中国でキャッシュレス決済《WeChatPay》クレジットカード登録手順(2023)

Wechatアプリでクレジットカード情報を登録すれば、店舗や飲食店などでWeChatPayを使ったQRコードによるキャッシュレス決済が2023年7月20日から可能となりました。

今後、ビジネスなど業務や仕事で中国へ渡航される方や中国旅行で訪問される方にとって朗報です。

日本でスマホ決済をするのと同じような感覚で、買い物や食事、宿泊、移動、観光、娯楽など様々な場面でWeChatPayを使うことができます。

既にクレジットカードは登録済みで使用方法について知りたい方は、《WeChatPay》クレカ登録後に中国で使用する方法(2023年8月)をご覧ください。

加盟店は個人企業も含めて5,000万件とも言われています。どこでも使えると言って過言ではありません。また、中国では現金が使いづらくなってきている中で、この手段を使わない手はありません。

この記事では、クレジットカード情報をWeChatアプリで登録する手順や方法について紹介します。初めて登録する方と既に登録済の方、アプリをインストール済の方、何れにも対応しています。

解説する際の画面表示の言語について

解説で使用する画面ですが、日本語表示に変更しても英語表示があったりするなど、英語でも日本語でも完全対応している訳ではなく安定しないこと、中国語メニューですと漢字による表記なので、中国語を学んだことがなくてもある程度分かる部分もあることから、中国語メニューを基準にして解説しています。

WechaPayと双璧をなすAlipay

中国では、もうひとつ、有名なキャッシュレス決済がありますして、「Alipay」(アリペイ・支付宝)といいまして、WechaPayと同様に広く使われています。
クレジットカード情報の登録に興味がある方は、「中国でキャッシュレス決済《Alipay》クレジットカード登録手順(2023)」をご確認ください。

WeChatとWeChatPayは違うの?

WeChatPayは英語名で、中国語では「微信支付」(Weixin Zhifu)といいまして、LINEに相当する中国版SNSのWeChat(微信)アプリの中に含まれるキャッシュレス決済機能です。

この中国語は覚えておくと便利です。中国では「微信支付」と表示されているケースがほとんどだからです。WeChatPayは余り使われていません。

現在、WeChatは様々な機能を有するスーパーアプリとなっています。イメージ的にはPayPayアプリにLINEを追加したと言えば分かりやすいと思います。

WeChatPayに登録可能なクレジットカード

日本で通用している国際ブランドの次のクレジットカードであればいずれもWeChatPayに登録可能です。

  • VISA
  • MASTER
  • JCB
  • AMEX(AmericanExpress)
  • DINERS
  • DISCOVER

ちなみに、中国では海外で発行されたクレジットカードを国际信用卡(国際クレジットカード)や外卡(外国のクレジットカード)といいます。

キャッシュレス対応のための手順

WeChatPayでキャッシュレス決済ができるようにするための順番をご確認ください。

  • WeChatアプリをインストール
  • WeChatアカウント登録
  • 実名認証(本人確認・個人情報登録)
  • WeChatPayにクレジットカード情報登録

これらが完了すれば中国やWEBでのWeChatPayでの決済が可能となります。

クレカ登録前に必要な準備

クレジットカードをWeChatPayに登録する前に必要なものがありますので次のものを用意してください。中国の携帯電話が必要かのように思われますが、実際のところは、日本の携帯電話で問題なく登録可能です。

  • WeChatアプリ
  • 日本の携帯電話番号
  • クレジットカード番号
  • クレジットカード裏面のセキュリティコード
  • パスポート(顔写真掲載ページ)

WeChatアプリをインストール

WeChatPayを使う前にWeChatアプリを入れて、アカウントを有効にする必要があります。

Google Play や App Storeで WeChat(微信)アプリをダウンロード、インストールしてください。

WeChatアカウント登録

続いて、WeChatアカウント登録を行います。日本の携帯電話番号でアカウント登録が可能です。

電話番号は中国から見た日本の電話番号となりますので、+81(日本)90-1234-5678 といった番号で入力します。090の最初の0は国際電話をかけるとき略しますのでそのルールが適用されます。

携帯番号を登録すると、SMS(ショートメッセージ)が携帯電話に届くので、そこに載っている数字を入力して送信します。

最後に、利用規約やプライバシーポリシーの確認と同意をすれば、アカウント登録完了です。

個人情報の登録

中国の関係法律により中国製のアプリを使用する際には個人情報の認証を行わなければ機能を使うことができない、つまり、中国でキャッシュ決済をすることができない仕組みとなっております。

WeChatPayで必要な個人情報の登録ですが、「身分情報」(身份信息)メニューがありまして、「実名認証」と「個人情報」の二つに分かれています。

実名認証

パスポートの顔写真ページを登録することで本人として認証されます。中国語では「实名认证」と表記されます。

個人情報登録

中国語では「个人信息」といいます。これは二つに分けられまして、日本人にとって中国での唯一の身分証となるパスポートの情報を登録することと、その他の情報として、職業や住所などを登録する必要があります。

① 身分証情報(证件信息)

  • 氏名
  • 性別
  • 国籍
  • 身分証種類(パスポート)
  • 身分証番号(パスポート番号)
  • 有効期間開始日
  • 有効期間終了日

② その他情報(其他信息)

  • 職業
  • 住所
  • 携帯電話番号

情報登録完了の確認方法

確認する場所までたどり着くまで何回かタップが必要となります。

我」→「服務」→「銭包」→「身份信息」の順にタップします。

左側の画面は「実名認証」が完了していて、「個人情報」が1項目未登録というメッセージが表示されています。

右側の画面は「実名認証」と「身分証情報」両方のの情報登録が完了したことを示しています。

この画面が表示されればWeChatPayでのキャッシュレス決済が可能となります。

最初のクレジットカード情報の登録方法

実名認証(本人確認)とクレカ情報を同時に登録するイメージです。メニューが完全な日本語対応ではないため、中国語表示による説明とさせていただきます。

①「我」→「服務」(支付)→「銭包」→「銀行卡」→「添加銀行卡」の順にタップする。
最初「支付」と表示されていましたが、Wechatのバージョンアップ後「服務」に表示が変わりました。

② 規約に同意する。よく確認したい場合は、言語を日本語か英語に変更してください。

③ 氏名やパスポート番号、有効期限や職業、住所を入力します。

④ 続いて、クレジットカード情報の登録を行います。
登録内容は次の「2枚目以降のクレジットカード登録方法」と同様です。

⑤ 暗証番号として6桁数字を設定します。

⑥ パスポートの顔写真掲載ページを送信し、実名認証を行います。

⑦ 実名認証ができたかどうか確認します。

2枚目以降のクレジットカード登録方法

最初のクレジットカードを登録した後に、2枚目以降のカード情報を登録したい、又は、クレジットカード情報を削除した後に、別のカード情報を登録する場合はこちらの手順をご確認ください。

① 「我」→「服務」→「銭包」→「銀行卡」→「添加銀行卡」の順にタップする。

日本語でも英語も表示が違うだけで、タップする場所は同じです。
写真左が中国語簡体字、真ん中は日本語、右は英語のメニューです。

② 最初に設定した暗証番号6桁数字を入力します。

③「卡号」(カード番号) を入力します。

「卡号」は数字をタップ(入力)するか、カメラのアイコンをクリックしてカードを読み取ることも可能です。

カード番号を最初の4桁~12桁入力すると「卡类型」(カードの種類)がVISAやMASTERなど自動表示されます。何も表示されない場合は、右側の「>」をタップすると、カードの種類を選択する画面が表示されます。

右側に表示されるアルファベットですが、登録するクレジットカードのブランドの頭文字をタップします。

すると選択したアルファベットの一番上にカードブランド名が表示されるのですぐに分かります。登録するブランド名をタップします。
 
 AMEX → A 
 DINERS → D
 DISCOVER → D
 JCB → J
 MASTER → M
 VISA → V

④ 「下一歩」をタップします。

⑤ 「填写银行卡信息」(カードに関する情報)を入力します。

银行卡」は銀行のキャッシュカードを指します。これは、元々、外国人向けのクレジットカードとの紐づけを開放すること自体が後付けであるため、運営側の発想としてはキャッシュカードの仲間という感覚とお考え下さい。

※ 入力した内容を消したい場合は、右端の「×」をクリックすると削除されます。

「有効期」 クレカの有効期限
タップすると西暦の年と月(MM/YY)(月/年)を選ぶことができます。
該当年月にしてから「確定」をタップするとこの欄に表示されます。

「安全吗」 クレカ裏面にある下3桁のセキュリティコード
 数字を入力して、別の入力項目をタップすれば確定します。

「名」 下の名前

「姓」 上の名前
それぞれローマ字で入力してください。
 例:(名)TARO  (姓)NIHON


「住址」 住所
英語で大丈夫です。
 例:Adachi-ku

「电话」 電話番号
例えば080の場合は、最初の0を抜いて入力してください。
 例:81-80-1234-5678

「电子邮件」 E-mail
メールアドレスを入力してください。

「地区」 居住地

選択式です。「>」をタップすると、端末位置情報への許可を求めれますが、「許可しない」でも大丈夫です。

国・地域を選択する画面(左側)が出ますので、「日本」をタップ。位置ですが、中国語の発音が「Riben」なので下の方です。「Japan」ではないのでご注意を。

続いて、都道府県を選択する画面(真ん中)が出ますので、居住地をタップしてください。続いて、市を選択する画面(右側)では居住地を選ぶのですが、町村の場合は「其他」をタップしてください。

⑥「下一歩」を押します。
「0.05ドルのデポジットを徴収権が発生する」という説明が「下一歩」の下に記載されています。

新しく登録したクレジットカードのWEB明細を2週間程モニタリングしたのですが、請求されませんでした。権利留保と考えればよいかと思います。

⑦《用户服务协议》(サービス規約)に「同意」(同意する)のボタンを押します。
規約を読むためには《用户服务协议》をタップしてください。中国語で表示されます。同意しなければ使えません。「不同意」は同意しないという意味です。実際のところは、閲覧しなくても「同意」を押すことができます。

⑧ 「已添加」(追加されました。)という表示が出たら完了です。

下の「完成」をタップすると、新しいクレジットカードが一番下に追加されていました。(今回の例は2種類→3種類)

クレジットカード情報の削除

一度登録したクレジットカード情報を削除するための手順の詳細です。

①「我」→「服務」→「銭包」→「銀行卡」の順番でタップします。

② 削除したいクレカの下4桁の番号が書かれている囲いの内側をタップします。

③ 右上の「・・・」をタップ。

④「解除绑定」(紐付けを解除)をタップ。
「取消」は操作の取消しを意味しており、紐付け解除ではありません。左上端にある「✕」も同じです。

⑤「解绑银行卡」が表示されるので、6桁の支払時パスワードを入力する。

⑥ 選択したカードが削除されたことが確認できます。

表示言語の変更方法

中国語が標準ですが、英語と日本語にメニューを変更することができます。

WeChatPayの表示が中国語になっていたときに他の言語に変更したい場合、①「我」→②「設置」→③「通用」の順番でタップすると、④「多語言」が「簡体中文」となっているはずです。

「多語言」をタップした後、⑤「日本語」や「English」をタップ後、右上端にある⑥「保存」をタップすれば、メニューの言語が選択した言語に変わります。

Wechat 言語選択方法

Wechatインストール済の方必見

過去にWechatアプリがスマホに入っている場合は、バージョンが最新かどうか必ず確認をしてください。古いバージョンですと、クレジットカード対応ができません。

私自身の経験を踏まえて、トラブルシューティングとしての対処法をまとめました。

Wechatアプリの更新が必要な場合

登録済のクレジットカードで決済しようとした時に、次のエラーメッセージ(日本語訳)「インストールされているWeChatのバージョンは海外のクレジットカード登録に対応していないため、続けて操作いただき、最新版へアップデートして下さい。」が出た場合は、バージョンアップが必要というサインです。

海外クレカ対応後のバージョンは?

2023年8月8日時点のバージョン「V8.0.40」であれば、7月20日にアップデートされたもので、日本など海外のクレジットカードに対応したWechatアプリのバージョンです。

Wechatアプリを更新する方法

既にアプリを入れている方の中には、下にある左の写真のように「インストールされているWechatのバージョンが低いので、この機能が使えません。最新のバージョンに更新してください。」という中国語のエラー表示が出る場合があります。

その場合は、その下にある「更新微新」(WeChatを更新)をタップして更新してください。真ん中の画面に転移しますので、「下载」(ダウンロード)をクリックしてください。

Wifi環境でない場合は、右端画面のようにダウンロード時の容量が多くなると注意が促されます。

更新した時、約130MB必要でしたのでWifi又は4G/5G回線でアップデートしてください。

決済が急にできなくなった時の対処法

【原因】個人情報の入力不足

こちらは2023年7月のWeChatアプリの大規模バージョンアップ以前からWeChatやWeChatPayを利用されている方向けのトラブルシューティングです。

急に決済ができなくなった

1年前の2022年には表示されなかったのですが、2023年8月に携帯電話番号へのチャージをしようとしたところ、次の画面が表示されました。

中国語表示を訳しますと、「個人情報の登録が不完全であるため、関連法令の要求に基づき、個人情報を漏れなく登録されれば支払ができるよう制限を解除します。続けるには「提交资料」(資料を提出)をクリックしてください。」という趣旨になります。

個人情報の更新を求められる

身分証情報とその他個人情報に入力不足があると改めて指摘されました。「开始完善」をタップします。

個人情報の追加登録

過去に登録した情報があった一方で、次の画像のように、記入されていなかった情報が4項目(緑の楕円で囲んだ部分)ありました。

「住址」(住所)の登録ですが、2枚目以降のクレジットカード登録方法の「地区」(居住地)の項目と同じです。

残る4項目(性別・身分証有効期間開始日・同終了日・住所)すべてを登録したところ、制限が解除されて、登録したクレジットカードを使って中国の携帯電話番号へのチャージをすることができました。

【原因】クレジットカード有効期限切れ

クレジットカードの有効期間は発行後5年間です。
実は私も経験したのですが、期限が切れますと決済時にエラーが表示されました。

日本語訳は「登録されているクレジットカード(銀行カード)の状態が正常ではありません。有効期限が切れている可能性があります。発行会社へ連絡してください。」という趣旨です。「过期」がポイントで「期限切れ」を意味します。

仮に、番号が同じでも、有効期限やカード裏のセキュリティコードが変わりますので、クレジットカード情報は変更しなければなりません。

中国語のメッセージ表示のとおりクレジットカード発行会社へ連絡するに及びません。クレジットカード情報を削除して、再登録すれば問題ありません。

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