時の中国では、外国の食べ物が現地で手に入りにくい状況でした。留学生が通う大学内の売店で、硬めのフランスパンが売られていたことも、筆者の記憶に残っています。

お金の面では、外国人が使う兌換券と人民元が別に存在した時期でした。両者には交換レートがあり、レートが高く交換してもらえるという話もあったそうです。場面ごとの当時の状況を次の表にまとめます。

この4つの場面は手配だけでは解決できない、現地ならではの壁でした。

場面当時の状況筆者の記憶・メモ
言葉聞き取れるのは単語と数字がわずか紙に書いて見せる筆談で意思疎通
食事外国の食べ物が現地で手に入りにくい留学生向けの大学内売店で、硬めのフランスパンが売られていた
お金外国人用の兌換券と人民元が別に存在両者に交換レートがあり、レートが高く、大学近くの商店で交換できた
情報収集インターネットのない時代電子辞書は高価で使わず、紙の辞書のみを使用

筆者はなぜ35年間も中国へ通い続けているのか?

結論として、筆者自身が「なぜ」を一言で説明しにくいと話しています。きっかけとして挙げられるのは、中国語を学ぶと現地で試したくなるという流れと初渡航で得た体験です。

初めての渡航を終えた筆者は、次に行くときにはもっと話せるようになりたいと考えました。この気持ちが次の旅への動機となり、中国語を続ける理由になっています。

その後、中国への渡航は35年間で73回、全省を訪れ、訪問先は320ヶ所に及びます。個別相談は400件、メール対応は1,300通を重ねてきました。

35年

中国への渡航を続けた年数

初渡航から現在まで

73回

中国への渡航回数

全省を訪問

320ヶ所

中国で訪れた場所

渡航経験の実績

筆者は現在、縁あって起業し、中国旅行に関するビジネスも行っています。何らか形で貢献できることがあるのではないかと考えているためです。筆者の経歴や実績の詳細は、プロフィールページにまとめています。

📖 あわせて読みたい

筆者の中国渡航73回・全省制覇の経歴 — 35年の渡航歴と相談実績を、プロフィールページで詳しく紹介しています。

初めて中国へ行く人は、出発前に何を相談できるのか?

初渡航で直面したのは、言葉・食事・お金・情報収集という4つの壁でした。現在は当時と事情が異なる部分もありますが、初めての国では分からないことが出てくる点は、変わらない部分もあると筆者は考えています。

中国渡航73回の経験と400件の個別相談の実績をもとに、旅前・旅中サポート(有料個別サポート)で、旅程や状況に合わせた個別の相談に対応しています。ご自身の旅程で確認したい点がある場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。

相談の前に疑問だけを送りたい場合は、無料質問フォームも利用できます。

初めての中国渡航でよくある疑問は何か?

ここまでの内容のうち、読者から出やすい疑問を5問にまとめました。各質問は、ほかの項目を読まなくても答えが分かる形にしています。

A. 35年前、当時高校生だった時の夏休みに、神戸から鑑真号で上海へ、上海から鉄道で北京へ向かう道のりでした。
A. 北京の大学へ中国語で手紙を書き、ビザ取得に必要な書類の入手と費用などの条件を手紙のやり取りで進めました。
A. いいえ、残念ながら会話はほとんど通じませんでした。聞き取れたのは単語と数字がわずかで、紙に書いて見せる筆談を使いました。
A. 一言で説明しにくいです。初渡航で次はもっと話せるようになりたいと思ったことが、次の旅と中国語継続の動機になりました。
A. 旅前・旅中サポート(有料個別サポート)で個別の相談を受け付けています。窓口はお問い合わせフォームです。

この記事のまとめ

筆者の初渡航は、約35年前の夏休みに手紙でコンタクトをとり、船・鉄道を使って北京へ向かう旅でした。聞き取れない言葉は筆談で補い、食事やお金の面でも当時ならではの苦労がありました。寝台車で分けてもらったスイカの記憶が、35年続く中国との縁の始まりです。

📌 初めての中国渡航を振りかえる

  • 中国初渡航は約35年前、高校生の夏休みに神戸から船で上海、鉄道で北京へ向かった旅でした。
  • 短期語学留学の手続きは、中国語で書いた手紙で北京の大学とやり取りして進めました。
  • 聞き取れない言葉は筆談で補い、食事やお金の面でも当時ならではの苦労がありました。
  • 寝台車で分けてもらったスイカの記憶が、35年続く中国との縁の始まりでした。

あわせて確認しておきたい記事として、公式noteもご覧ください。

ここまでの内容で大部分は整理できるはずですが、個別の旅程によって確認すべき点は変わります。分からない点がある場合は、個別にご相談ください。

初めての中国では、言葉・食事・お金・情報の面で、想定外の場面が起こり得ます。旅程や状況に合わせた確認が必要なときは、旅前・旅中サポート(有料個別サポート)で個別にご相談ください。

個別相談の前に確認したい疑問は、無料質問フォームから送れます。

筆者情報

安田こうじ
安田こうじブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から35年、73回、320ヶ所を個人旅行で歩いてきた中国旅行専門家。ツアーでは入れない路地裏や地方の町まで足を運び、リアルな中国渡航情報を発信しています。旅する中国語講師としても活動中。詳細は筆者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

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