空港泊で快眠、一晩を快適に!〜準備とコツで安心の夜を〜
予期せぬフライトの遅延や、早朝出発のために空港で一夜を過ごすことになった経験はありませんか?空港泊は、工夫次第で快適な休息の場に変わります。
世界中の空港で深夜を過ごす時に役立つ、快眠のための場所選びのポイントから、持っていくべき便利グッズ、そして安全に過ごすための注意点まで、空港泊の基本と実践的なコツを詳しくご紹介します。
次の旅で空港泊が必要になった時も、この記事を読めば安心して快適な夜を過ごせるでしょう。
空港で1泊が望ましい4つのケース
空港で一夜過ごす理由を考えますと次のケースがあります。
- 翌朝早い時間に空港に到着しなければならない
- 到着時刻が遅く、地上交通手段の最終便が終了した
- 乗り継ぎをするが、中心部へ出る時間がもったいない
- 滞在費用を少しでも節約したい
何れも共通で、「動く必要がない」が大きなメリットです。
地下鉄や空港バスなどの往復交通費やホテルの宿泊費を支払って、遅く寝て早く起きて飛行機に間に合うために空港へ急ぐというのはナンセンスで、合理的に空港に滞在することも選択肢の一つと考えるのも理解できるのではないでしょうか。
この他、空港泊が想定されるケース
ニーズがニッチかもしれませんが、他にも次のようなケースでも空港泊のニーズがあります。
- 早くラウンジに入りたい
- 最も安い格安航空券を購入したため
前者の「早くラウンジに入りたい。」ですが、出発前にラウンジで食事をしたり、シャワーを浴びたり、一息をつくことができることが理由です。
後者ですが、エアチケットの横断検索サイトで航空券価格の一番安いルートを見ますと、同じ航空会社で乗り継ぎというパターンが多いです。
WEBサイトで購入する際に無料ホテルサービスがあるという告知を行っているサイトはまず見かけません。事前に知らなければスルーされる情報です。
空港泊する前の事前情報収集が大切
深夜まで発着するフライトがある省都クラスの大都市にある国際空港は、深夜早朝に閉鎖しない24時間空港である場合がありますので、候補として挙げることが可能です。
事前に空港泊ができるかどうかは情報収集することをお勧めします。
滞在NGの空港あり!
地方や田舎にある小さな空港は航空便数が少なくて、最終便が終わると建物自体を閉鎖するケースがあります。そういった所は空港泊の対象外となります。
日本の場合は、空港泊ができるかどうかホームページに掲載されていますが、外国ではそのような情報は公式には提供していない場合があります。
夜を明かして朝まで過ごすことが可能かどうか、個別に情報を得る必要があります。
チェックイン開始時刻を必ず確認
可能な限り確認しているのは、出発空港のチェックイン開始時刻です。早朝や午前出発便でかつ空港泊する場合、非常に重要です。
私は次の何れか、又は、両方の手段で確認しています。
出発前であれば、航空会社や空港のホームページで、問合先の電話で確認できる場合もあります。
現地であれば、カウンターでの表示や到着直後に有人のカウンターで搭乗手続開始時刻を直接尋ねるやり方があります。最新情報を得られるため間違いありません。
空港ラウンジで過ごす
スターアライアンスやワンワールドのゴールドメンバーやビジネスクラス航空券をお持ちの方など、空港で夜を明かした後、ラウンジを目指す場合があるかと思います。
自分自身も空港泊をするので、ラウンジで一晩明かすことができないか渡航前に情報収集しますが、深夜営業しているラウンジはなかなか見つかりません。
決して存在しない訳ではなく、空港によっては深夜にもフライトがありラウンジが営業している場合があります。
ラウンジの営業時間
先に営業時間を知っておくと、シャワーを浴びたり、食事をすることができたりして便利です。
初便が出る前から営業を始めるため、早朝4時台、5時台から営業している空港があります。
運営主体による公式ホームページをぜひ確認してください。
- 空港運営会社
- 航空会社
- ラウンジを運営している企業
注意が必要なのは、どの航空会社であれば入れるのか、入室条件が書かれていない場合があり分かりづらいことが難点です。
快適に空港泊をするための6大ポイント
空港内で快適に眠るのは意外に難しいものです。空港で1泊する際の場所を確保するために私自身での経験を踏まえて、具体的なポイントを5つ挙げます。
- 周りに過ごす人が少ない
- 椅子に手すりがついていない
- トイレがすぐ近くにある
- 到着ロビーに近い
- 充電できるコンセントがある
- インターネット環境がある
1~3は必須項目で、これらが欠けると快適さに大きく差が出てしまいます。
[1]周りに過ごす人が少ない
過ごそうとする場所の周りに人が少ないのは快適に過ごすための必須条件です。
人が多ければ、大きな話し声が聞こえたり、中国では当たり前の光景ですがスマートフォンの動画を再生している音声を聞こえたりして、快適な睡眠に影響します。
できる限りグループ客がいない場所、静かに過ごしている個人客主体の場所、誰もいない所を確保しましょう。
[2]椅子に手すりがついていない
こちらは見落としやすいポイントかもしれないのですが、仮眠するときの姿勢に大きく関係します。空港運営会社が意図的に手すりをつけているケースが結構多くあります。
手すりがあると、両脚を真っすぐ伸ばすことができなくなり、曲げたりしなければなりません。そうなると快適に過ごすことが難しくなります。
1席ごとに手すりがあるのか、2席、3席といった複数席にひとつ手すりにあるかという細かな違いもありますので、よく観察してください。

写真を見ていただけると分かりますが、同じエリアでも奥の椅子は手すりがひとつひとつあります。
手前の充電の電源がある場所は手すりがありません。この椅子では横になることができます。
脚を伸ばすことができるかどうか次第で、寝心地や快適さが大きく変わってきますのでこちらは重要な要素です。
制限エリアと開放エリアの違い
椅子自体は制限エリアにも多数ありまして、手すりがない椅子が多い一方で、誰でも出入りできる開放エリアでは、手すりがある椅子が大半を占めています。

寝転んで過ごすことができないようにあえてそうしているようにも見えます。
[3]トイレがすぐ近くにある
トイレの場所は荷物の管理に関係します。
ちょっとだけ用を足すためトイレに行くのにリュックやキャスターケースをいちいち持っていくのは大変ですし、離れている間に、せっかく確保した場所が他の人に取られる恐れがあります。

ですので、荷物はあえて置いたままにして、さっとトイレに行って用を足して戻ってきます。荷物盗難のリスクは無くなりませんが、近いところに越したことはありません。貴重品は身に着けてください。
朝、洗顔、歯みがきなど身支度するためにもトイレ内にある洗面所を活用できます。早朝で到着便がなく、誰もいない静かな状態ですので荷物の盗難もなくて安心です。空港のトイレはカートを持ち込んでも人の行き来ができるくらいの幅があるケースが多いです。

[4] 到着ロビーに近い
国内線か国際線で到着した場合に関係するポイントです。
飛行機を降りた後、到着ロビーに出るまでは、自由に通り抜けすることができません。到着ロビーへ向かう動線は、基本的に戻ることができない仕組みになっています。
行き来がフリーでないが故に、利用者しかいない空間で朝まで過ごすことができれば、喧騒から無縁の世界での安眠が期待できます。
国内線や国際線共通なのは到着ロビーに出る直前の自動ドア、国際線なら入国審査も同様です。これらを問題なく通過できるかどうかがポイントで、スタッフがおらず通れないと、最悪、乗り継ぎができなくなるリスクがあります。
上海浦東空港を例に挙げて説明します。コロナ流行前に拡張工事を実施して、新たにサテライトビル(S1・S2)ができました。そこから往復する列車があるのですが、到着動線としては片道しかなく戻れないことや係員がいて自由に行き来できないので、到着ロビーがあるT1・T2から離れていたサテライトでの滞在は見送りました。
[5]充電できるコンセントがある
最後の条件になるのですが、皆さんスマートフォンを持っているかと思いますので、移動途中で充電できる電源があると翌朝からの活動が安心ですよね。
空港でコンセントを探すのですが、結構大変でして、実は大きな空港でも充電できる場所は差ほど数は多くありません。
一般的に、新しくできたターミナルビルであるほど数が多くて充実しているのですが、そうでない古い空港の建物では後付けで設置されるため、設置場所やコンセント、USBポートの数は限られている傾向にあります。

例を挙げますと、上海浦東国際空港のT1、T2ターミナルビルでは差ほど充電環境が充実していません。同じ空港内でも、逆に後で新しく建設されたS1、S2ターミナルビルは充実している感がありました。
[6]インターネット環境がある
世界中の多くの空港では乗降客のために無料Wifiサービスがあります。スマートフォンでWifiを探すだけで接続できる空港がある一方で、一部空港では、手続が必要なケースがあります。

仮眠に便利なグッズ ベスト4
空港泊のために何か特別なグッズが必要だと思われるかもしれませんが、わざわざ荷物を増やすのは本末転倒です。
では、仮眠するためのアイテムをどうするかといいますと、自ら経験して分かったのですが、持参して手元にあるものの中で工夫するというやり方を採るのがベターだと思いました。
- 荷物が入ったリュック(まくら代わり)
- 寒さをしのげる服(掛けふとん代わり)
- スマートフォン(目覚まし時計代わり)
- 電源コード、モバイルバッテリー、USBコード

[1]リュック
リュックといった硬くない荷物でまくらの代替えにできます。中は衣服がメインなのですが、高さがちょうど良くて、熟睡することができました。頭のしたに置くということで、すりといった盗難防止にもなり一石二鳥です。
[2]寒さをしのげる服
空港は1年中、空調で温度調整しています。夜だから冷房を切るといったことはありません。
温度や空調といった寒さ対策は、1月の空港泊の場合は冬用のハーフコートを持っていて、手持ちの服を被せるといったことで対処しました。仮眠の際に使えるアイテムです。
夏に空港泊する場合
夏の場合も冷房が効きすぎて寒い場合があり得ますので薄手の羽織ることができるウインドーブレーカーやカーディガンなどがあるとより快適に空港泊できます。
私の場合は、荷物のバランスを考えて、防寒にまではなりませんが、エアコンの冷気を防ぐことができればと薄手の畳んでも大した重量にも荷物にもならないものを持っています。
特に、夏といった暑い時期に渡航するときは、忘れやすい持ち物なので、予め空港泊を予定している方はご注意ください。
[3]目覚まし時計
朝早い時間にチェックインするのであれば、目覚まし時計も必要です。これは手持ちのスマートフォンにアプリを入れておけば解決。ハードルは高くありません。
[4]モバイルバッテリー、電源コードなど
充電するときに必要なのは電源コードやUSBコードです。新しく設置された充電スタンドの場合は、USBポートがありますし、コンセントだけのケースがあります。どちらも用意してすぐ出せるようにしておくといいですね。
空港で仮眠するためのコツ
過ごし方ですが、ロビーが開いていれば、数席を占めて寝転がることができる場合もあれば、できない場合は、背もたれ代わりにバックを置いて、だらーんとしていることもあります。
ひとり旅で心配なことは、トイレに行くときです。置き引きはどこでも起こる可能性がありますので、少なくとも、貴重品は肌身話さないでください。
大きいリュックなど一部荷物は、持っていくと場所を取られてしまうジレンマがあるため、置いていくのですが、盗られてもあきらめる覚悟をしている部分があります。
同じようなことをする人がいないわけではなく、周りの雰囲気もあるので、余り外国人であることが分かるようには振る舞わず、自然体で居ることが肝要かと思います。
夜行バスに乗るのと同様に、よく眠れるということはありませんので、空港泊をする場合は、その時の体力と相談してくださいね。
店舗が空いていないので備えを!
日本の24時間空港であれば、コンビニがあって、飲食の調達が可能ですが、中国の空港では、大きな空港でも、喉が渇いても、お腹が空いても、近くに空いている店舗がないケースが多いです。
食事を十分に取っておくことや予め飲み物を確保していくことが肝要です。
番外編① ~日本の空港で仮眠~
日本の空港でも夜を明かして一泊した経験があります。何れも24時間空港ですが、帰国した時間が遅かったり、翌朝の移動に備えたものです。
- 羽田国際空港
- 関西国際空港
- 中部国際空港
羽田国際空港ターミナル3
羽田空港は2023年9月に空港泊をしました。よくよく確認しますと、24時間開いているターミナルはT3のみでした。
3階は人が多くて電源確保困難で、4階、5階はそこまでではないが同じく電源の確保が難しくて、1階の端にトイレが近い所で椅子数席と電源があったので、そこで過ごしました。
横になることまではできませんでしたが、荷物は1人用カートに置いて、地べたに置かずに済みました。パソコンが使える席に陣取り、旅行記録を整理したり、伏せて仮眠を取ったりして過ごしました。
関西国際空港や中部国際空港でも空港泊の経験がありますが、羽田よりも快適だったと記憶しています。
番外編② ~中国の空港で仮眠~
中国の空港で寝泊まりする際の注意点や現地情報は、別の記事「中国主要都市の空港泊ガイド ~現地情報と中国語SNSから寝泊まり可否を解説~」で詳しく解説しています。
上海浦東国際空港での仮眠に関する情報は「上海浦東国際空港の空港泊 ~現地情報と体験談~」にまとめました。
筆者情報

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。
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