空港泊で快眠、一晩を快適に! ~上海浦東編~

中国国内線からの乗り継ぎや早朝のフライトに乗るため、空港で仮眠して一夜を無料で快適に過ごす方法を上海浦東空港での経験や他空港の関連情報を交えながら解説します。

ホテルに泊まるまでの時間がない場合や寝る時間を少しでも確保したい方、ホテル代を不要にして旅費を節約したい旅行者にぴったりのヒントが満載です。

空港内で快適な睡眠場所を確保するための「6大ポイント」や仮眠に使えるグッズ「ベスト5」は必見。

また、上海以外にも、夜を明かすことができる中国の空港に関する情報、最新情報を得るための方法といったコンテンツもあります。また、番外編として、日本の羽田空港での1泊した経験にも触れています。

目 次

中国での空港泊経験一覧(コロナ後)

私が空港泊を実践した場所と時期を紹介します。この記事は自ら足を運び経験したことを踏まえて作成したものです。

  • 上海浦東国際空港(2024年9月)帰国前
  • 南京禄口国際空港(2024年9月)国内線到着後
  • 上海浦東国際空港(2024年1月)帰国前
  • 北京大興国際空港(2023年12月)入国後
  • 西安咸陽国際空港(2019年9月)帰国前

日本から到着した直後か日本へ出発する直前が多いのですが、そうでないケースの経験も増えてきています。

他にも今後の渡航予定で、国内線乗継で空港泊を検討中です。

空港で1泊が望ましい4つのケース

空港で一夜過ごす理由を考えますと次のケースがあります。

  • 翌朝早い時間に空港に到着しなければならない
  • 到着時刻が遅く、地上交通手段の最終便が終了した
  • 乗り継ぎをするが、中心部へ出る時間がもったいない
  • 滞在費用を少しでも節約したい

何れも共通で、「動く必要がない」が大きなメリットです。

地下鉄やバスなどの往復交通費や宿泊費を支払って、遅く寝て早く起きて飛行機に間に合うために空港へ急ぐというのはナンセンスで、合理的に空港に滞在することも選択肢の一つと考えるのも理解できるのではないでしょうか。

この他、空港泊が想定されるケース

ニーズがニッチなものかもしれませんが、他にも次のようなケースでも空港泊のニーズがあります。

  • 早くラウンジに入りたい
  • 最も安い格安航空券を購入したため

前者の「早くラウンジに入りたい。」は個人的な要素です。出発前にラウンジで食事をしたり、シャワーを浴びたり、一息をつくことができることが理由です。

後者ですが、エアチケットの横断検索サイトで航空券価格の一番安いルートを見ますと、同じ航空会社で乗り継ぎというパターンが多いです。

例)深圳空港での乗り継ぎ

例えば、深圳航空の日本発ダイヤですが、成田ー深圳は午後発ですが、関西-深圳、名古屋-深圳は何れも夜発なので、到着が何れも夜遅い時間になります。

また、成田行は8時台なので、夜に深圳着の便を選べば空港泊と自然となりえます。

深圳航空は深圳が拠点の中堅航空会社なので、中国国内各都市へのアクセスは俄然、深圳からの便が充実していますので、このような深圳経由のルートが多いです。

北京や上海への直行便には劣りますが、このような乗り継ぎ方法もあり得ることは知っておくとよいかと思います。

空港泊する前の事前情報収集が大切

深夜まで発着するフライトがある省都クラスの大都市にある国際空港は、深夜早朝に閉鎖しない24時間空港である場合がありますので、候補として挙げることが可能です。

事前に空港泊ができるかどうかは情報収集することをお勧めします。

滞在NGの空港あり!

中国の場合、地方の小さな空港は航空便数が少なくて、最終便が終わると建物自体を閉鎖するケースがありますのでそういった所は空港泊の対象外となります。

日本の場合は、空港泊ができるかどうかホームページに掲載されていますが、中国ではそのような情報は公式には提供していません。

夜を明かして朝まで過ごすことが可能かどうか、個別に情報を得る必要があります。

情報検索のキーワードは2つ

”百度”など、中国語のWEBを検索すると中国人が実際に空港泊をした実績を見ることができます。

そのためのキーワードは次の2つです。

  • ○○机场
  • 过夜

前者は○○空港を指します。○○は都市名を入れます。
後者は一晩を過ごすという意味で、発音はguòyè、グゥオイェです。

他に「攻略」といったキーワードもよく入っています。これらの単語をコピペして、検索を利用するときにご活用ください。

チェックイン開始時刻を必ず確認

可能な限り確認しているのは、出発空港のチェックイン開始時刻です。早朝や午前出発便でかつ空港泊する場合、非常に重要です。

私は次の何れか、又は、両方の手段で確認しています。

出発前であれば、航空会社や空港のホームページで、問合先の電話で確認できる場合もあります。

現地であれば、カウンターでの表示や到着直後に有人のカウンターで搭乗手続開始時刻を直接尋ねるやり方であれば最新情報を得られるため間違いありません。

ラウンジの営業時間

スターアライアンスやワンワールドのゴールドメンバーやビジネスクラス航空券をお持ちの方など、空港で夜を明かした後、ラウンジを目指す場合があるかと思います。

先に営業時間を知っておくと、シャワーを浴びたり、食事をすることができたりして便利です。

中国語が分かる方は、次のリストにある中国語の公式ホームページをぜひ確認してください。

  • 空港運営会社
  • 航空会社
  • ラウンジを運営している企業

注意が必要なのは、どの航空会社であれば入れるのか、入室条件が書かれていない場合があり分かりづらいことが難点です。

広州白雲国際空港ラウンジ

Googleで「广州 白云机场 24小时营业 贵宾室」と検索すると、トップには「龍騰出行」というラウンジ運営会社のホームページがトップに出てきます。クリックしますと国際線出発で24時間営業のラウンジが出てくるのですが、条件の記載はありませんでした。

検索結果2番手には、広州白雲空港T2ターミナルにある中国南方航空プレミアム会員向けの国内線ラウンジの情報が出てきました。早朝4:30からの営業とありました。

快適に空港泊をするための6大ポイント

空港内で快適に眠るのは意外に難しいものです。空港で1泊する際の場所を確保するために私自身での経験を踏まえて、具体的なポイントを5つ挙げます。

  1. 周りに過ごす人が少ない
  2. 椅子に手すりがついていない
  3. トイレがすぐ近くにある
  4. 到着ロビーに近い
  5. 充電できるコンセントがある
  6. インターネット環境がある

1~3は必須項目で、これらが欠けると快適さに大きく差が出てしまいます。

[1]周りに過ごす人が少ない

過ごそうとする場所の周りに人が少ないのは快適に過ごすための必須条件です。

人が多ければ、大きな話し声が聞こえたり、中国では当たり前の光景ですがスマートフォンの動画を再生している音声を聞こえたりして、快適な睡眠に影響します。

できる限りグループ客がいない場所、静かに過ごしている個人客主体の場所、誰もいない所を確保しましょう。

[2]椅子に手すりがついていない

こちらは見落としやすいポイントかもしれないのですが、仮眠するときの姿勢に大きく関係します。空港が意図的に手すりをつけているケースが結構多くあります。

手すりがあると、両脚を真っすぐ伸ばすことができなくなり、曲げたりしなければなりません。そうなると快適に過ごすことが難しくなります。

1席ごとに手すりがあるのか、2席、3席といった複数席にひとつ手すりにあるかという細かな違いもありますので、よく観察してください。

浦東空港T2 ”C62”搭乗口付近で一晩を明かす 2024年1月

写真を見ていただけると分かりますが、同じエリアでも奥の椅子は手すりがひとつひとつあります。

手前の充電の電源がある場所は手すりがありません。この椅子では横になることができます。

脚を伸ばすことができるかどうか次第で、寝心地や快適さが大きく変わってきますのでこちらは重要な要素です。

制限エリアと開放エリアの違い

椅子自体は制限エリアにも多数ありますが、浦東空港の場合はなぜか、手すりがない椅子が多い一方で、誰でも出入りできる開放エリアでは、手すりがある椅子が大半を占めています。

[3]トイレがすぐ近くにある

トイレの場所は荷物の管理に関係します。
ちょっとだけ用を足すためトイレに行くのにリュックやキャスターケースをいちいち持っていくのは大変ですし、離れている間に、せっかく確保した場所が他の人に取られる恐れがあります。

トイレが近くにあると何かと便利

ですので、荷物はあえて置いたままにして、さっとトイレに行って用を足して戻ってきます。荷物盗難のリスクは無くなりませんが、近いところに越したことはありません。貴重品は身に着けてください。

朝、洗顔、歯みがきなど身支度するためにもトイレ内にある洗面所を活用できます。早朝で到着便がなく、誰もいない静かな状態ですので荷物の盗難もなくて安心です。空港のトイレはカートを持ち込んでも人の行き来ができるくらいの幅があるケースが多いです。

空港泊した搭乗口近くのトイレ(上海浦東空港)2024年1月撮影

[4] 到着ロビーに近い

国内線か国際線で到着した場合に関係するポイントです。

飛行機を降りた後、到着ロビーに出るまでは、自由に通り抜けすることができません。到着ロビーへ向かう動線は、基本的に戻ることができない仕組みになっています。

行き来がフリーでないが故に、利用者しかいない空間で朝まで過ごすことができれば、喧騒から無縁の世界での安眠が期待できます。

国内線や国際線共通なのは到着ロビーに出る直前の自動ドア、国際線なら入国審査も同様です。これらを問題なく通過できるかどうかがポイントで、スタッフがおらず通れないと、最悪、乗り継ぎができなくなるリスクがあります。

上海浦東空港を例に挙げて説明します。コロナ流行前に拡張工事を実施して、新たにサテライトビル(S1・S2)ができました。そこから往復する列車があるのですが、到着動線としては片道しかなく戻れないことや係員がいて自由に行き来できないので、到着ロビーがあるT1・T2から離れていたサテライトでの滞在は見送りました。

[5]充電できるコンセントがある

最後の条件になるのですが、皆さんスマートフォンを持っているかと思いますので、移動途中で充電できる電源があると翌朝からの活動が安心ですよね。

空港でコンセントを探すのですが、結構大変でして、実は大きな空港でも充電できる場所は差ほど数は多くありません。

一般的に、新しくできたターミナルビルであるほど数が多くて充実しているのですが、そうでない古い空港の建物では後付けで設置されるため、設置場所やコンセント、USBポートの数は限られている傾向にあります。

具体的には、上海浦東国際空港のT1、T2ターミナルビルでは差ほど充電環境が充実していない例として挙げられます。同じ浦東空港でも、逆に新しくできたS1、S2ターミナルビルは充実している感がありました。

[6]インターネット環境がある

中国の多くの空港では乗降客のために無料Wifiサービスがあります。スマートフォンでWifiを探すだけで接続できる空港がある一方で、上海浦東空港など一部空港は、簡単ですが使うための手続が必要なケースがあります。

上海浦東空港 ターミナル2 Wifi番号取得機

上海浦東空港T2では、番号を取得するキオスク端末がありまして、外国人はパスポートをスキャンすることでアクセスに必要な情報を得ることができます。

仮眠に便利なグッズ ベスト4

空港泊のために何か特別なグッズが必要だと思われるかもしれませんが、わざわざ荷物を増やすのは本末転倒です。では、仮眠するためのアイテムをどうするかといいますと、自ら経験して分かったのですが、持参して手元にあるものの中で工夫するというやり方を採るのがベターだと思いました。

  • 荷物が入ったリュック(まくら代わり)
  • 寒さをしのげる服(掛けふとん代わり)
  • スマートフォン(目覚まし時計代わり)
  • 電源コード、モバイルバッテリー、USBコード
まくら代わりのリュック&掛けふとん代わりのハーフコート
空港で一晩快適に過ごすために必要なアイテムとは?

[1]リュック

リュックといった硬くない荷物でまくらの代替えにできます。中は衣服がメインなのですが、高さがちょうど良くて、熟睡することができました。頭のしたに置くということで、すりといった盗難防止にもなり一石二鳥です。

[2]寒さをしのげる服

空港は1年中、空調で温度調整しています。夜だから冷房を切るといったことはありません。

温度や空調といった寒さ対策は、1月の空港泊の場合は冬用のハーフコートを持っていて、手持ちの服を被せるといったことで対処しました。仮眠の際に使えるアイテムです。

夏に空港泊する場合

夏の場合も冷房が効きすぎて寒い場合があり得ますので薄手の羽織ることができるウインドーブレーカーやカーディガンなどがあるとより快適に空港泊できます。

私の場合は、荷物のバランスを考えて、防寒にまではなりませんが、エアコンの冷気を防ぐことができればと薄手の畳んでも大した重量にも荷物にもならないものを持っています。

特に、夏といった暑い時期に渡航するときは、忘れやすい持ち物なので、予め空港泊を予定している方はご注意ください。

[3]目覚まし時計

朝早い時間にチェックインするのであれば、目覚まし時計も必要です。これは手持ちのスマートフォンにアプリを入れておけば解決。ハードルは高くありません。

[4]電源コード、モバイルバッテリーなど

充電するときに必要なのは電源コードやUSBコードです。新しく設置された充電スタンドの場合は、USBポートがありますし、コンセントだけのケースがあります。どちらも用意してすぐ出せるようにしておくといいですね。

空港で仮眠するためのコツ

過ごし方ですが、ロビーが開いていれば、数席を占めて寝転がることができる場合もあれば、できない場合は、背もたれ代わりにバックを置いて、だらーんとしていることもあります。

ひとり旅で心配なことは、トイレに行くときです。置き引きはどこでも起こる可能性がありますので、少なくとも、貴重品は肌身話さずで、大きいリュックなど一部荷物は、持っていくと場所を取られてしまうジレンマがあるため、置いていくのですが、盗られてもあきらめる覚悟をしている部分があります。

同じようなことをする人がいないわけではなく、周りの雰囲気もあるので、余り外国人であることが分かるようには振る舞わず、自然体で居ることが肝要かと思います。

夜行バスに乗るのと同様に、よく眠れるということはありませんので、空港泊をする場合は、その時の体力と相談してくださいね。

店舗が空いていないので備えを!

日本の24時間空港であれば、コンビニがあって、飲食の調達が可能ですが、中国の空港では、大きな空港でも、喉が渇いても、お腹が空いても、近くに空いている店舗がないケースが多いです。

空港泊をする場合は、食事を十分に取っておくことや予め飲み物を確保していくことが肝要です。

空港1泊体験談 in 上海浦東国際空港 ①

2024年9月、陸路で上海に入って帰国直前の1泊を浦東空港で過ごしました。こちらは国際線からの入国や国内線の乗り継ぎが無い場合の空港泊のケースです。

4階から2階まで巡回したものの・・・

T2の4階から3階、2階と上から順番にひととおり歩き回りました。前回2024年1月に確認した際、ゆっくり休める場所はないのではないかと認識していましたが、2階より上は人が多く手落ち着いて過ごせる場所はありませんでした。

上海浦東空港T2 22時台のロビー

最後は1階を残すのみ

落ち着いて休める場所はすぐには見つかず、あきらめかけて、最後の1階国内線到着ロビーを端から端まで歩いた所、椅子が無造作に多数置かれているスペースを見つけました。

ここから先が休憩スペース

落ち着いて休める場所はすぐには見つかず、あきらめかけて、最後の1階国内線到着ロビーを端から端まで歩いた所、椅子が無造作に多数置かれているスペースを見つけました。

何とか一晩過ごせそうな場所が見つかる

4本1列の椅子が本数だと数百本、席数なら1,000席以上あるような感じでの場所でした。最寄りの出口は27番、28番、29番です。

少数ながら横に慣れる椅子があるということが他の場所とは異なる点でした。割合としては4分の1以下ですが、22時~23時であれば確保できるくらいだと思います。

朝まで滞在した実体験談

私が確保したのは6席繋がっている席で、手すりが無いタイプでした。横になれるかどうかがかかっているので、探す眼は真剣でした。

1列6つの椅子のスペースを見つけて確保しました。手すりがない椅子は差ほど多くはなく、よく見るとありますが、人から選ばれている訳ではありませんでした。

他の方が寝ている様子ですが、3席分で済んでいます。

一番奥にトイレが1ヶ所あります。給水機が入口すぐのところにあります。

同じように過ごす人ばかりですのでその中に紛れて用を足すのであれば、荷物が盗難に遭う可能性は高くないと思います。少しだけ離れるくらいであれば、大丈夫な場所でした。であるにしても、自己責任が原則です。

飲料がなくても給水機があるので水分補給は問題ありません。

23時頃~翌朝5時まで滞在しました。リュックをまくら代わりにして眠りました。

冷房が効いていますので、薄手でも構わないので羽織るものを持参すると良かったのが反省点でした。

成人であれば、4席分確保できれば、足を伸ばして余裕で過ごすことができます。靴は椅子の下に置いて目立たないようにしました。

トイレに行く回数を少なくするために、水分補給は最小限にしました。

2時間弱程度の睡眠が3回ほど続きまして、途中でどうしても目が覚めますが、硬座の夜行列車に乗った時でも同じですので、気にはなりませんでした。

浦東空港(T2)1階  空港泊マップ

実際に自分の眼で見聞した結果を踏まえて、浦東空港ターミナル2国内線到着ロビーにある椅子が1,000個以上あるエリアを図示しました。

皆さんが空港泊する際の参考にしていただければ幸いです。

空港1泊体験談 in 上海浦東国際空港 ②

2024年1月に国内線で夜11時に到着した後の状況です。

翌朝8時台のフライトに乗り継ぐ必要がありまして、チェックイン開始時刻は5時半前でして、6時間を過ごすことができればOKでした。

乗り継ぎまで6時間しかないのに「宿泊を確保するのは面倒ですし、動きたくない。」ということで、深夜から早朝まで空港内でできる限り快適に滞在できる場所を探すためのチャレンジが始まりました。

事前の情報収集

航空便は予約済みで、スケジュール自体は前に確定していたため、事前に、情報量が日本語よりも多い中国語のWEBで情報収集をしました。

 スクリーンショットを見て分かりますように、動画や文章でたくさんの人が投稿しているのが分かるかと思います。

調べた結果、「国内線到着ロビーには出ずに、搭乗口近くに陣取るのが良い。」という声が多かったです。これはどういうことを意味するかですが、中国国内線では、到着と出発の動線は分けておらず、重複しているという背景があります。

先ほど挙げた各条件を満たす場所を探すため、サテライトから到着ロビーのあるターミナルビルへ移動することにしました。

出口から遠いのは乗継が遅れるリスクとなるからです。また、中国人からの投稿情報もは到着ロビー側だったことも幸いしました。

事前に情報収集した結果、到着ロビーを出た後の浦東空港内はどこも空港泊をする乗客でいっぱいで、椅子には手すりがあり寝転がることができないということでした。3番目の条件「椅子に手すりがついていない。」にひっかかりました。

到着ロビーに係員がいないと出れない!

WEBには快適に滞在できる国内線の具体的な搭乗口番号まで示されていたのですが、心配だったことがひとつありました。それは「早朝4時に到着ロビーへ出ることができるか」です。

中国の大きな都市にある空港は深夜1時、2時でも到着便が普通にあるのですが、どんなに大規模な空港であってもさすがに定時のフライトで4時5時到着はありません。数時間、到着便がない時間が生じるのです。

ということはどうなるかといいますと、到着するフライトがないので、係員が誰もいなくて、到着ロビーの自動ドアが閉まっていてそもそも外へ出れないことが想定されるのです。

万が一、いない場合は、探して開けてもらう必要はあります。これは可能だと思います。リスク軽減のため、できる限り、時間に余裕を持つことが大切です。

寝る場所を探すため探索を続ける

実際のところですが、心配だったのですが、杞憂にすぎず、到着ロビー出る前に一晩過ごすとができました。久しぶりの浦東空港だったのが別の心配でした。

降り立ったのはS2というサテライトビルの2階。来たことがない所で、このS2が何なのか最初は分かりませんでした。搭乗口はH179。調べましたら、コロナ前の2019年9月に供用が開始された新しいサテライトで、明日搭乗するT2とは別の場所にできたものでした。

下の地図は中間部分のみですが、その上に当たる部分から真ん中へ向かいます。

浦東空港S2(サテライト)2階 案内図

浦東空港ですが、ターミナルビルがふたつ(T1・T2)、サテライトビル(S1・S2)がふたつあります。今回、国内線でS2に到着しまして、施設が新しく、人も少ないのでここで朝まで過ごそうかとも思いましたが、先へ進んだところ、フロアマップでサテライトビルの全貌を確認して、MRTでT2へ移動できることが分かりました。

上海浦東空港のターミナル構成図

係員がいて早朝に動いているかどうか分からないことから、S2から到着ロビーがあるT2まで移動することにしました。

実際に過ごした様子

T2ターミナルビルを歩いて自分の目で確認した結果、事前情報で得ていた場所とは異なりますがC62搭乗口近くで休むことにしました。

過ごす場所としては広すぎるくらいで人がいないので、難なく充電できる場所を確保できました。その時刻は0時30分過ぎでした。

横になれるかどうかは、疲労感に大きな差が出ます。頭や身体、両足をフラットにして寝ることができました。枕はリュック、足のせと防犯対策でショルダーを足に引っかけて寝ました。万が一の盗難に備えて、人がいなくてもセキュリティ、安全管理には気をつけていました。

トイレはなるべく行かないようにするため、飲み物は飲まずに横になりました。

そんな感じでも結構寝れるもので、3時間程、ほとんど目が覚めることなく普通に休むことができました。3時間半ほど過ごしました。

4時前には起床しました。近くのトイレで身支度をして、いざ、国内線到着ロビーへ進みます。ターンテーブルがあるフロアに向かいました。

遅延のため1便だけ3時台に到着した便があった関係で預け荷物のターンテーブルがまだ動いていて、出口に係員が1名いましたので、出口をすんなり通ることができました。

到着ロビーに出なくてよかった・・・

到着ロビーを出た後、午前4時頃、実際にT2の1階3階4階と見て回りましたが、椅子自体も少なく、人が一杯で快適に過ごすどころか、座れる場所の確保も難しい状況でした。

夜明け前の浦東空港出発ロビー(3階)2024年1月撮影

穴場として、国内線ファーストクラスチェックインカウンター前にあるソファー椅子です。そこにもちゃっかり荷物を横に置いて寝ている人がいました。クッションがあって他のシートよりも柔らかいので、過ごしやすいのではないでしょうか。

寝泊まり可能な中国の空港の探し方

深夜から早朝まで滞在できる空港には特徴があります。どういう特徴があるか、その背景を解説します。

深夜の到着便がある空港は望みが高い

中国の大きな空港は夜半に発着する国内線や出発する国際線のフライトがありまして、午前0時を過ぎた深夜時間帯でも動きがあり、ある程度の人の流れがあります。

数は限られますが、空港で1泊する、夜を明かす需要は確実にありましす。中国でも明らかに朝まで居ようとする人たちを見かけます。

早朝6時台から国内線の出発便のフライトがありますし、国際線のフライトもあり、チェックイン時刻が午前6時頃から始める便もあります。

チェックインは多くは2時間前からですので、空港により運用が異なるかもしれませんが、6時台発ですと、4時台から始まることになります。国際線であれば出発3時間前の場合がありますが、朝発ですと5時台搭乗手続開始は少ないと思います。

日本の成田空港で早朝出発するLCC(格安航空会社)をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。

ですので、これらの早朝便や午前便を待っているためか、そこそこの人たちが同じように空港で一晩を明かしているので、人流のある大きな空港は24時間開いている場合が多いということです。

深夜は完全シャットアウトの空港

空港によっては、数時間でも玄関を閉めて出入を禁ずる運用をしている場合があります。ローカルであるほどその傾向にあります。

便数が元々少ないため、最終日便が到着(出発)したら開けておく意味がないからです。セキュリティ的にも人員配置といったコストを考えても不合理であるためです。

空港泊できる中国の空港リスト

中国旅行を30年、バックパッカーを続けていますと、空港泊は宿泊先としての選択肢の一つとして定着していますので、次の空港泊に向けて情報収集をしています。

インターネットで調べていますと、同じように寝泊まりされる中国人の方が多数いらっしゃることが分かりました。中国人の皆さんからの情報をまとめました。

制限エリアに入ることが可能な空港

国内線の搭乗券をお持ちでしたら、出発時刻の制約はなく、保安検査を通過した「制限エリア」、具体的には搭乗口近くに待合スペースなどで休むことができます。

  • 北京大興空港
  • 成都天府空港

どちらの空港も先にできた旧空港(北京首都国際空港・成都双流国際空港)よりも遠くに建設された新空港で、立地が市街地からかなり遠い場所に立地しています。何れも前日に制限エリアに入れるという情報を得ました。

翌朝早いフライトの利便性のために可能であるとされています。基本的に当日しか保安検査に入ることができませんが、この2空港は例外です。

空港の制限エリア外で1泊可能な空港

「制限エリア外」とは、誰でも出入りできるエリアを指します。制限エリアは保安検査を通過する場所なので、アクセスへのハードルは制限エリアよりは低いです。

  • 西安咸陽空港 冬はかなり寒い。T2-T3通路で眠る人多い。
  • 広州白雲空港 航空券販売エリアにフラットにリクライニング可能なソファーが多い。
  • 上海浦東空港 快適に寝れる場所は少ない。
  • 南京禄口空港 0時過ぎれば人が少ないので過ごしやすい。
  • 成都双流空港 最後のフライトが終了すると減灯する・
  • 厦門高崎空港 到着階のみで、椅子が少ない。遅くなるとそれすら確保できない。
  • 昆明長水空港 地下3階に休息エリアがあり、20以上のマッサージ椅子あり。充電も可能で、室温も高い。
  • 哈爾浜太平空港 チェックインエリアは真冬でも暖かい。椅子は仕切りあり。

近くに宿泊施設がある空港

空港へ少しでも早く行きたい人のニーズを満たすために、空港近くにホテルといった宿泊施設があって、送迎サービスをしたり、徒歩でアクセス可能な空港があります。

  • 西安咸陽空港
  • 重慶江北空港
  • 哈爾浜太平空港
  • 南京禄口空港
  • 昆明長水空港
  • 海口美蘭空港
  • 大連周水子空港

完成が古い空港は近隣に住宅地があるのですが、乗り継ぎ客を狙った個人営業の小規模な宿泊施設があります。事前に地図やホテル予約サイトでどこにあるか探しておくと便利です。

実例紹介 ~西安咸陽空港~

西安ですが、2019年に確認しましたが、空港まで徒歩で移動できる至近距離にあって、民宿やペンションのような個人営業の宿が多数あった地区がありました。

中国の空港関係者が勤務するオフィスや工場が空港近辺に点在していて、住宅区域がある場合があって、宿があるケースが結構ありますので、空港泊はためらう方で、市内へ行かずに、近くで宿泊したい方にはお勧めの場所です。

空港に至近での宿泊は選択肢のひとつ

空港の立地によりますが、すぐ近くに送迎サービスを行っている小規模なペンションやホテルなどがあります。市内へ行くのであれば往復に時間がかかるので非効率ですが10分以内でアクセスできるのであれば、時間のロスが少ないので、ベットで横になることも選択肢に入るでのはないでしょうか。

2019年に西安咸陽空港から車で5分くらいの場所だったと記憶していますが、1軒屋タイプのペンションみたいな宿泊施設が多数ありました。飲食店や商店が多くあり、生活空間でもありました。そこで夕食を屋台飯を食べて、空港へ徒歩で向かい、西安咸陽空港内で1晩を明かしました。

知る人ぞ知る空港周辺の環境を地図で見てみると知らない世界を垣間見ることができます。

関連動画

Youtube動画で上海浦東空港泊の様子を紹介や空港泊のノウハウについて解説しています。

  • 上海浦東国際空港で深夜探検!~静かな夜を明かした~《2024年1月》
  • 中国の空港で一晩を中快適に過ごす方法

番外編 ~日本の空港で仮眠~

日本の空港でも夜を明かして一泊した経験があります。何れも24時間空港ですが、帰国した時間が遅かったり、翌朝の移動に備えたものです。

  • 羽田国際空港
  • 関西国際空港
  • 中部国際空港

羽田国際空港ターミナル3(2023年9月)

羽田空港は2023年9月に空港泊をしました。よくよく確認しますと、24時間開いているターミナルはT3のみでした。

3階は人が多くて電源確保困難で、4階、5階はそこまでではないが同じく電源の確保が難しくて、1階の端にトイレが近い所で椅子数席と電源があったので、そこで過ごしました。

横になることまではできませんでしたが、荷物は1人用カートに置いて、地べたに置かずに済みました。パソコンが使える席に陣取り、旅行記録を整理したり、伏せて仮眠を取ったりして過ごしました。

関西国際空港や中部国際空港でも空港泊の経験がありますが、羽田よりも快適だったと記憶しています。

質問は大歓迎!

空港で一晩を明かす方法に関する質問をはじめとして、短期で中国に滞在することに関する質問を受け付けています。入力フォームに必要事項を入力して送信するか、下の便せんのアイコンをクリックして、メールでご送付ください。

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まとめ

空港で快適に過ごせる場所は自分の足で動いて目で見て探すしかありません。到着ロビーへ出れるかどうかのリスクを抱えながらも国内線出口を出る前で滞在するのが快適に過ごす秘訣だという結論に達しました。

ちなみに、私は、中国では上海浦東や北京大興、西安、南京各空港、日本では羽田、関西、中部空港でそれぞれ一夜を過ごしたことがあります。

投稿情報は生の情報だなと思いました。ただ、実際には自分の眼で確かめて判断しなければなりませんが、事前の情報を有していたお陰で過ごしやすかったですし、貴重な体験をすることができました。

中国の空港によって、完成時期が異なるため、特に電源設置については、差があります。旅経験として挑戦したのですが、結果オーライで疲労も少なく翌日は普通に動くことができて、良い経験となりました。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。

新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。

詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

空港泊で快眠、一晩を快適に! ~上海浦東編~” に対して2件のコメントがあります。

  1. Tetsuji Ta Kabe より:

    こんにちは、がおぶです。昔、陽朔から桂林に行くバスの中で、熟睡してしまい、バスを降りてから、財布を入れていたジーパンのポケットがぎざぎざに引きちぎられているのに気づきました。財布はポケットから落ちそうな状態でしたが、なんとか無事でした。隣にすわっていた中国人の兄ちゃんが寝てる間に一生懸命何かやっていたみたいです。だから、空港で一夜過ごすなんて怖くてできないです。でも、面白そうですね^^

    1. がおぶさん、おはようございます。旅人@中国旅行一筋30年です。
      20年くらい前ですが、広西で夜行寝台バスに乗っている最中に荷物を盗られたことに気づき、バスを途中で停めたことがありました。
      監視カメラが方々に設置されて、犯罪抑止になっておりますが、体験談で触れられたような古典的な盗難は今でも起きる話です。
      私もリスクを感じながら夜を過ごしておりまして、空港で一晩明かすことも当然ながら自己責任であります。
      もちろん、一番大切なもの、その次に大切なものは肌身離さず持ち歩いています。

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