【速報】30日以内の中国ビザなし渡航が実現!〈独自解説付〉

日本人を対象とした中国ビザ無し渡航が11月30日から可能となりました。詳しい内容を紹介するとともに、公表された11月22日の目まぐるしい動きを深追い解説しました。

中国政府はこれは他国と同様に試行措置として行うものとされています。厳密に言いますとコロナ禍前まであった短期渡航ビザ免除とは異なる施策です。

ついに実現!日本人の中国ビザ無し渡航

駐日中国大使館が本日付で、11月30日から日本を対象に短期滞在のビザ免除措置を実施することが発表されました!

駐日中国大使館 
ビザ免除措置対象国の範囲拡大に関するお知らせ

中華人民共和国駐日本国大使館プレスリリース 24年11月22日

来週には判明するかと予想しておりましたが、思ったよりも早い動きでした。先週から水面下の動きが出ておりましたが、情報は正しかったということです。

基本条件

中国短期ビザ免除となる条件は次の点です。

  • 日本国一般旅券を所持していること。

適用される渡航目的

通知を見る限り、大半の渡航目的をカバーしています。
商業・貿易はMビザ、観光はLビザ、親族訪問はQビザ、交流・訪問はFビザ、トランジットはGビザにあたります。

  • 商業・貿易(ビジネス)
  • 観光
  • 親族訪問
  • 交流・訪問
  • トランジット

滞在可能期間

日数ですが、コロナ禍前の短期渡航ビザ免除は15日以内でしたが、今回は30日以内と滞在日数が倍増しています。

  • 30日以内であること。

実施開始時間

2024年11月30日(土曜日)午前0時

適用期間

2024年11月30日~2025年12月31日

ビザ無し実現に関する解説

米国のトランプ氏が次期大統領となることが判明し、今後の世界情勢が大きく変化することが見込まれる中、中国の日本に対して融和の動きが今月の両者の会談であるのではないかと踏んでいました。

日中間の観光、ビジネス、交流での人的往来が活発になることや航空路線の増便、新規開設、復活など、移動が便利になることは間違いありません。年間100万人単位の往来があるでしょうから、中国の経済効果も見過ごせないくらいになるのではないかと思います。

各国へのビザ免除の措置開始が1日から適用されるケースが多いため、月半ばの情報から推測すれば、通例どおり、2024年12月1日以降、日本人に対する短期ビザ免除が始まる可能性が高いと踏んでいましたが、予想は的中しました。

メディアの報道は、何らかの裏取りがされているはずですから、情報の出元があり、間違いないはずです。中国の国営旅行会社からの情報ということが触れられているということは、事務的にも準備が進めているということを意味します。

2度も報道があったということは、情報は間違いないと確信しました。中国政府も面子がありますので、外交部報道官がそうでないとすぐに否定しない限りは実施されると予想しました。

ビザ無しになるとどうなるか?

短期滞在ビザ免除のメリット

一番大きなメリットは、訪中予定が立てやすいことです。と刻する前のビザ申請というプロセスがなくなります。

航空券さえ確保できれば、確保したその日や翌日でも出発できます。このような柔軟な動きができるのは大きいのではないでしょうか。

急に休みが取れたり時間が空くなどすれば、すぐに動くことができますし、安い時期をピンポイントに選んで渡航することも可能となります。

ビザ申請の予定がある皆さんにとって朗報!

申請費用、証明写真代金、往復交通費×2といった費用負担だけでなく、中国ビザ申請センターや総領事館へ行くための時間、人によっては仕事などを休んで行かなければならないため、負担になっているはずです。

申請費用が不要となったり、2度往復する必要がなくなるからです。特に、申請場所の所在地から離れている地方在住の皆さんにとっては、このメリットは絶大です。

中国サイドのビザ無し発表や報道を知る

こちらはあまり解説されていないと見受けられますので、中国サイドの発表や報道内容に触れてみます。

中国政府からの公式情報

中国政府の外交部領事司という部門から公式に発表されたWechat情報です。中国語文の方が、日本の中国大使館が発表した内容よりも詳しくなっています。

中国外交部領事司 2024年11月22日 公式Wechat情報

目的は、中国と海外各国との人員の往来を一層活発にするためと触れています。ビザ免除対象国に日本が含まれました。

更には、滞在期間が、現行の15日から30日に延長することが明示されています。

ビザ免除措置を行ったのは今回も含め38ヶ国となったこと

中国新聞網の報道

次の情報は、中国新聞網の報道ですが、中国政府の外交部が発信した情報をそのまま抜粋しています。

中国新聞網(中新網)24年11月24日 報道

冒頭の「中新网11月22日电 据外交部领事司官方微信消息,」(中国新聞網11月22日電 外交部領事司公式Wechatによる情報)以外は全く同じ文章だということが、前のスクショを見ていただくと分かります。

中国のサーチエンジン「百度」のトピックス

中国人の検索傾向を見て取ることができるGoogleに相当する中国のサーチエンジン、ポータルサイトでもある「百度(Baidu)」でも、日本等へのビザ免除のニュースはホットな検索キーワードとして3番目に登場しています。

百度によるホットトピックス(24年11月22日19時40分現在)

残念ながら、転載記事が多く、一番上に載っている主要メディアである「環球網」や上海のメディア「光明網」でも全くの抜粋記事でして、他も同様でした。

メディアによっては記事自身の言葉で報道している記事があるかどうかを探す方が難しい状況です。これは中国の報道の特徴です。日本でもそれに近いことはあるかと思いますが、全く記者発表文をそのまま載せるということは、そこまでではないのではないでしょうか。

中国語のビザ免除に関するキーワード

「试行免签」という言葉が出ていますが、これはビザ免除を試行するという意味です。これは、恒久的な措置ではないということを示していますが、期限前に延長することがあります。

「中方决定」は、中国側が次のとおり決定した。という意味なのですが、これは、一方的に決めたというニュアンスが込められています。

つまり、2ヶ国間の合意により相互にビザ申請が免除されたという意味ではありません。アジア諸国で公式に中国と協定を結んでいるからなのですので、意味合いがまったく異なります。

ここが異なる、環球時報の報道

こちらは抜粋元が違いまして、中国外交部の記者発表会での記者から報道官への一問一答が掲載されていました。

環球時報による日本のビザ免除に関する報道

記事のアップが16時2分ですので、記者発表はそれよりも前に行われています。外交部のWEBサイトでは20時15分時点では発表内容がアップされていません。

まだ、外交部では公式には記者発表の内容が公開されていない中での情報ということ自体、意味があるのではないかと思います。

メディア記者対外務省報道官一問一答

中国外交部には3人スポークスマンがおりまして、そのうちのひとり、林剣(Lin Jian)氏が記者発表を行いました。参考まになるように、記事の問答は私が日本語訳しました。

会場記者からの質問

「現在、中国政府は29か国に対してビザ免除政策を展開しているが、対象国を増加する予定はあるか?一部の国からはビザ免除による滞在期間を延長してほしいという要望やビザ免除可能な自由を増やしてほしいという要望がある。そこで尋ねるが、これらに対してどのような見解か?」

外交部記者会見 会場記者質問(中国語)

林剣報道官からの回答

外国人の中国への往来をより一層促進するため、中国政府はビザ免除対象国を拡大することを決定した。

期間は北京時間2024年11月30日から2025年12月31日まで、対象国は、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア、モンテネグロ、北マケドニア、マルタ、エストニア、ラトビア、日本。一般旅券(パスポート)を所持する国民がビザ免除試行政策の対象である。

この他、更なるビザ免除政策を進化させるための一環として、交流訪問をビザ免除による入国可能事由として認めることにした。

そして、滞在期限を現行の15日間から30日間に延長した。

2024年11月30日から、上記9か国を含めた38ヶ国のビザ免除対象国の一般旅券所持者は、中国へのビジネス、観光、親族訪問、交流訪問、トランジットを目的であれば、ノービザで30日を超えない範囲で滞在することができる。

外交部記者会見 林スポークスマン回答(中国語)

一問一答から読み取れること

こちらが一番内容が濃い情報で、林報道官の回答が、駐日日本大使館の発表内容に反映されたり、中国各メディアが転載している内容となっています。

ここでは、滞在期間が15日から30日に増やしたことや交流による訪問がビザ無し渡航の事由として新たに認められたことが大きなトピックです。

アジア、ヨーロッパといったビザ免除対象国38ヶ国すべてが対象となります。

中国ビザ申請センターからの発表

22日(金)19時40分時点ですが、東京の中国ビザ申請センターのトップページでは特に発表はありません。

週明けには、トップページに告知が掲載されるのではないかと見込まれます。

日本も報道が活発に

お昼休みの時に見ていた時はまだここまで報道が出ていませんでしたが、スクショをご覧いただければと思いますが、19時20分時点で、情報がすごい数になっていました。

2024年11月22日(金)19:20時点のGoogle検索結果

3時間前から2時間前にかけて報道が活発になってきていることが分かります。中国外交部からの公式発表が15時28分ですので、3時間前ですと16:20で、新聞社の中国駐在員など記者が情報を注視していたのかどうか、同じような時間帯に情報が発信されています。

中国外交部が土曜日、日曜日、祝日以外の平日の毎日、北京駐在の外国メディア向けに記者会見の場を設けています。11月22日(金)19時20分時点では、22日の記者発表の情報がアップされていません。日本の記者が質問したかどうかが気になります。

中国外交部 記者発表ページ

ちなみに、11月21日(木)は19時8分、20日(水)は18時40分、19日(火)は19時ちょうどに記者発表の概要がWEBにアップされていました。そろそろアップされるのではないでしょうか。

11月22日(金)午前時点の情報

参考ですが、その前情報として、11月22日(金)午前のメディア報道で、日中首脳会談後の動きとして、戦略的互恵関係について双方確認したことを受けたもので、早ければ来週中にも日本国民に対する短期ビザ免除が再開する見込という情報がでました。

Yahoo!ニュース(読売新聞)

前回の報道は中国の旅行会社が得た情報ということだけでしたが、今回の報道は、両国首脳が会談した影響が出てきているという更に踏み込んだ内容です。

来週、何らか動きが出てくる可能性が一層高くなってきました。ビザ免除となれば日中間の人的往来が活発になる起爆剤となるのではないでしょうか。今後を注視しましょう。

11月16日(土)時点の情報

次は、最初に情報が出た時点の情報です。

APECの関係で習近平氏が石破総理と会談があるタイミングなのかもしれませんが、韓国に対するの中国ビザ免除に続き、日本に対しても15日以内の短期滞在ビザ免除の検討が始まったと11月16日に各メディアで報道がありました。

2024年11月16日 日テレNEWS報道

(参考)日テレNEWS 短期滞在ビザ免除関連ニュース

いつどのように公式発表があるか?

誰がどのような形で公式発表されるか分かりませんが、予想はできます。中国大使館の査証申請ページや各中国ビザ申請センターのホームページに突如、公開されるという流れです。

日本経済にとって大きなニュースで、ポジティブな話ですので、記者会見を行えば、各メディアがこぞってやってくるかと思いますが、そのようなことはなしに、静かに発表されてWEBに掲載されるという流れになるのではないでしょうか。

12月以降、年末年始以降に中国へ旅行、業務、訪問などで渡航を予定されている方は、ビザ申請をあと半月お待ちください。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。

新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。

詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。

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