中国旅行や出張で本当に携帯電話番号は必要?
旅行や仕事で中国へ渡航する際、現地のSIMカードと携帯電話番号が必要かどうか知りたい方へ。読者からの質問に答える形で、中国渡航歴70回以上の経験者が短期滞在の利用場面を考えながら、分かりやすく動画付きで解説します。
短期で旅行や出張で中国に滞在する際、現地の携帯電話番号の要否についてお尋ねがありました。果たして必要なのでしょうか?
読者からの質問
この記事を作成したのは読者から質問が来たことがきっかけでした。中国へ行かれる方に共通する疑問ではないでしょうか。
短期滞在時に携帯電話番号は必要か?
読者からの質問は上海滞在中のことをお尋ねしています。
Google検索して「中国旅行ドットコム」に辿り着きました。最新の情報をありがとうございます。
質問なのですが、上海へ行くのですが、滞在時にはやはり中国の携帯電話番号があった方がよいのでしょうか?
短期間滞在で街歩きがメインのため、アリペイやWeChatPayが使えたら中国の携帯電話番号がなくても特に問題ないのかなと思っていました。
しかし、どのような場合に電話番号を求められる可能性があるのかわからず、ご質問させて頂きました。
作者からの回答
どのように回答したのかをお知らせしますが、編集して内容をさらに充実させた内容で解説します。
携帯電話番号の必要性
結論から申し上げますと、数日間の中国での滞在で、仕事ではなく、街歩きがメインでしたら、携帯電話番号、現地のSIMカードはいらないと思います。
あるに越したことはありませんが、手間やコストがかかりますので、割り切る姿勢も悪くありません。
動画解説「携帯電話番号の要否」
実際に質問があった内容をYoutube動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
現地の携帯電話番号が必要なケース
では、中国渡航中、どのような場合で中国の携帯電話番号が必要なのか、次のケースを個別に考えてみます。
- SNSサイトの閲覧
- 口コミ、グルメサイトの閲覧
- 有名観光地の予約、入場
- 現地の方との電話連絡
- 銀行口座開設
なぜ現地携帯電話番号が必要か?
現地携帯電話番号が必要な場合、何に使われるかといいますと、ショートメッセージ認証が必要としているサービスが相当数あるからです。
中国語ではSMS(ショートメッセージ)を「短信」といいます。ただ、そういったアプリを使わなければ関係ありません。
現地で取引先と話をするといった、中国人との連絡手段が必要なのであれば、携帯電話番号を持っておいた方がよいでしょう。
各種サービスの利用
最初のふたつは、中国のアプリも含めて各種サービスの例として挙げました。
「小紅書」といったSMSですが、少しだけなら検索だけで見ることができますが、そこから先の情報はログインしないと得られないケースが多いです。
「大衆点評」といったグルメ情報の閲覧や登録は、アプリへのログインやユーザー登録の際にショートメッセージが必須のケースが多いです。
観光地の予約入場
観光地のチケットをオンラインで購入したり、入場者数を制限している場合に採用されるのですが、携帯電話番号を使った登録を必須とされているケースです。
これまでは並んでパスポートを提示すれば入場はできましたが、携帯電話番号が必要となりますと、外国人にとっては、いきなりのハードルの高さになります。
現地銀行で口座開設
銀行口座を取得した後、オンラインバンキングにアクセスするときなど、中国では様々なサービスで携帯電話番号が必要であることは知っておくとよいでしょう。
セキュリティの関係で個人認証に「短信」(SMS)を多用するため、現地携帯電話番号、即ちSIMカードが必要となるということです。
現地の携帯電話番号が不要なケース
一方で、携帯電話番号が無くても、活用できるサービスやサイトですが次のように結構あります。
- キャッシュレス決済
- 地図、アクセス情報
- 天気情報
- 鉄道チケットやホテル予約
「百度地図」などオンライン地図サイトや明日の天気を確認するといったことは会員登録しなくても閲覧可能です。

鉄道切符の購入はホテル予約は、日本で登録しておけば、現地でインターネト環境さえあれば、活用可能です。
代替手段
電話でなくてもWechatを使えばコミュニケーションはとれます。Wechatは日本のLINEのようなものです。Wechatは日本の携帯電話番号で登録することができます。
Wifiだけで過ごすことは可能か?
現地でも無料Wifiサービスがありますので、一日中インターネットが使えないということは決してありません。
フリーWifiが安宿で標準装備となったおかげで、宿泊先でWechatPayやAliPayを使って支払することもできるといった恩恵も受けられます。
場所の制限はありますが、夜、ホテルなど宿泊施設で情報収集することは可能ですし、日本でインストールしたアプリで予約をしたりすることは可能です。
海外ローミングも手段のひとつ
現金なしのキャッシュレス決済を使えるようにしたいのであれば、どんなに速度が遅く細い回線でも構ないので、常時モバイル通信ができるようにならなければなりません。
海外ローミングは常時回線確保したいニーズに応えられる手段で、キャッシュレス決済には適しているツールです。
読者の事例 ~上海に行った結果は?~
質問者から実際どうだったか、数日間の滞在でどうだったのか、読者からメールで次のとおり結果のフィードバックがありました。
中国旅行から戻ってきました。教えて頂いたことについて実際どうだったか報告します。
中国の携帯電話番号についてですが、今回の旅行で、電話番号が必要になる機会は特にありませんでした。
しかし、結局閉館中で行けなかったのですが上海博物館の予約に電話番号が必要でした。なのでこのような施設に行く際にはあった方がいいのかなあと思いました。
今回、いろいろ教えて頂き、本当にありがとうございました。中国楽しかったです!
これからも旅人@中国旅一筋30年さんのサイトの更新を楽しみにしています。また何かありましたら、よろしくお願いいたします。
回答の要点は次のとおりです。
- 短期間の上海滞在では現地携帯電話番号は不要。
- 観光地の入場には電話番号が必要なケースがあった。
実際の事例なので参考なったのではないでしょうか。
サービス改善に向けた政府部門の動き
このような外国人にとって、滞在先で不便な環境を強いられていた部分がありましたが、ちょっとした変化が生じました。
2024年3月以降、中国政府が外国人観光客や高齢者に対してやさしい施策を展開し始めたため、これまで課題とされてきた様々な規制や制限が緩和される傾向にあります。

文化和旅游部からの通知を受けて、地方政府が同様な施策を展開しています。
例えば、浙江省ですと、博物館など公共施設は入場料が無料化され、そもそも入場料を払わずに、チケットを購入せずに入場できるケースも増えてきています。
電話予約しないと観光地に入場できないといった現象が減っていくことが予想されます。
渡航予定の方へのアドバイス
実際の渡航に向けた具体的なアドバイスをまとめました。旅行者からのフィードバックや私自身の現地での経験、現地情報の収集結果に基づいています。
- 渡航前の準備
- 観光施設やサービスの利用条件を確認
- 必要なアプリのインストールと設定
- オフライン地図のダウンロード
- 代替通信手段の確保
- 現地での対応
- 宿泊施設でWifiアクセス情報の確認
- 訪問先での無料Wifii対応可否の把握
- データ通信量の確認
関連ページ
中国滞在に役に立つ情報をブログサイト「中国旅行ドットコム」で提供しています。
- 【必見】旅行や出張で迷わない!Wifi・ローミング・SIM比較ガイド
- 中国で購入した携帯電話SIMカードを日本で維持する方法
- 中国人が使用する日常的な決済手段は何?
- 【徹底解説】中国滞在中、支払方法は何がある?
まとめ
中国での滞在期間が短い場合は、携帯電話番号は基本不要ですがあると便利です。渡航目的や状況に応じた判断が必要です。
使用方法を工夫すれば無くても過ごすことができますが、観光地など行く場所によっては不便を被るケースがあります。
中国での短期滞在においては、携帯電話番号は基本的には不要でしたが、観光ポイントに入場する際に電話予約が必要など、コロナ前にはなかった変化がありますので、注意が必要です。
また、事前に準備や情報収集をすることで、ある程度対策ができる場合があります。
質問は歓迎!
最近、読者からの質問が結構多くて、コミュニケーションといいますか、やりとり自体が楽しいです。長年の経験や得た情報が役に立つと嬉しいということでお答えしています。自分自身の頭の体操にもなります。
自分自身が中国へ行って、肌で感じて情報収集するのも大切ですが、ひとりでは限界がありますので、このように、行かれる方からの情報というのは貴重なものです。
中国旅行や仕事や業務での短期間の中国滞在に関する質問を受け付けています。困った時の駆け込み寺としてご活用ください。皆さんからのお便りを心待ちにしています。
引き続き、皆さんにも参考になる情報を発信していきたいと思います。
作者プロフィール

- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
-
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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