【最新】中国国内線のモバイルバッテリー機内持ち込み禁止へ
7月以降に中国国内線の飛行機に搭乗する方は要注意!
2025年6月28日から「3C認証」をされていないモバイルバッテリーの中国国内線の機内持ち込みを禁止する措置の実施が始まりました。

公式発表の内容解説
この措置は中国政府部門である中国民用航空局が急きょ正式に打ち出した施策です。下線したところが一番大事な部分で、その内容は次のとおりです。

「航空機の運行上の安全を保障するため、中国民航局は6月28日から旅客が3C表示のない、又は、3C表示が不明瞭なモバイルバッテリーを国内線の機内への持ち込みを禁じる。」
(翻訳:旅人@中国旅行一筋30年)

発表したのは2日前の6月26日(水)13:00過ぎです。とありますが、今年に入ってから中国国内でモバイルバッテリーが機内で発火するといった事故が多発していることが緊急発表の背景にあります。
"3C認証"って何?
この”3C認証”ですが、初めて聞く言葉ではないでしょうか?それを解く鍵ですが、日本のウィキペディアに相当する百度(Baidu)に説明がありました。

3CはCCCで、”中国強制認証”、英文で”China Compulsory Certification”、略して”3C”ということです。

中国ではこのような認証を管理する部門(国家認証認可監督管理委員会)がありまして、「強制性製品認証管理規定」に基づき設定された制度で、2023年8月1日からモバイルバッテリーが3C認証の対象となりました。
もっと詳しい説明をお読みになりたい場合は、JETROサイトの貿易・投資相談Q&A「中国の強制製品認証制度について」が詳しいです。
3C認証がないモバイルバッテリーを持ち込もうとした場合どうなるか?
中国国内線は、どの空港も共通ですが、チェックイン後にセキュリティチェック(安全検査)があります。そこで確実に見つかります。

上の写真を例に解説します。これで実際に搭乗客の荷物チェックを行っている様子がよく分かります。
最初に、荷物をベルトコンベアに流します。他の係官がモニターしています。もし、モバイルバッテリーがあれば、その画面ですぐに発見されます。
ベルトコンベアを過ぎたところで、女性係官がお待ちかね。バックを開けるように指示されるといった流れになります。
2000年代から現場にいる係官から「モバイルバッテリーがあるか。」と毎度のように聞かれるのは日常光景でしたが、一段と検査が厳しくなったと言えます。
中国人も容赦なくモババを回収される
既に実施された中国でも国内線を利用する中国人の皆さんが混乱している様子が分かる動画がありました。
上のリンクですが、2025年6月26日にアップされた「新京報」という新聞メディアが制作した関連動画です。

たった10秒ですが悲痛な音楽が流れていて、臨場感があふれています。ただ、映像は資料画面とありましたので6月28日に撮影されたものではありませんが、雰囲気が分かります。

これだけのモバイルバッテリーが回収されている様子があるのですが、基準に満たないものを容赦なく回収されることを発表当日にメディアが示していることが、中国国内でも広く周知が必要であることが垣間見ることができます。
現場での限られた選択肢
安全検査の現場で対応可能な選択肢は次のとおりです。
- 放棄する。
- 一時保管手続を行う。
ペットボトルの水や容器類と同様に求められるはずです。放棄すれば回収となります。
この措置のために各空港での人員を増強することが民航局の緊急通知にも記されています。
旅行や業務渡航で中国へ行く人はどうすべき?
2023年8月から中国国内で販売されているモバイルバッテリーは3C認証を経たものが出回っています。そういった製品をお持ちであれば、国内線の飛行機に乗って移動することは問題ありません。
しかし、日本に住んでいる日本人が持っているのは、3C認証のあるモバイルバッテリーはないのではないでしょうか。
日本で売られているモバイルバッテリーに3C認証があるバッテリーがないのであれば、国内線でのモバイルバッテリーの持ち込みが実質不可能となります。
実際に私、旅人@中国旅行一筋30年が持っている2種類のモバイルバッテリーを見ましたが、CCCマークはありませんでした。自分自身も対策が迫られています。
[選択肢A] モバイルバッテリー持参を取り止め
内蔵バッテリーがあるスマートフォン本体までは制限していないように見受けられますので、急速充電器を持っていくことで、しのぐことは可能です。
現地では外出先での充電は、コンセントがある飲食店やファストフード店などに行けばよいですが、中国語が分かればハードルは高くありません。
私自身の経験ですが、電池が少なくなったら中国語で充電の許可を得て、よく充電しております。
[選択肢B] 3C認証のモバイルバッテリーを用意
中国で流通している3C認証済のモバイルバッテリーを通販で購入することで解消はされますが、そう簡単ではありません。
ただ、中国以外では使えるかどうかは、日本や各国の認証制度に合格していなければならないため、何とも言えません。
今後、3C認証済のモバイルバッテリーが日本の通販サイトや店頭で流通する可能性はありますが、ニッチなニーズにどこまで対応できるか問題は山積です。
日本からはモバイルバッテリーを持参せずに、現地に着いたら、すぐに3C認証されたものを購入するという手があります。これは現実的なやり方です。
日本と同様に、携帯電話のキャリアショップや小米之家といったメーカーのショールーム的なお店、SIMカードを売っている店など、様々な店舗でモバイルバッテリーが売っています。
[選択肢C] 搭乗便にコンセント等の有無を確認
中国国内線の最近導入された飛行機にはUSBポートやコンセントが席の下や上部にあるケースがあります。席ごとにあるかどうか確認するとよいでしょう。

上の写真は2024年1月に昆明から上海の国内線に乗った時の座席下にあるUSBポートです。
急速充電器やUSBケーブルを持参すれば機内で充電が可能です。託送荷物に預けたりするなど、機内への持参を忘れないよう注意が必要です。
一部航空券予約サイトですが、USBポートや電源の有無が記載されているケースを見たことがありますので、格安航空券を購入する際に使えます。
[選択肢D] 行先を再検討
国内線の飛行機に搭乗しなければモバイルバッテリーを持ち込めないということがないということですから、逆に、長距離の移動をしなければよいという発想にはなりませんか?
例えば、北京と上海へ旅行に行く場合、当初は国内線利用を想定されていた場合ですが、移動手段を高速鉄道に変更する。
もしくは、北京とその周辺、上海と蘇州や南京、無錫など近隣都市の組み合わせで旅行するといったことを考えてみてはいかがでしょうか。
[選択肢E] 日程を再検討
しばらく中国への渡航を見合わせるということもひとつの選択肢ではありますが、極端な選択肢と言えます。
今後の動向に注意!
中国旅行一筋30年の経験からこの通知からその先に何が起こるかを想定しました。
まず、セキュリティですが、空港>>>鉄道≒地下鉄の順にセキュリティの厳しさの違いがあります。
正直な話、今は「国内線だけ」というのは不幸中の幸いなのですが、私は国際線にも適用されたり、鉄道や地下鉄の安全検査にまで及ぶことを危惧しています。政府が一声かければ、各都市の地下鉄はすぐに措置をとることになります。
実際にそうなりますと、外国人が中国国内を飛行機で移動するのに大きな障害が生じたと言っても過言ではありません。
各国政府が団結すれば・・・
北京にある日本大使館をはじめとする各国の大使館などが中国政府へ「海外で認証されたものも機内への持ち込みが可能な範囲内とするよう」働きかけを行うことはひとつの打開策です。
成功したとすれば別の流れができます。ただ、3C認証と同等であることをどう認めるのかといった運用上の諸問題があり、これはそう簡単なものではないかと思います。
まとめ
驚かれた方が多いかと存じますが、急な通知は中国ではよくあることで、これ自体は珍しい事ではありません。
多くのメディアで既に報道されましたが、本記事では公式情報に焦点をあてた情報の深掘りを行ったり、旅経験30年の視点でどのように対応すればよいかの提案をしました。
今後、中国国内線に乗る予定がある人や中国へ行く予定のある人、計画しようとしている人は、どのようにしてこの問題を解決するかを考えていく必要があります。
筆者情報

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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