WeChatPayとAliPayの違いはどこ?
WeChatPayやAliPayのアプリでクレジットカード連携した後、中国の滞在先で実際に使ってみた違いを具体的に解説します。中国渡航の参考にするため行く前にお読みなることをお勧めします。
短期滞在ならWechatPayとAliPayの違いは少ない
2024年1月及び2023年9月に中国滞在中にキャッシュレス決済をたくさん経験しまして、「どちらがよいか?」という視点での比較をしましたが、両方で一長一短の部分がありました。
実際に現地での決済を経験して言えることですが、総じていいますと、WeChatPayやAliPay(アリペイ)には、細かな違いはありますが、大差はないと思います。
日本人が旅行や仕事などの目的による短期滞在で使う場合は、ショップや飲食店、宿泊先、タクシーなどの支払いが多いので、違いを感じることは少ないというのが実情です。
ただ、中国語のサイトを見ていますと、中国に住んでいて使うのであれば特徴の違いがより明確に区別できると思います。長期滞在は別とお考えください。
「両方使えるようにする」のがお勧め
WeChatPay vs AliPay、どちらがよいかの結論ですが、現地で使えなくなるリスクがあるため、両方使うことがベストチョイスだと考えます。
クレジットカード登録、紐付けはWeChatPay、AliPayどちらも可能です。何れもほぼ同じ程度に普及しているので、どちらがよいというまでではないのですが、両方登録しておくと、決済手段が複数になりますので、より便利になるのはないでしょうか。
「どちらにするか」というよりは、バックアップも兼ねて「両方使えるようにする」のが現実的に効果的なのではないかと思います。
日本のQRコード決済が直接使える?
残念ながら、今のところは、PayPayや楽天Payなどの日本のQRコード決済が、中国で直接使うことはできません。
大きな動きがありました。2024年12月、東南アジアのキャッシュレス決済サービスが中国で使えるというニュースが中国大手メディアで報道されていました。

WechatPayで日本や海外のクレジットカードを紐付けしないと決済できなかったのが、そのプロセスすら不要で、海外の8サービスは直接使えるという究極のサービスです。

実は、こちらには背景がありまして、2022年から細々とはじまって、2023年9月に杭州で開催されたアジア大会でも試行されていました。
次の一覧にある8つの決済サービスは2024年12月17日から対応しており、WechatPayのQRコードを読み込んで決済可能です。
直接決済に対応したQRコード決済
香港
- 中銀香港 BoC Pay
- 八達通
- PayMe by HSBC
- Tao & Go拍住賞
タイ
- Bangkok Bank Mobile Banking
- K PLUS
韓国
- NAVER Pay
マレーシア
- ICBC Mobile Banking(ICBC Pay)
注意事項
ひとつ気を付けないといけないのは、現地で決済エラーが生じる恐れがあることは、クレジットカードと紐付けしたWechatPayやAlipayと同様、リスクがあることを覚えておいた方がよろしいかと思います。
こんなことあるの?と思われるかもしれませんが、将来的にはあり得る話です。が中国でそのまま使える日が来ることを心待ちにしましょう。
WeChatPayとAliPayの具体的な違い
2025年に中国語のWEBで収集した最新情報や2024年と2023年に北京市、江西省、福建省、雲南省で実際に使った中で経験したWechatPayと両者の違いを実例を挙げて説明します。
Apple PayがWechatPayに対応
WechatPayでは、Apple Payの紐付けが対応したという情報が2025年1月下旬に個人からの投稿を中心にネット上で出てきています。

投稿情報によれば、中国(+86)以外のユーザーの携帯電話番号で登録されたユーザーがパスポートによる認証が行われたら使用できるとのことです。

上の画像ですが「悄悄支持苹果ApplePay功能」という表現があります。”悄悄”はこっそりといった意味合いがありまして、ApplePayの機能がこっそり対応した的な感じで発信しています。
支払の優先順位の付け方は互角
WechatPayは前回支払った方法が自動的に選択され、支払時のみ別の支払方法を選択できるのに対して、AliPayは、最初から支払方法の優先順位を選択できて、その決められた順位で引落されるものでありましたが、いつの間にか、WechatPayもできるようになっていました。
公共交通手段での利便性はAliPayの圧勝
Alipayはアプリ直接対応となりまして、例えば、北京や南昌地下鉄でQRコード(二维码)を追加して日本のSuicaのように改札機で読み取らせて通ることができるのが、WeChatPayとの大きな違いです。
各都市の導入方針によりますが、 全体的にはアリペイの方が便利でした。
別に、バス乗車に使えるアプリがあるのですが「北京公共」は外国人の携帯番号では受付されませんでした。 「北京一卡通」は設定が先に進みませんでした。
路線バス
北京市や江西省南昌市、福建省三明市の3都市それぞれでバスの乗車コード(乘车码)を入手(领卡)して、日本の交通系ICカードに近い使い方、リーダーに読ませれば使えました。
北京の場合は、運賃が均一の路線と距離により運賃が上昇する路線がありまして、乗車時と下車時のスキャン(扫码)が必要でした。
地下鉄
AliPayは日本のSuicaといった交通系ICカードと同じ使い方が可能ですが、WechatPayはそのような使い方はできませんでした。
AliPayのように改札をスキャンするだけで通過することはできず、券売機の隣にある専用の販売機で切符を買わなければなりませんでした。都市によっては両方使える場合があります。

江西省南昌市を例にあげます。「乘车码」というQRコードを受け取る手続きをして、改札でそれを呼び出して機器に読み取らせれば、切符を買わずに改札を通ることが可能です。入るときと出るとき両方読み取りが必要です。
WechatPayは、券売機で購入する際の決済手段としては使うことができましたが、AliPayと比べると使い勝手が一歩後退していると言わざるを得ませんでした。
割引クーポン
両方に共通しますが、割引クーポンが多いです。携帯電話SIMカードのチャージする際に割引になったりすることもありました。1日1度割引が適用されたことがありました。
例えば、WechatPayでしたら、30元をミニプログラム(小程序)でチャージしたら29.97元になっていて、0.03元割引になっていました。AliPayですと50元で48.50元、1.5元の割引額でした。
印象としては、AliPayの方がWechatPayより割引率や割引クーポンが出る頻度が高いと思います。
2024年1月に渡航した際には逆に割引クーポンはほぼ出てきませんでした。時期にもよるのではないでしょうか。必ずでる訳ではないようです。
侮るなかれセキュリティーエラー
AliPayですが現地で急に使えなくなり解決できなかったことが何度かありました。一時的に回復するのですが、2〜3回に1度使えなくなるのです。
ただ、ユーザーの環境により異なると踏んでいますので、登録状況や設定によりそうなるとは限らないと思います。
Alipayは、時折、セキュリティ上のエラーが発生して、一時的に決済ができなくケースが多発したこと。これはユーザーによって生じるかどうか異なります。
WechatPayは滞在期間中、支払いができなかったことは一度もありませんでした。
併せて読むと理解が深まるトピック
キャッシュレス決済に関するトピックで関係するテーマを例として他の記事の関連リンクを挙げました。
- 中国でキャッシュレス決済《WeChatPay》クレジットカード登録手順
- 《WeChatPay》クレカ登録後に中国で使用する方法
- 中国でキャッシュレス決済《Alipay》クレジットカード登録手順
- 《AliPay》クレカ登録後に中国で使用する方法
まとめ
WeChatPayとAliPayは中国へ短期滞在で行くなら優劣をつけるほどの差はありません。セキュイティエラーなどのトラブルや障害に備えて、決済手段として両方を持つことが最も無難な選択です。
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作者プロフィール

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
-
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。
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