《WechatPay》&《AliPay》決済トラブルを未然に防止する方法

クレジットカードと紐づけを行ったWechatpayやAliPayで中国滞在中、キャッシュレス決済時に突然エラーが起きることがありますが、それを防ぐためのやり方を詳しく解説します。

この記事のポイントは次の2点です。

  • 「決済トラブルの原因を知ること」
  • 「その原因に対する対処法を身に着けること」

結構な頻度で起きる決済エラー

皆さんは日本でクレジットカード決済ができなくなった経験はありますか?ある方はそう多くないのではないでしょうか。

ところが、WechatPayやAlipayでクレジットカードを紐づけしている場合、中国の店舗などで決済しようとすると、成功しない例が結構な頻度で起きています。

読者から多数寄せられた決済トラブル

2023年7月にWechatPayやAliPayのクレジットカードとの紐づけが開放され以降、実際に、読者から中国へ行ったら決済エラーが生じたと質問やお便りを度々いただき、同じような悩みをお持ちの方が多数いらっしゃっいました。

作者も決済トラブルを経験

私も中国の滞在先でAliPayでのエラー経験が何度もありました。2023年9月のことでした。現地ではいろいろ試みましたが、原因が分からず苦労しまして、結局時間がなかったためあきらめて帰国したことがすごく心残りでした。

身をもって経験して、皆さんも同じようなことが起こっていることもあり、サイトで情報発信しようと思いました。

決済エラー原因の一端が見えてきた

帰国後、読者からのお便りを読んで、エラーの原因のひとつとして、紐付け登録したクレジットカード会社がキーポイントであることや事後に確認できることに気づきました。

実際に気づいたのが2023年12月で渡航してから既に3ヶ月近く経過していました。クレジットカード会社に問い合わせをしましたが、どうなったかといいますと・・・。

帰国後に取り組んだこと実例

私自身の中国でキャッシュレス決済ができなかった実体験を具体例として挙げます。

2023年9月に中国へ行ったとき、AliPayで決済エラーが起こった原因を特定するために、12月上旬に自分が持っているクレジットカード発行会社へ電話で問い合わせをしました。

細字下線が私からの質問、太字がクレジットカード会社オペレーターからの回答です。

クレジットカード会社との電話やりとり

9月に中国でAliPayで決済した時にエラーが頻発しました。どんな原因がありますでしょうか?

確認しましたところ、2023年9月17日にAlipayで173.49元の決済ができなかった履歴が残っていました。それ以外に9月のエラー履歴についてありませんでした。

決済エラーが出たという履歴(ログ)はいつまで保存されるのでしょうか?

履歴の保持期限ですが、セキュリティエラーの種類によって異なりますが、決済できなかったログは1ヶ月以内であれば基本的に残っています。既に3ヶ月近く経過しているので、9月17日以外のエラー記録は残っていませんでした。

このエラーは不正検知のために直前に決済を止められたのという意味でしょうか?

はい。9月17日の履歴は、不正利用の恐れがあると感知してセキュリティエラーとなりました。

では、決済時のセキュリティーの感度を調整することはできますか?そのためにはどのような手続きが必要でしょうか?

感度調整は可能です。事前に電話でご連絡をお願いします。

電話のやりとりから得られた”4つ”の教訓

以上が、クレジット会社とのやりとりでした。

やり取りの中で、渡航前のクレジットカード会社へのアプローチが有効であることが明確になりました。それは4つの教訓です。

  • 決済エラーの原因がクレジットカード会社のセキュリティ対策であれば、一定期間ログに記録が残ること。
  • エラーの履歴(ログ)や記録の保存期限はクレジットカード会社が独自に設定している。
  • 1ヶ月超過で保存期限切れ、記録削除されるケースがある。
  • 原因を知るためには、遅くとも帰国後1ヶ月以内にクレジットカード会社へ問い合わせる必要があること。

中国渡航で対策を実践した結果

自分自身で得た経験や学んだ教訓を活かして、事前対策を怠らず、2024年1月に中国へ再び旅行に行きました。

中国渡航前に、クレジットカード会社へ電話し、カードのセキュリティを緩めてもらうよう依頼を怠らずに行いました。

2024年9月、2024年1月の旅行では、現地で50回以上、WechatPayかAliPayのいずれかでキャッシュレス決済をしましたがエラーは起こらず、全ての決済が成功しました。

決済トラブルの切り分け方

スマホ決済ができない原因を切り分けるために作成した関連動画として、「WechatPay & Alipay 決済トラブル原因切り分け法」 がありますので、チャンネルトップ又は再生リストからアクセスしてください。

帰国後、速やかに原因追及を!

この事例は確認の仕方が余りよくなかったのですが、何がよくなかったのか分かりますでしょうか?

確認したのが2ヶ月半後ということです。クレジット会社のログ保持期限が過ぎていて、他にあった決済エラーがクレジットカードとの紐づけなのかどうか確認する術を失ったからです。

もし、このような事例が生じた場合は、原因を切り分けて今後そのようなことを防ぐために、帰国後、速やかにクレジットカード会社へお問い合わせください。

セキュリティコントロールとは?

以上により、クレジットカード会社がセキュリティー感度のコントロールを行っていることがWechatPayやAlipayの決済エラーに繋がっていることが分かりましたが、いったい、どういうことなのでしょうか?

サービス名称

クレジット会社によってセキュリティを調整することに関する用語が異なる場合があります。次のような言葉が使われるケースが多いです。

  • セキュリティコントロール
  • セキュリティ解除
  • セキュリティ緩和
  • セキュリティレベルの調整

クレジットカード会社のセキュリティ対策

クレジットカード決済時のセキュリティーコントロールはクレジットカード発行会社のシステムで自動化されています。

目的は不正利用を防ぐためです。不正利用の懸念があるため、異常として検知されるといった流れです。

不正対処の2つの方法

では、モニタリングする中で、不正な動きであると検知した後、セキュリティシステムはユーザーに対してどう対処されるかについてですが、次の2種類あります。

  • 該当する決済に対してのみ制限をかけるパターン
  • クレジットカード利用そのものに制限をかけるパターン

実際の運用手法

システムがどちらを選ぶかは、時々の不正利用犯罪の傾向や利用時間帯など、ユーザーの過去のクレジットカード利用履歴といったことを踏まえてクレジットカード会社側で自動又は手動で精査されます。

利用者への影響

制限をかけるというのは、カード会社がクレジットカードを利用できなくすることとお考え下さい。このことを予め知っておくことで、原因の切り分けをしやすくなります。

現地での決済トラブル防止法

では、クレジットカードの紐づけにより決済ができなくなることを防止するための方法について解説します。

セキュリティ解除依頼の方法

まず、渡航期間が確定した後に、クレジットカード発行会社の窓口へ電話します。

「何月何日から何日まで何日間、中国へ渡航して、現地でWechatPayやAliPayを使うので、決済できないエラーが出ないようにしてほしい。」とお話しいただき、セキュリティの感度調整を依頼してください。

たったこれだけです。事前に一度電話するだけで、クレジットカードの紐づけによる決済エラーを防ぐことができます。

出発前に対応を希望する場合、例えば、三井住友クレジットカードの場合、渡航日1ヶ月前より近い日であれば受け付け可能です。逆に、余り早すぎると対応できませんので、日程が確定して、近くなりましたらご連絡ください。

Youtube【解説動画】WechatPay & AliPay 決済トラブル防止法

カード利用お知らせメールサービス

クレジットカード会社によっては、決済後にメールでその結果を送るサービスを提供しています。

登録すると、基本的に数時間以内にメールで届きますので、そういったサービスに登録することも確認のための一つの手段と言えます。

”決済トラブルを未然に防ぐ方法”まとめ

中国ではスマホ決済ができないトラブルの主な原因は次のふたつあります。

  1. スマホ決済アプリに関するもの
  2. 紐づけしたクレジットカードによるもの

注意が必要なのは、1についてはエラーの原因は多様で、対策の何れもが全員に適用可能とは限りませんが、2はWechatPayやAliPayでクレジットカードとの紐付をすれば全員に適用できるものです。

2の紐づけしたクレジットカードによる原因の場合の対処方法ですが、中国渡航前にクレジットカード会社にセキュリティーコントロールを電話でお願いすることで、クレジットカードに起因するエラーが起きにくくなります。

事前手続と原因調査のすすめ

誰でも簡単に原因調査が可能です。皆さんに試していただければ幸いです。

WechatPayやAliPayの決済トラブルを防止する具体的な方策は次のふたつです。

  • クレジットカード会社へのセキュリティコントロールが有効なので、連絡を速やかに行うこと。
  • 万が一、間に合わない場合は、帰国後、原因を確認するためにクレジットカード会社へ問い合わせること。

原因が分かれば、対策がとりやすいです。現地エラーが起きたら、ぜひ取り組んでいただければ幸いです。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。

大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。

詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

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