上海から蘇州《移動ガイド》 ~中国の世界遺産観光に便利なアクセス~
上海から蘇州への移動が地下鉄でも可能になりました。鉄道も含めてアクセスの利便性を解説します。地下鉄は都市間移動の新たな選択肢として注目です!
蘇州は世界遺産に指定された観光ポイントがいくつもあり、見どころが多いです。こちらを読めば様々なアクセス手段のメリットデメリットを知ることができます。

上海と蘇州を結ぶ地下鉄が開通
蘇州軌道交通11号線が昆山の花橋駅と蘇州の唯亭駅を結ばれ、2023年6月24日に上海-蘇州間の地下鉄の運行が始まりました。

上海側の終点は花橋駅で上海地下鉄と接続しています。昆山市内を経由し、蘇州側の終点、唯亭駅まで所要時間は59分です。上海蟹の養殖で有名な陽澄湖のこのすぐ近くです。
蘇州は江蘇省最東部の町で、上海市と隣接しています。厳密に言えば、蘇州市の昆山市と上海市が隣り合わせです。
蘇州地下鉄11号線
蘇州軌道交通11号線は、蘇州工業園区の唯亭駅から昆山の花橋駅までの28駅、41.25kmで、上海地下鉄と直通はありません。

蘇州地下鉄11号線と上海地下鉄11号線花橋駅両駅は徒歩で移動。接続する通路が設けられ、安全検査なしに5分で両線間の乗り換えが可能で、短い時間で乗り継ぎができる動線となっています。
上海地下鉄の延伸
最初は、2013年10月に上海市と江蘇省昆山市間に中国初の省を跨いだ地下鉄が開通。上海地下鉄11号線支線として安亭駅から上海市を越えて昆山市の花橋まで6kmを延伸しました。
運賃は7元。上海地下鉄11号線は世界で一番距離が長い地下鉄と言われ、総延長82.4km、38駅、途中15路線と乗換え可能です。

上海から蘇州移動時間比較
上海-蘇州の移動方法にひとつ、地下鉄という大きな選択肢ができましたが他の手段での移動はどうなのでしょうか?
考慮する必要がある要素があります。駅やバスターミナルまでの移動時間や待ち時間です。
移動時間は上海駅から蘇州駅までにしましたが、上海駅以外の上海市内ですと、駅までの移動時間と運賃が加わりますので、鉄道での移動に余分に時間がかかります。
地下鉄
上海駅から蘇州駅まで地下鉄3号線、11号線に乗継ぎ、花橋駅で蘇州の軌道交通に乗り換えます。120m徒歩です。11号線、3号線、4号線と乗り継ぎ、117km、3時間26分でアクセスします。運賃は17元と格安です。乗換は4回必要です。

- 上海站→曹楊路 上海地下鉄3号線 3駅 9分
- 曹楊路→花橋 上海地下鉄11号線 18駅 53分
- 花橋→唯亭 蘇州軌道交通11号線 27駅 58分
- 唯亭→宝帯路 蘇州軌道交通3号線 19駅 43分
- 宝帯路→蘇州站 蘇州軌道交通4号線 8駅 16分
地下鉄の移動もそれなりの時間がかかりますが、所要時間を読むことができますし、上海市内の各地からアクセスがしやすいのが利点です。
路線バス
路線バスでも乗り継いで上海か蘇州へ乗り継いで行くことができますが、途中のバスの最終時刻に気を付けないと、たどり着くことはできまない場合があります。ルートは様々で一定していません。

所要時間は6時間弱で、5回乗換が必要で、運賃は20元~26元です。地下鉄よりも高い逆転現象が生じています。現実的でない移動方法ですが、降りたところどころで散策するといったことであれば面白いかもしれません。
鉄道
今は都市間移動は高速鉄道、即ち、高鉄が主力となっています。トータルの所要時間を考えますと、駅までの移動や待ち時間を考えますと、地下鉄移動との差が縮まります。
もっともタイパがよい移動手段です。仮に上海市内各地から上海駅へ行ったとして、その分の所要時間や地下鉄、バス運賃がかかりますが、そうであっても、上海駅からであれば1時間弱、25元~40元程度で蘇州まで移動できます。
鉄道駅は広いので、ぎりぎりで不案内ですと間に合いませんので、余裕をもって到着することをお勧めします。
単純に考えると所要時間が地下鉄と3倍早いのですが、プラスアルファの時間を考えると2倍以下になると予想されます。
上海駅に近くない場所からの移動の場合は、上海虹橋駅から高鉄に乗ると早い場合があります。
運賃や所要時間は、中国鉄道12306で検索して利便性について確認しました。
高鉄
高速鉄道は、スピードは最速です。座っていても次か2番目の駅ですので、すぐに蘇州に到着します。
D列車
上海 → 蘇州 2025年3月14日(金) 8本
- 運賃(二等座) 20元、27元、31元
- 運賃(一等座) 50元
- 所要時間 28分~48分

一番運賃が安いD列車ですが、1日8本しかありません。7時台2本、8時台9時台各1本、残りは14時過ぎ、15時過ぎ、17時前、18時台に各1本です。20元の運賃は2本しかなく買えない場合もあります。
発駅を西にある上海虹橋站にすると52本に増加しますので、上海市内であれば、こちらの方が高鉄のターミナルとなります。
G列車、C列車
上海 → 蘇州 2025年3月14日(金) 71本
- 運賃(二等座) 30元、35元、38元、42元、46元、50元
- 運賃(一等座) 49元、56元、62元、68元、74元
- 運賃(特等座・商務座) 62元、69元、76元、122元、134元、147元
- 所要時間 25分~49分

5時45分が始発で、22時23分が最終です。毎時数本あり、前日であれば大抵買うことができます。
正規運賃が二等座46元、一等座74元で、他の価格は割引運賃となります。
G列車は、本数が一番多い列車種類で、最多価格帯は38元(760円)と42元(840円)です。一等座は二等座と比べて価格差が少ないので、お得な座席と言えます。
出発地を上海站以外の上海虹橋站を含めると113本と40本増ええまして、到着地を蘇州站以外の周辺駅も含めると90本になります。
一般鉄道
古くからある客車列車での移動です。運賃が14.5元なら1時間、290円で移動することが可能です。
上海 → 蘇州 2025年3月14日(金) 29本
- 運賃(硬座) 12.5元(1462次のみ)、14.5元(大半の列車)、16.5元(一部列車)
- 所要時間 46分~1時間2分 平均して1時間前後

朝8時57分~深夜23時40分まであり、高速鉄道がこれだけ多くなってもある程度長距離列車が残っています。
出発が上海駅と限定すれば、普通の列車で移動する方が地下鉄よりもコスパがよく、タイパも高鉄と差ほど変わらないため、時間がうまく合えば、最も効率がよい交通手段となります。
タクシー
上海駅から蘇州駅までタクシーでアクセスする場合、百度地図で検索したところ次の結果が出ました。
- 高速経由 93.1km 1時間48分 約255元
- 下道経由 86.6km 2時間53分 約237元
高速バス
同程旅行で調べました。発着地が限られており、上海駅からは出ておりません。上海長途客運南站や上海虹橋客運西站、浦東国際空港長途客運站のバスターミナルから出ています。
浦東空港からは蘇州まで2.5時間で運賃は99元、南站からは所要時間2時間で45元です。西站は70元です。西站からは周辺の小さな町へ行く便が多いです。
同じくバスターミナルまでの移動が伴いますので、その分の時間をプラスすると合理的なでない移動手段になります。
蘇州地下鉄(軌道交通)
蘇州の地下鉄は2012年4月に1号線が開通がスタートで、中国で15番目、江蘇省内では南京に続いて2番目の開通した都市で、現在では総延長が約350km(全国12位)、276駅になります。
蘇州の地下鉄は郊外までのネットワークの一部ですが、駅名をクリックすると所要時間や運賃が表示されます。下の画像からリンクしています。
使い方ですが、右の上にある「票价图」をクリックしてから、出発駅名をクリックすると、その駅から各駅までの運賃が表示され、「时长图」をクリックしてから出発駅名をクリックすると各駅への所要時間が表示されます。
例えば、花橋から蘇州火車站までは運賃は10元、所要時間は1時間49分です。乗換回数が多いのが難点です。
無錫とも地下鉄が繋がる?
蘇州と西隣にある無錫が地下鉄で結ばれる計画があります。蘇州地下鉄3号線が蘇州新区火車站から延伸されまして、無錫の蘇南机場(空港)まで繋がり無錫と結ばれる予定です。


都市間移動が地下鉄の都市
ちなみに、上海-蘇州(昆山)と同様に、隣接都市間を結ぶ、地下鉄や軌道交通がある都市は、広東省「広州-佛山」、浙江省「杭州-紹興」、陝西省「西安-咸陽」があります。
まとめ
上海-蘇州間の地下鉄は、経済的で便利な移動手段として、観光客だけでなく、通勤や通学者も含めて幅広く利用されています。
特に、上海・蘇州各市内各所からのアクセスの良さと定時性の高さが特徴で、両都市を結ぶ新たな動脈として機能している交通機関です。
上海から蘇州へ移動する方法のひとつとして使える交通手段です。知っておいて損はありません。
作者プロフィール

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
-
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
最近の新規投稿
- 2025-03-11中国語初心者向け!旅行先で役立つ中国語会話 ベスト10(総合編)
- 2025-03-09滞在WeChatPayとAliPayの違いはどこ?
- 2025-03-08移動上海から蘇州《移動ガイド》 ~中国の世界遺産観光に便利なアクセス~
- 2025-03-08中国語初心者向け!旅行先で役立つ中国語会話 ベスト7(飲食編)
こんにちはがおぶです。「中国旅行」でGoogle検索したら、4ページ目にこのサイトが表示されました。凄いですね。
お知らせいただきありがとうございます。嬉しいです。
シークレットモードで検索したら「中国旅行」で43位、「中国 旅行」で44位でした。通常モードだと31位ですが、これはカスタマイズされているので使えませんが。
上位サイトは旅行会社や旅行関係のポータルサイトばかりが並んでいますので、そういった中で個人運営WEBサイトの「中国旅行ドットコム」が「中国旅行」のビックキーワードでこのような順位となったのは大きな進歩だと思います。