アリペイ&WechatPay「セキュリティ解除」の全手順と注意点

2026年6月の中国渡航ではアリペイとWechatPayを約140回、2026年1月には約150回使いましたが、エラーは1度もありませんでした。理由はシンプルで、出発前にクレジットカード会社へ電話して「セキュリティ解除(制限解除)」をお願いしていたからです。その後、2026年5月〜6月の渡航前にも三井住友・JCB・楽天の3社に*実際に電話をかけ直し、番号のかけ方から本人確認の中身、有効になるまでの時間まで、会社ごとにこれだけ違うのかと驚きました。この記事では、カード会社別の実例をもとに手続の全手順や知らないと損する注意点を解説します。

読者からの質問がこの方法を教えてくれた

中国旅行ドットコムに届いたアリペイやWechatPayに関する質問の中でこんな相談を受けました。「クレジットカードを紐づけたのに、現地で決済エラーが連発した。何が原因なのか。」というものです。

調べていくうちに分かったのが、「クレジットカード会社のセキュリティ制限」という存在でした。海外での不審な決済を防ぐため、カード会社のシステムが自動的に制限をかける仕組みが、アリペイやWechatPayの決済エラーを引き起こすことがあります。

その対処法として有効なのが、渡航前にカード会社へ電話して「セキュリティの感度を調整してもらう」手続き、いわゆる「セキュリティ解除」です。渡航前に自ら実践してみました。

📊 結果:150回決済・エラーゼロ

決済エラーの原因は2つある

中国でWechatPayやAliPayが使えないトラブルには、大きく分けて2つの原因があります。まずこの全体像を把握しておくと、トラブルが起きたときの対処がスムーズになります。

原因 内容 対象者
① アプリ側の問題 実名認証・アップデート未実施・アカウント設定など、原因が多岐にわたります 一部のユーザー
② カードのセキュリティ制限 カード会社が海外での不審な取引として検知し、自動的に制限をかけます クレカ紐づけ全員に関係

②については、クレジットカードを紐づけて使う方なら誰でも起こりうる問題です。かつ、渡航前に確実に対策できます。まず②の対策を済ませてから渡航することを強くおすすめします。

「セキュリティ解除」とは何か

クレジットカード会社は、リアルタイムでシステムによるセキュリティーチェックと、24時間365日の人的モニタリングを組み合わせて不正利用を監視しています。海外でのキャッシュレス決済が「通常と異なる動き」と判断されると、利用制限がかかります。

カード会社に事前に「◯月◯日から◯日間、中国へ渡航してアリペイやWechatPayを使います。決済エラーが出ないようにしてほしい」と依頼することで、セキュリティの感度を調整してもらえます。

これを「セキュリティ解除」(カード会社によって「セキュリティコントロール」「セキュリティ緩和」「セキュリティレベルの調整」などとも呼ばれます)といいます。

注意点として、この手続きを行っても、カード会社のシステムによるモニタリングで異常と判断された場合はカードに利用制限がかかることがあります。

その際、ケースによってはSMSやメール、電話で連絡が来る場合がありますが、ない場合も多いです。

中国滞在中は、手続き時に伝えた携帯番号への電話またはSMSとなる可能性が高いため、番号を正確にお伝えください。

カード会社への連絡前に確認すべき4つのこと

どのカード会社に電話する場合でも、次の4点を事前に調べておくとスムーズです。

① 担当窓口の電話番号と部署名

カード会社の総合窓口が「セキュリティ解除」を直接担当しているとは限りません。別の部署が対応しているケースがあります。カード裏面またはWEBサイトで総合窓口(コールセンター)の番号を確認した上で、「セキュリティ解除を担当する部署の番号」を別途確認してください。

三井住友カードで確認した担当窓口番号は0570-001-054でしたが、0570から始まる番号は海外から利用できません。オペレーターが案内する番号が必ずしも海外対応とは限らないため、「海外から使える別の番号」を日本にいるうちに必ず確認しておきましょう。

② 日本国内 vs 中国からの電話

「セキュリティ解除」は日本を発つ前に行うのが最も確実で、ハードルも低くなります。中国からでも可能ですが、国際電話料金が発生します。できれば出発前に済ませておきましょう。

③ コレクトコールの可否

コレクトコールとは、受信側が通話料の一部を負担するサービスです。カード会社によっては対応している場合があるため、中国から連絡が必要になった場合に備えて事前に確認しておきましょう。

④ 窓口の営業時間

日本と中国の時差は1時間あります。加えて、セキュリティ担当窓口の営業時間が総合窓口と異なる場合があります。

三井住友カードの場合、セキュリティ担当窓口の対応時間は日本時間10:00〜17:00です。中国から電話する場合は、1時間の時差がありますので、現地時間(北京時間)9:00〜16:00になります。

土日祝日も営業していますので、急に思い立っても日本を飛び立つまでに電話すれば大丈夫です。

経常的に混みあっているようで、電話をかけても、すぐにオペレーターが出るとは限りません。10分~15分待たされることが結構ありますので、ご注意ください。

⑤ 複数枚のカードを持っている場合

例えば、VISAとJCBといったクレジットカードを複数枚持っている場合、セキュリティ解除の手続きはカードごとに完全に独立しています。1枚だけ電話をかければ全カードが対象になる訳ではありません。1枚ごとにカード裏面の電話番号へ連絡し、それぞれ本人確認から行う必要があります。

【実例】三井住友カードでの全手順7ステップ

以下は三井住友カードを例にした「セキュリティ解除」の具体的な流れです。カード会社によって本人確認の方法や部署名は異なりますが、大まかな流れは同様です。「カードを失くした」「カードが利用できない」から入ります。

手続きのタイミングについて、三井住友カードでは渡航日1ヶ月前より近い日程であれば受け付けが可能です。あまり早すぎると対応できないため、日程が確定してから連絡するのがよいでしょう。

🔐 三井住友カード「セキュリティ解除」7ステップ
1
総合受付へ電話する
アナウンスを少し聞いた後に「1」、次のメニューを聞き「1」を押してお進みください。クレジットカードに登録した番号から電話するとスムーズです。
2
カード番号下4桁を入力する
その後アナウンスを聞いて「2」を押してください。
3
生年月日を入力する
例)2月9日生まれの場合は「0209」と入力してください。
4
オペレーターにつながったら
「セキュリティ解除の手続きをしたい」とお伝えください。
5
渡航情報を伝える
「◯月◯日から◯日間、中国へ渡航し、WechatPayとAliPayを使う予定です」とお伝えください。
6
現地連絡先の携帯番号を伝える(任意)
中国滞在中に連絡が来る可能性があるため、現地で使う携帯番号があればオペレーターへお伝えください。
7
本人確認を完了する
引落先の銀行口座情報を聞かれます。確認が取れたら程なくセキュリティ解除が完了します。

この手順は私が実際に経験したものですが、オペレーターやユーザーの状況によっては一部が行われなかったり、別の確認が追加になる場合があります。

セキュリティ調整の手続直前に本人確認があります。2026年5月の際は銀行名、支店名、口座番号下4桁を、2025年12月には、目的、引落先銀行名、支店名、口座番号下四桁を聞かれました。勤務先を聞かれる場合があります。

そのまま待つのではなく、途中で、番号を入力しないといけない時が2回あります。最初のアナウンスの時、カード番号下4桁を入力した後です。それらが過ぎれば後は待つだけです。待ち時間も含めて15分~30分ほどで手続きは終わります。

JCBカード・楽天カードの場合

JCBカードはオーソリーセンター(不正利用防止を専門に扱う部署)が窓口です。案内に沿って本人確認を進めると「セキュリティを緩める設定」を有効にできます。

楽天カードは自動音声の案内が長めですが、コンタクトセンターにつながれば「海外に行くのでセキュリティを緩めたい」と伝えるだけでスムーズに完了します。ただし利用状況によっては渡航中に再度ロックがかかる場合があるとの案内がありました。

エラーが出てしまったときの原因切り分け法

セキュリティ解除を行っても、なおエラーが発生するケースがあります。そのときに役立つのが「原因の切り分け」です。

アリペイやWechatPayでクレジットカードを使って決済すると、カード会社にリアルタイムでデータが届きます。

カード会社にエラーのデータが届いていれば、カード側の問題として調査してもらえます。逆に、データが届いていなければカード側の問題ではなく、スマホ決済アプリ側に別の原因がある可能性が高いです。

📍 実際に聞いた説明(2026年5月・三井住友カード)

オペレーターの方から「当社のセキュリティの関係で安全上の停止、ロックが掛かった状態でした。最近不正利用が増えてきています。12306で直接決済したときも、WechatPay経由での決済ができなかったのも、同じセキュリティがかかって使えなかったことが履歴で確認できます。」という説明を受けました。アプリの種類に関わらず、カード決済を伴うものはすべて同じセキュリティの対象になることが分かります。

セキュリティ解除の手続きを済ませたのに帰国後もエラーの心当たりがある場合は、帰国後1ヶ月以内に確認すべき理由も合わせてご確認ください。

決済結果をリアルタイムで確認する方法

カード会社によっては、決済のたびに結果をメールで通知するサービスを提供しています。このサービスに登録しておくと、決済が成功したかどうかを数時間以内に確認できます。エラーが発生したことを早期に把握するためにも、渡航前に登録しておくことをおすすめします。

それでも解決しない場合は、一緒に原因を探しましょう

ブログを通じて、WechatPayやAliPayの決済エラーに関する質問が多数届いています。原因は多様で、セキュリティ解除だけでは解決しないケースも確かに存在します。

決済エラーが起きた状況(いつ・どのアプリで・どんなエラーメッセージが出たか)を質問フォームで送っていただければ、原因の切り分けを一緒に行うことができます。一人で抱え込まず、お気軽にご連絡ください。

決済エラーの状況をお知らせください。
原因の切り分けを有償でサポートします。
一般的な質問も受け付けています。

ご連絡は質問・相談フォームで受付けています。

決済エラーの状況を送る

よくある質問(FAQ)

本記事に関連して聞かれる質問と回答をQ&A形式でまとめました。

セキュリティ解除はいつまでに電話すればよいですか?

渡航日の1ヶ月前より近い日程が目安です(三井住友カードの場合)。あまり早すぎると対応できないため、日程が確定してから連絡するのが最善です。

クレジットカードを複数枚持っている場合はどうすればいいですか?

カードごとにシステムが独立しているため、それぞれ個別に電話が必要です。1枚だけ手続きをしても他のカードには反映されません。

セキュリティ解除の有効期間はどのくらいですか?

カード会社・状況によりばらつきがあります。渡航直前に有効期間を再確認する運用が安全です。

中国からクレジットカード会社に電話できますか?

可能ですが国際電話料金が発生します。カード会社によってはコレクトコール対応の場合もあります。0570から始まる番号は海外から利用できないため、別の番号を事前に確認してください。

セキュリティ解除後もエラーが出る場合はどうすればよいですか?

カード会社にエラーのデータが届いていない場合は、スマホ決済アプリ側の問題である可能性が高いです。エラーの状況をスクリーンショットまたはメモで記録し、帰国後にカード会社へ問い合わせると原因の切り分けができます。

アリペイとWechatPay、セキュリティ解除は両方に有効ですか?

どちらもクレジットカードとの紐づけがあれば対象です。電話時に「アリペイとWechatPayを使う予定」と伝えれば意図は伝わります。

まとめ

「セキュリティ解除」の手続きが有効であることを、三井住友・JCB・楽天・銀聯の4ケースであらためて確認しました。

会社によって電話番号や待ち時間、有効になるまでの日数は異なりますが、いずれも難しい操作は不要で、電話1本またはチャット・WEBで完了します。

アリペイやWechatPayに紐付けしたクレジットカードを事前に確認したうえで、出発前に取り組んでみてください。

📌 ポイント

  • セキュリティ解除は電話1本(一部WEB・チャットも可)でできる有効な事前対策
  • カード会社によって電話番号・待ち時間・有効期間が大きく異なる
  • 複数カードを持つ場合はそれぞれ個別に連絡が必要

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筆者情報

安田 こうじ
安田 こうじブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から35年、73回、320ヶ所を個人旅行で歩いてきた中国旅行専門家。ツアーでは入れない路地裏や地方の町まで足を運び、リアルな中国渡航情報を発信しています。旅する中国語講師としても活動中。詳細は筆者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

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