《AliPay》クレカ登録後に中国で使用する方法(2024)

旅行や仕事などで中国滞在中にAliPayを使う際のQRコードの決済方法や使用できる場所、利用限度額、現地で実際に使用したケース事例、カードの優先順位変更など、アリペイを使うときに必要なことについて詳細を解説します。

アリペイを現地で使用するには、最初にアプリのインストールとクレジットカードの登録が必要です。具体的な方法や手順は「中国でキャッシュレス決済《Alipay》クレジットカード登録手順(2024)」で写真付きで詳しく解説しています。

Alipay基本情報

AliPayは、中国でキャッシュレス決済といえばWechatPayと並ぶ、中国人であれば誰でも知っている決済手段です。

中国語では「支付宝」(zhifubao)と呼ばれています。AliPayと言っても通じませんのでご注意ください。日本語的な発音に直しますとジィフゥバァオと言います。

分かりやすく言い換えれば、日本のPayPayや楽天ペイといった決済アプリに相当するものです。

インバウンドで訪日する中国人観光客が日本のコンビニなどで使っている光景を見かけることも普通となってきました。

使用可能な場所

AliPayは、レストラン、食堂、カフェ、ファストフードなど飲食店、コンビニ、スーパーマーケット、デパート、ショッピングモール、衣料品や雑貨、お土産などを販売している店舗、ホテル、安宿などの宿泊施設、美容院、理髪店、足裏マッサージ屋、薬局、病院、観光地入場料の支払など、使える場所やジャンルは多種多様です。

下の例としての記載はありませんが、市内を縦横無尽に走る路線バスでも、個別に「交通吗」(jiaotongma)というQRコードを呼び出すことで交通系ICカードと同じように使うことができることがAliPayの特徴です。

AliPayが使えるところ

対応可否を確認する方法

青地の背景と白地の文字で「支」のロゴが表示されている表示や「支付宝」のテキスト表示が必ずありますのですぐ見つかります。ロゴが青、水色系の色であることを覚えておくとよいでしょう。

AliPay ロゴマーク

普及状況と使用シーン

2023年9月に中国へ行ったときに、町中を歩いていて、店舗で使えないところはないのではないかというくらいQRコードの表示がたくさんありました。もはや現金と変わらないくらいの普及度合いでした。

移動手段ですと、高速列車や飛行機はもちろんのこと、地下鉄や路線バス、レンタルサイクルサービスでも使えるなど、日本とは比べものにならない普及の広がりを見せています。

ショッピングもしかり。写真にあるように自販機での決済も対応したり、コンビニや個人経営の小さな商店でも当たり前のように使えます。デパートや観光地にある土産屋などあらゆる小売店で対応しています。

24時間無人コンビニでもアリペイが使えます

冷蔵庫を開閉して飲み物が買えるものがありました。左側の「扫码开门」(QRコードをスキャンして扉を開ける)と書いてある所にアリペイのロゴがありますので、決済可能ということです。4元や5元でジュースなど飲料を買うことができます。

24時間自動販売機 アリペイで扉を開ける
24時間自動販売機 アリペイで扉を開ける

チャージは不可

日本でも基本できないケースが多いと思いますが、クレジットカードで紐付しただけでは、他のユーザーに対する送金やチャージができません。これはWechatPayと同様です。ただ、クレジットカードを紐付けすれば飲食店や店舗での決済で使えますので、チャージができないという理由で困ることはありません。

事前にしておくこと

最初にアリペイを使用するときには、アクティベートが必要です。具体的には「規約を読んで同意する」というプロセスです。ボタンを押すだけですので簡単にクリアできます。

支払時の使い方

アリペイ支払う時には次の2種類の方法があります。

  1. QRコードをスキャンし金額を入力して相手に見せて決済する方法
  2. 自分のスマホでQRコードを表示したものを相手がスキャンする方法

1ですが、水色や濃い青色の背景に表示されているQRコードをスキャンします。中国語で「主扫」(zhǔsǎo)ジューサァオといいます。

2は、ハンディースキャナーでスキャンするのですが、金額の入力は不要です。中国語で「被扫」(bèisǎo)ベェイサァオといいます。

現地での決済経験から言えるのは、1の方法による決済がほとんどを占めまして、2は一部1コンビニや鉄道駅の切符購入など、限られた所で使われています。

① QRコードをスキャンする

店舗など、QRコードがプリントされた紙やラミネート、シールなどが吊るされていたり、ガラスに貼られていたり、スタンドのように立っていたりする形であります。これを中国語で「收款吗」(shōukuǎnmǎ)ショォウクゥアンマァーといいます。

AliPayアプリの「扫一扫」(スキャンする)で、QRコードを読み取らせます。スキャン後、支払金額を入力して支払うやり方です。読み取りされますと、店舗に入金されるという流れです。

2023年9月に中国で滞在した時に使用したときの大半はこちらの方法でした。また、現地で観察していましたが、こちらの方が圧倒的に多かったです。

実例紹介 ~アリペイのQRコードをスキャン~

写真では江西省南昌の街中で売っている露店です。子供に母親がサトウキビ汁を買おうとして、スマホ決済をしようとしている光景です。緑色の○がアリペイのQRコードで、スマートフォンを近づけて読み取って、金額を入力して決済します。

さとうきび汁を買う親子と売る店主(江西省南昌)

具体的な手順ですが、QRコードを読んだ後、支払う金額を数字で入力して、確定ボタンを押します。6桁の決済パスワードの入力を求められる場合は、設定した数字6桁を入力して確定すれば、決済完了となります。

② 表示したQRコードをスキャンしてもらう

このケースでの決済に対応する場合、下の写真のような利用者のQRコードを読み取るリーダーがありますので、スタッフが読み取って決済完了する流れです。これを中国語では「付款吗」(fukuanma)といいます。

アプリの具体的な操作ですが、「收钱/付钱」(受取/支払)を選び、QRコードとバーコードを提示して、相手側がこれらをリーダーで読み取ります。

QRコードやバーコードを読み取るリーダー
アリペイで表示QRコード&バーコード

路線バスの場合ですが、日本と同様にワンマン運転で読み取る操作をする人はいませんので、画面を表示させたものを、自分でバス備え付けのリーダーに読み取らせるやり方があります。

このやり方の場合は、①のような、金額のや決済パスワードの入力は基本的に不要です。

決済で優先的に使うカードの変更

アリペイでは、クレジットカードや銀行口座と紐付して決済するのですが、決済する際にどのクレジットカード(銀行口座)を使用するのか、優先順位を決めることができます。

そこで「收付款」の画面での変更を例として説明します。

① QRコード画面を出す

QRコードの下に、決済時に使用されるカードの種類が示されています。決済時に優先的に使用する手段を変更したい場合は「>」をクリックします。(左側の写真)

② 優先的に使用する決済方法の選択

登録しているのが「VISA」と「中国工商銀行」2種類あります。現在「✔」があるのは前者ですので、後者に変更する場合は囲った部分をタップします。(右側の写真)

決済手数料

1回当たり200元以下は決済手数料は無料で、200元を超える場合は手数料3%が必要です。WechatPayと全く同じです。手数料の支払が生じた場合、キャンセル時は支払額に応じた手数料が戻ります。

こちらはアリペイが徴収する手数料ですので、クレジットカード会社が徴収する元払いに関する手数料は別であるとお考えいただけると分かりやすいです。少し高いレートで取られるものとお考え下さい。

200元を超える高額決済となりますと、手数料が二重に取られることになります、

利用限度額

1回当たり3,000元までの決済が可能で、1ヶ月50,000元までです。WechatPayの利用限度額とは微妙に異なります。外貨と人民元とのレートについては、各クレジットカード会社が設定したレートで換算されます。

日本円で3,000元はレート1元=20円とすれば6万円ですが、高価な商品やお土産を買わなければ、そこまで消費することは少ないのではないでしょうか。

ビジネスでしたら、数人の食事代をまとめて支払うといったケースですとそうはいかない場合がありますので、注意が必要です。

利用明細の確認方法

アリペイで決済後、日本のアプリと同様に決済した内容を確認することができます。

クレカ明細から内容を把握

作者が経験した実例を挙げて説明します。2023年9月に北京、福建、江西を10日間ほど旅行しまして、帰国後にクレジットカード会社の明細を確認しました。

それを見やすいように編集したものが次の画像です。見て分かりますように、日本で発行されたクレジットカードを紐づけて決済したものが全て1件1件計上されています。略称にあるCNYは中国元のことです。

クレジットカード会社から来た明細

決済毎に計上されますので、2元や3元といった少額決済が多くて、9日間の滞在でAliPayとWechatPayで40件以上ありました。レートは1元=20.8元程度で換算日によって上下があります。

店名が「AliPay」と表示されるため、残念ながら、どこで何に使ったかですがは、クレジットカード利用明細では見えるか形では分かりません。別の方法で確認します。

クレカ紐付け解禁後の決済実績

コロナ後、2回中国へ行きました。2023年7月21日にアリペイが外国のクレジットカードとの紐づけを開放してから間もない時期にその効果を享受することができました。

”全ての店舗で使える”といって過言ではない

2023年9月の中国滞在中の決済回数32回で、旅行全体で支払いした回数のうち55%をAliPayが占めました。飲食店で使用した割合が最も高く、飲み物を買ったりする時にも使っていました。

2023年12月~2024年1月にも中国へ渡航。その時は決済71回中40回がAliPayでした。

何れも、WechatPayも使っていますので、回数的には決済回数全体の半分程度になっています。

決済した場所ですが地方の中都市や郊外の県クラスの区も含まれています。入ったお店で「使えません。」と言われたところは1ヶ所もありませんでした。

中国スイーツのテイクアウトにもアリペイは使えます

こちらは江西省南昌市の中心部の路地にあります、古くから開いている手作りお菓子のテイクアウト専門店です。

物価高で値上げも進んでいる中で、今でも2元で甘い中国お菓子が買えるのはうれしかったです。「白糖糕」(甘いお餅)と「大麻团」(ごま団子)とテイクアウトし、アリペイで支払いました。

実際に使えた場所

中国で使った店舗などの種類は次のとおりなのですが、挙げてみると結構いろいろありました。当日の宿泊予約にも使うことができました。

作者がアリペイで現地で決済した実績

  • 飲食店(店内・テイクアウト)
  • 宿泊代金
  • オンライン予約(Trip.com)
  • 足裏マッサージ代
  • 大型スーパーマーケット
  • 小売店
  • 路上営業の露店
  • 公園で営業していた青空理髪店
  • 路線バス
  • 高速鉄道
  • 地下鉄(北京・南昌・昆明)

公共交通機関でも普及が進む

変化を感じたのは、交通機関使用が広まっていたことです。バスや地下鉄では券売機で切符を買ったり、交通系ICカードで読み取ったりするのがスタンダードでしたが、第三の決済手段として、アリペイは着実に勢力を伸ばしています。

地下鉄の改札をアリペイで通る

江西省南昌市の地下鉄では、アリペイのQRコードを表示して、緑の○の部分にリーダーがあるので読み取らせれば、改札を抜けることができます。

到着駅でも同様に、表示したQRコードをスキャンすれば出ることができまして、乗車した区間の運賃が支払されるという仕組みです。切符を購入する必要はなくなりました。

コロナ前もアリペイでWEB決済ができた

実は、日本での支払いもできます。コロナ前も含めての話ですが、実際に決済に成功した経験が幾度もあります。

  • 携帯電話のチャージ
  • 12306の鉄道切符代

全面的にクレジットカードが解放される前、日本で発行したクレジットカードでの登録(紐づけ)が可能な時とそうでない時がありました。私はコロナ前から何度もチャレンジしていますが、うまくいかない場合がありました。

2023年7月のクレジットカードが登録可能となったことで大きく改善され、注目度が高まり、すそ野が広がりました。

中国で決済できないトラブルが生じた場合

日本人が気軽に中国でキャッシュレス決済が可能となったのは2023年7月。クレジットカード登録ができるようになったのですが、実際に現地で決済するとトラブルが発生!

読者の皆さんからもトラブルのご連絡をいただいていますし、私自身も苦しみました。

自分自身の経験や皆さんからのご質問、報告を踏まえて、次回以降、旅行や業務などで中国へ渡航する時に備えて新たな動画を用意しました。中国帰国後でもOKです。

WechatPay & Alipay 決済トラブル防止法

アリペイを使って中国滞在中に決済をしたが成功せず、トラブルが生じたことはありますか?あった場合はぜひご覧ください。なかった方、今後渡航予定の方もためになる情報ですので、参考にしていただければ幸いです。

公式サポートの問い合わせ先

上海浦東空港で2024年1月に入手したアリペイの海外向け公式パンフレットにヘルプが必要な場合の問い合わせ先の電話番号が掲載されていました。

中国国内 0571-2688-6000

海外から +86-571-2688-6000

営業時間 月曜日~日曜日 8:00~24:00(北京時間 GMT+8)

関連ページ

中国で知られる2大キャッシュレス決済のひとつであります、WeChatPay(ウィーチャットペイ・微信支付)に興味がある方は次の記事をご覧ください。

また、AliPayとWechatPayの違いやQ&Aのページもありますので、こちらもどうぞ。

質問や疑問は遠慮なくどうぞ!

AliPayでクレジットカードとの紐づけが済んで、現地で使用する時、した後に何らかの問題が生じるなど、疑問や質問がありましたら、遠慮なく質問してください。その後、メールが来ますので、スクリーンショットを返信で送っていただければ、より精度の高いアドバイスができるかと思います。

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作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。

新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。

詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

《AliPay》クレカ登録後に中国で使用する方法(2024)” に対して4件のコメントがあります。

  1. ヤマモトシュウジ より:

    アリペイをインストールしましたが日本で利用できないみたいなので正確にインストールできているか確認する方法はどうしたらいいでしょう。

    1. 「扫一扫」(スキャンする) というメニューがありますので、スキャンする画面が表示されるかどうか確認してください。決済直前までの画面が出るのであれば、インストールされていると言えます。

      1. ヤマモト より:

        早速のご回答ありがとうございます。
        一度、確認してみます。

        1. yamamoto より:

          お世話になります。
          上記の件ですがご指示いただいた通り、スキャン画面が出てきました。
          ありがとうございました。

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