中国【3C認証モバイルバッテリー】実店舗での選び方
2024年6月28日に突然、中国国内線で3C認証マークがないモバイルバッテリーの機内持ち込みが禁止となりました。この規制強化から約1か月が経過した現在、日本国内の家電量販店で3C認証対応のモバイルバッテリーがどの程度入手可能なのか、実際に店舗を回って調査したのでレポートします。
調査するに至った背景
今回の調査は、実際に中国出張や旅行を予定している方が直面するであろう状況を想定し、日本国内の一般的な家電量販店で3C認証対応モバイルバッテリーがどの程度入手可能なのかを実地で確認することを目的として実施しました。
対象店舗
- ビックカメラ
- ヤマダデンキ
調査方法
- 店員に対する聞き取り調査
- 展示現物での3C認証マーク確認
店員に対する聞き取り調査
まず店舗で、3C認証対応のモバイルバッテリーについて店員に直接問い合わせを行いました。店舗スタッフがどの程度、中国国内線機内持ち込み制限のことを承知しているかを確認するためです。
ヤマダデンキ店舗での状況
ヤマダデンキ店員が把握している3C認証対応機種はわずか1機種のみでした。この結果からも分かるように、店舗側でも3C認証対応製品への対応が十分でない状況が見受けられました。

ビックカメラ店舗での状況
ビックカメラでは、店員が把握している機種は2〜3種類程度でした。加えて、店員からは「現物を見ることができないモバイルバッテリーの中で、どれが3C認証に対応しているかわからない」という率直な回答がありました。
それでもあきらめずに、自分自身で確認したら他にも3C認証がある機種が出てきました。

この状況は、店舗スタッフでも3C認証の識別が困難であることを示しており、購入者自身が現物を確認する必要性を浮き彫りにしています。
展示品の現物確認
店員への聞き取りでは限界があることが分かったため、次に店舗で現物でサンプルとして展示されているモバイルバッテリーを直接確認しました。
製品の裏面や側面に記載されている認証マークを一つ一つチェックし、3C認証の表示があるかどうかを実際に自分の目で見て確認する作業でした。
この現物調査により、メーカー別の対応状況について以下のような傾向が明らかになりました。
日本メーカーの状況
- 調査した範囲では、エレコムをはじめとする日本メーカーのモバイルバッテリーには3C認証マークが見当たりませんでした。
- 基本的に日本メーカー製品は「全滅」状態。
- すべての製品を確認したわけではありませんが、表示がない製品が大半を占めています。
- これは日本メーカーが主に国内市場を想定しており、中国国内線での使用を考慮していないため、あえて3C認証を取得していないものと思われます。
中国系メーカーの状況
- 中国由来のメーカーの中では、特にAnker(アンカー)のモバイルバッテリーに3C認証表示がある製品を複数確認。
- 調査した店舗では、Ankerのモバイルバッテリーの中に3C認証がある機種が結構含まれている印象があった。
- ただし、すべてのAnker製品に3C認証があるわけではないため、個別確認が必要。
- Anker以外の中国系メーカーについては、今回の調査では3C認証マークがある製品を確認することはできませんでした。
- ただし、サンプル点数が限られているため、他のメーカーにも対応製品が存在する可能性は否定できません。
3C認証マークの確認方法
確実に3C認証対応モバイルバッテリーを購入するためには、店舗での効率的な確認作業が不可欠です。今回の調査結果をもとに、実際の購入場面で役立つ具体的な確認手順をステップバイステップでご紹介します。

マークが表示されている場所
モバイルバッテリー本体の3Cマークが表示されているかどうかポイントとなる場所を示しますので一度ご確認ください。
- 現品裏面:最も一般的な表示箇所
- 現品側面:裏面に表示がない場合の確認箇所
- 製品パッケージ:本体確認が困難な場合の代替手段

実践的な確認手順
実際に店舗で購入するためには、事前準備から店舗での確認作業まで、段階的なアプローチが重要です。以下の手順に従うことで、3C認証対応製品を効率的に見つけることができます。
1. 事前準備(購入前)
- 3C認証マークの外観確認:「CCC」ロゴの文字や配置を覚える
- 目的の明確化:必要な容量(mAh)と出力スペック(W)を検討
- 複数店舗訪問の計画:時間的余裕を持ったスケジュール設定
2. 訪問店舗で確認
- 店員へ相談
- 3C認証対応製品の有無や在庫状況を確認
- 店員には個人差があることを理解
- サンプル品のチェック
- 展示品の本体裏面・側面を入念に確認
- 複数製品の比較検討
- スペックなどを目安に複数の選択肢を検討
入手可能性の現状評価
3C認証対応モバイルバッテリーの購入を困難にしている要因と今後期待できる部分を詳しく分析することで、効果的な対策を立てることができます。調査で明らかになった主要な課題を情報・商品・作業といった観点から整理しました。
大きな課題
- 情報の不足:店舗スタッフでも対応製品の把握が不十分
- 選択肢の限定:日本メーカー製品では対応製品がなかなか見つからない
- 確認の手間:現物を一つ一つチェックする必要がある
- 情報の不透明性:メーカー公式の製品情報でも認証状況が明記されていないケースが多い
メーカーによる対応の差
- 日本メーカーの対応不足:国内ブランドでは3C認証対応製品がほぼ皆無
- 海外メーカー依存:実質的にAnkerなど特定の海外メーカーに選択肢が集中
今後の見通し
- 完全に入手不可能ではない:探せば3C認証製品は存在する
- 特定メーカーでのラインナップ:Ankerなど一部メーカーでは対応製品が比較的多い
- 店舗での現物確認が可能:購入前に3C認証マークの確認ができる
日本で購入可能な3C 認証のモバイルバッテリー
販売店の店頭でこの眼で確認できた3C認証ありの機種の一覧です。購入前に必ずご確認ください。
Anker(アンカー)
- Anker Zolo Power Bank
- Anker Nano Power Bank
- Anker Power Bank
- Anker MagGo Power Bank

ハマケンワークス
- HW-SSPB050シリーズ 5,000mAh
- HW-SSPB100シリーズ 10,000mAh

購入時の実践的アドバイス
これまでの調査結果を踏まえ、限られた選択肢の中でも確実に3C認証対応モバイルバッテリーを入手するための具体的な方策を提案します。購入時の注意点を整理しました。
準備
- 3C認証マークの見た目を事前に確認
- 選択肢を増やすため複数の店舗を回るスケジュールを組む
- 必要な容量やスペックを明確にしておく
店舗での行動
- 店員への相談
- 現物展示品の目視確認
注意すべきポイント
- 現物展示の限界:店舗では現物展示していない機種が大多数を占めており、パッケージのみでは3C認証マークの有無を正確に判断することが困難
- 実物展示がない商品の確認困難:店舗によっては現物展示していない商品も多く、そうした製品については3C認証の有無を確認することが困難
- 店員への問い合わせの限界:3C認証について詳しい知識を持つ店員は少なく、担当者によっては曖昧な回答や誤った情報を提供される可能性があるため、店員の回答のみに依存するのは危険
- スペック選択の重要性:3C認証対応製品は選択肢が限られているため、中国での使用だけでなく日本での日常使用も想定してバッテリー容量や出力スペックを慎重に検討することが重要
日本で購入する以外の対策
日本でのモバイルバッテリー購入以外にも、中国国内線でのモバイルバッテリー持込み問題に対する解決策は様々な視点で考えますと多数あります。
筆者の別記事「中国国内線モバイルバッテリー厳禁 持込トラブル回避策」では、現地調達や代替充電方法など10以上の具体的な選択肢を詳しく解説していますので、幅広い解決策をお求めの方はそちらも併せてご参照ください。
今後の展開
中国国内線での3C認証義務化から1か月という短期間では、日本市場での対応製品はまだ限定的な状況ですが、中国への出張・旅行需要の回復に伴うニーズの高まりが続けば、今後の展開として次のような変化が予想されます。
メーカーや店舗の動き
- 現在対応が遅れている日本メーカーも、市場ニーズを受けて3C認証取得製品を投入する可能性
- Anker以外の中国系メーカーでも、日本市場向けに3C認証対応製品のラインナップを拡充する可能性
- 店舗スタッフの知識向上により、購入相談がしやすくなることが期待される
ただし、これらの変化には一定の時間を要するため、当面は現状の限られた選択肢の中から選ぶ必要があります。
まとめ
中国国内線での3C認証モバイルバッテリー持ち込み規制から1か月が経過した現在、日本国内での3C認証対応製品の入手は「困難だが不可能ではない」状況です。
特に日本メーカー製品では対応が遅れている一方、Ankerなど中国系メーカーでは対応製品がそこそこ見つかります。購入を検討される方は、店舗での現物確認を必ず行い、複数の店舗を回ることをお勧めします。
調査レポートの内容は特定時期・特定店舗での状況であり、製品の入荷状況は変動する可能性があります。購入時には必ず確認をお願します。
今回の調査は限定的なものですので、他にも3C認証対応製品をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報共有をお願いいたします。中国への出張や旅行を予定されている方の参考になれば幸いです。
筆者情報

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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