トラブル勃発! 公安で事情聴取実況(中朝国境を望む旅26)

将軍墳前で写真撮影。

その後、好太王碑へ向かう道をとおり、見えるところまで行って下車。
そこには「撮影禁止」と看板がありました。

公安が突然到来

どこからやってきたのか知りませんが公安が突然やってきて、写真撮影していたかどうか確認しました。

ちょうど撮影していた現場を見られているようだったので、弁解しようがありませんでした。

相手は、フィルムとデジカメのメモリーカードの提出を求めましたが、同行者が見逃してほしいと懇願するものの認められません。

最初の段階では、こちらからは提出しなかったので、公安は携帯電話で集安市内にある公安局に応援を求めることになりました。20分程待たされ、公安の車がやってきました。

市内の公安局へ

セダン(サンタナ)に乗せられ、市内の公安局へ。
来たのは一人だったので、市内へ向かう間に、江橋へ行く前にたまたま取り替えたスマートメディアを、押収されないために、後ろポケットに場所を移動して、到着後の検査に備えることにしました。

好太王碑を撮った写真も車内で削除しました。
とっさの判断でした。現場でスマートメディア取り上げだったので、多分それより軽い処分はないと思ったからです。

車内は沈黙を保ったまま集安市公安局へ。
到着後、早速取り調べです。
1人ずつ別々の部屋へ入れられました。

公安職員からの事情聴取

公安から聞かれたことを箇条書きで挙げてみます。

・2人の知り合ったきっかけ
・集合場所
・氏名、職業、パスポート番号
・集安までの交通手段
・ホテルの名前、チェックインの時刻
・昼食はどこで食べたか
・昼食後の行動

踏切で写真撮影して、公安に注意されたことは触れず、江橋に行ったことを話しました。(話すとかなりやっかいなことになりそうなのと、横の連携が取れていないことを考慮しました。)

併せて、かばんの中に入っているものを1品1品チェックされ、デジカメのスマートメディアが没収されました。

「あと数日旅行するのでカードが必要で、データを消すからスマートメディアを返してほしい。」とお願いしたのですが、逆に「パスポートを返さんぞ!」と脅され、受入れせざるをえませんでした。

公安としては、そのデータが読めるかどうかは別として、事案処理の関係上、物的証拠が必要だと思われます。

補足ですが、スマートメディアはマイナーなメディアですので、対応するリーダーが多くないという現状がありました。

最後に、公安職員から「以上内容是対。」(以上の内容に相違ありません。)という言葉を書かされ、指紋を捺印したら、二人はようやく解放されました。

公安事情聴取を振り返って

旅行記の出来事について振り返ってみますと、そこまでして、遺跡の写真を撮るとUNESCOに提供されるとでも思っているのか、どうかは分かりません。文物保護に関する認識が甘かったのも事実です。

泣く子も黙る何とやらといういくらいですから公安や軍隊は庶民にとっては絶大な力を有する組織であるということを思い知らされました。

残念ながら、抵抗は無意味であり、時間稼ぎぐらいにしかなりません。相手は目的を達するためには手段は選びません。

国外ではパスポートが個人の存在を示す唯一の身分証です。それを取り上げられたら、帰国は当然ですが、中国を含めた海外では長距離移動や宿泊すらままなりません。

実際にパスポートを取り上げられるとそういったことが脳裏によぎってしまいました。

「写真1枚2枚の話でまさかこんなことに。」と思われるかもしれませんが、中国など一部の国では写真撮影に敏感なことがあり、こういったことが生じるリスクがあることをつくづく体感させられた出来事でした。

場合にもよりますが、日頃慣れ親しんでいる世界での法律の元での個人保護といったことは難しいことであり、逆に規制する法律が制定されるといったことが日常的にありうる国でもあるということは認識しなければなりません。

旅行記続き

以後は、旅行記として掲載する写真撮影ができなかったため、写真なしテキストのみでの進行になります。

時間にして1時間弱。外は暗くなりつつありました。
この時間は本当に長く感じました。

その後は、崩れかけている城壁を見ながら、2人とも無言でとぼとぼ町を歩き、途中で餃子を食べて、ホテルへ戻りました。(それでも食欲はあったのは幸いでした。)

スマートメディアを交換していたのは幸いでした。旅のほとんどの写真は運良く、私のお尻のポケットの中でしたので、とっさのことでしたが、デジカメの盗難に遭った時よりはダメージがかるかったのだけが救いでした。

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