「旅する中国語教室」の講師が、教室への思いや指導方針について語りました。35年70回超・約300ヶ所という旅の経験が、なぜ「教える」という形に結びついたのか。現場で培った視点とこの教室ならではの考え方を一問一答(インタビュー)形式でまとめました。
【講師として】
・中国語指導歴7年超
・旅の中国語に特化
【旅人として】
・中国渡航歴 35年・72回・300ヶ所
・1997年から情報発信
中国語とはどのような出会いでしたか?
地球の歩き方の1,000円で中国を1日旅行できるキーワードに触れて、バックパッカー旅に目覚めました。
最初に中国へ行ったのは1991年。中国語を少しは学んではいましたが、鑑真号で上海へ着いて、上海から北京へ向かう寝台列車で、大学生と直接対面で会話して、すいかをおすそ分けいただいたのですが、言葉が出て来なくて、筆談に頼りっきりでした。
こういったことがきっかけに「うまく話せなかったから、次行く時までに中国語を上達したい。」、「もっと話ができるように中国語を覚えたい。」という気持ちが高まりました。この思いが中国語学習のモチベーション維持にも繋がりました。
当時の中国はどんな雰囲気でしたか?
90年代は「メイヨー」、「メイヨウ」、中国語表記で「没有」。旅先で至る所でこの言葉を聞きました。
物質的にまだ満たされていませんが、羽ばたこうとしている前の中国のおおらかを感じることができました。当時を思い出すと、メイヨーを聞くことが逆に中国へ行った感があって、楽しいくらいだったのかもしれません。
旅先で出会う中国人ですが、フランクに会話に応じてくれます。親切な方が多数いましたし、食堂やショップでは商売なので、つたない中国語でも一所懸命聞いてくれます。これは当時も今も変わりません。
中国語を教えようと思ったきっかけは?
「旅先で中国語が使えると、旅はぐっと楽しくなる。」そのことをずいぶん前から実感していました。それを人に伝えたいと思って教え始めたのが、今から7年あまり前のことです。きっかけというほど劇的な出来事があったわけではなく、自然とそうなっていった、という感じです。
授業で一番大切にしていることは?
言葉は旅を助ける道具のひとつ。道具を使いこなすには、旅そのものを知ることが先です。
「旅と言葉は切り離せない」ということです。中国語ができても、旅の現場では言葉だけで解決できないことが山ほどあります。逆に、旅の知識や状況を読む力があれば、言葉が少なくても切り抜けられる場面はたくさんある。言葉はあくまで旅の道具のひとつです。だから、授業では中国語の表現だけでなく、旅で実際に何が起きているかという話も一緒にします。
② 限られた場所を最大限に活かす清潔で機能的な店内
店に入り目に飛び込んできたのは、白タイルの清潔感でした。小規模な食堂ですが、調理台がスッキリしており、手入れが行き届いていることがわかります。客席は最小限ですが、無駄のない配置で、一人でも気兼ねなく食事ができる落ち着いた空間です。
店内の「清潔感」を確認するのは鉄則ですが、もう一つの重要チェックポイントが「コンセントの有無」です。壁際や足元にコンセントがある席を見つけられれば、食事中にスマホの充電ができるため、旅の安心感が格段に増します。
旅人視点のチェック
店舗の規模こそ小さいものの、テーブルや周りの清掃が徹底されており、非常に清潔感があります。こうした「基本が守られている店」は、初めての訪問でも安心して箸をつけることができます。
なぜ、発音をそこまで重視するのか?
初めての方や初級者の方を指導してきた経験から言いますと、発音を最初から難なくこなせる方はほとんどいません。初級の段階では自分の発音のどこが違うのかを自覚するのが難しい。だからこそ、気づきを与えることを大切にしています。
特に2声と3声は多くの方がつまずくポイントで、継続して取り組むことでだんだんこなれてきます。
正確さを意識するあまりゆっくりになると、かえって相手が聞き取りづらくなります。ある程度のテンポと流れのある発音が、実際に通じるための条件です。
母音の発音も重点的に扱っています。日本語にない音が含まれるため、旅行会話に入ってからも継続的に触れるようにしています。
授業はどんな流れで進みますか?
授業の前半を復習に、後半を新しい内容に充てる形でずっとやってきました。仮に前回休んでしまった場合でも次の授業で追いつけるようにするためです。発音練習や会話練習の時間もきちんと確保しています。
それに加えて、最近の渡航で体験してきたエピソードや、その時ならではの現地の話を授業に織り込むようにしています。旅に行くとこんな楽しいことがあることを伝えることが、学び続けるためのモチベーション維持につながり、受講者から受け入れられています。
旅の経験がそのまま教材になる
教科書には載っていない中国が授業の中にあります。
授業のスキットを作る時、「実際にこういう場面がある」ということを前提に場面設定をしています。食事・移動・宿泊ひとつとっても、現地での体験から使えるエピソードがありすぎて選ぶのに困るほどです。
たとえば、飲食店のメニュー。地元の食堂では壁にドーンと大きな表示があるだけのことが多く、古い食堂ならくたびれたラミネートの紙1枚だけということもある。そもそもメニューがない店もあります。繁盛店で「あるものを出す」スタイルだったり、その日の食材で作れるものを口頭で教えてくれるだけだったり。
「メニュー」というひと言をとっても、これだけ多様なのです。自分が実際に旅してきたトラブルも含め、現場での経験がそのまま授業を作り上げる基礎になっています。
私自身、福建省の泉州でYoutubeでカステラづくりを自分で覚えた若者と交流したり、陝西省でマッサージ屋さんから聞いた話を聞いて無料マッサージが受けられる町に行けたりするなど、中国語が話せることで、バックパッカー旅行で貴重な体験をしてきた経験が、授業の成り立ちとも関係しています。
他の中国語教室と何が違うのか?
語りきれないほどありますが、まず講師が違います。35年間で300ヶ所を旅した現役の旅人が教えている中国語教室は他に類をみないのではないでしょうか。
教えている内容も、旅の現場で自分が実際に使っている表現です。主語をつけなくていい場面、ひと言で足りる場面——シチュエーションを読めば、言わなくていい言葉はたくさんある。
「通じればいい」を出発点にしているので、教科書的な中国語とは自ずと違ってきます。
市販の教科書は使わず、授業ごとにスキットを作り、解説を考えて臨んでいます。その積み重ねが、旅で使えるオリジナル教材になっていきます。
どんな受講者とともに学びたいですか?
仕事を持ちながら、生活の中で時間を工夫して学びに来る方。課題を締め切りより前に提出してくれる方、連絡に誠実に対応してくださる方。
そういった方のやり取りを見ていると、真剣さが伝わってきます。それに応えなければという気持ちが、自分の授業への姿勢を引き締めます。楽しければそれでいい、という教室ではありません。真剣に取り組む方に、真剣に応える教室です。
受講者のみなさんへ
完璧に話せなくていい。ひと言通じた体験が、次の旅への原動力になります。
旅の楽しみ方は人それぞれです。皆さん自身の旅のあり方を自ら探っていってほしいと思っています。
食事・移動・宿泊——旅先で中国語を使う場面はたくさんあります。完璧に通じなくてもいい。話した言葉がある程度通じた、聞き取れた、その体験が次への意欲につながります。
私自身も最初の中国旅行では中国語がほとんど話せず、悔しい思いをしました。「次に行く時はもっと上手になろう」という思いから、学習を続けてきたことが、今につながっています。皆さんにも、そういった足跡をたどっていただけたら嬉しいです。
この教室への思い
旅先で「通じた」「聞き取れた」を体感して帰ってきた方が、またもっと学びたいと思ってくれる。そういった声を聞けることが何より楽しみです。より多くの人にその体験をしてもらいたい——そのために、この教室を立ち上げることにしました。
皆さんへのメッセージ
中国旅行が初めての方にとって、ひと言、ふた言、フレーズや単語を話すだけでも、現地の中国人に近づくことができます。
生の声を聴いたり話して現地の人との交流をすることは、旅の印象をより深いものになること間違いありません。私自身が長年にわたり数えきれないくらい経験しており、自信をもって言えることです。
旅行先では、旅の恥はかき捨て的に自分が学んできた中国語の勉強成果を試すことができる場所と考えるとより前向きになれるのではないでしょうか。チャレンジする価値があります。
旅先で「通じた」を体験してみませんか。
まずは無料のレベルチェック&学習相談から、あなたの現在地を確認しましょう。
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