決定版!中国ひとり飯のすすめ ~朝昼晩おすすめメニュー&予算目安~

30年間中国を旅して、私が一番楽しみにしているのは、やっぱり食事です! 各地の安くて美味しいローカルフードは、旅の醍醐味そのもの。朝から晩まで、その土地ならではの味を求めて街を歩き回るのが私の旅のスタイルです。この記事では、一人旅でも安心して楽しめる食事の選び方から、おすすめのメニュー、気になる費用まで、私の体験をもとに詳しくご解説します。

ひとり旅の悩みは食事!

中国を旅していると、街角の屋台やローカル食堂の美味しそうな香りにひかれたり、見たことがないがすごくおいしそうな食べ物に遭遇します。でも、一人だと「何をどう注文すればいい?」、「周りは大皿料理ばかりだけど、一人分あるの?」と戸惑うことがあるでしょう。

旅先での食事ですが、ひとり旅では次のような悩みがあるでしょう。私自身もこのような悩みを経験します。

  • 飲食店が多すぎて、どこで食べればいいの?
  • 一人だとお店に気軽に入りにくいのではないか?
  • 食費は1日どれくらいの費用が必要か?
  • コスパよく、おいしい食事をしたい。

そんな「中国ひとり飯」初心者の方に向けて、このような悩みや疑問を解決できるように、中国旅行歴30年の旅のプロが一人でも安心できるおすすめの食事スタイルや飲食店選びのコツをまとめました。

食事の時間帯による予算目安

中国では食事をするのにおいくらするのか、どういったものを食べれるのか、参考として、私が実際に旅先で食べた事例をお知らせします。

  • 朝食 屋台やローカル食堂で豆乳+油条(3~5元)
  • 昼食 ローカル食堂で定食又は麺類(10~15元)
  • 夕食 ローカル食堂でご飯+おかず1品~2品(20~30元)
中国旅行 3食の費用目安
中国旅行で3食を食べる際の費用目安

朝食はサクッと済ませることができるものが多いです。包子(肉まん)やマントウ(饅頭)を食べることも多いです。選択肢は結構多いです。

昼食は現地の人がよく食べる麺とか、よく人が入っている食堂で定食を食べています。

夕食はもう少しお金をかけて、メインとなるメニューを1品又は2品頼んで、ご飯もしくはビール1本を注文して、落ち着いて食事をします。

スタイルによる予算目安

食事するスタイルによって、食事の予算が異なります。次の表ではその例を示します。大まかな目安なので、個別店舗により異なることがあります。

スタイル朝食昼食夕食
屋台・露店3〜10元10〜20元15〜40元
ローカル食堂5〜20元10~20元10~40元
フランチャイズチェーン店10〜30元20~50元30~50元
レストラン50~100元100元以上

屋台・露店やローカル食堂は、時間帯によらず価格は同じが基本です。食べる品数やビールを飲むなどで予算が増える感じです。フランチャイズチェーン店も同様です。

レストランもメニュー自体は同じですが、朝は営業していないことが非常に多く、単品のメニューは10元以上するケースが大多数です。

日本のショッピングモールのようにフードコートが中国でもあります。店が多く、メニューが店入口で見れるケースがあるので、選ぶ参考になります。

ひとり旅向けコスパ最強の料理5選

中国を一人旅するなら、美味しくてコスパの良い料理は外せません。30年の旅経験の中から、私が実際に食べて、お財布に優しく、一人でも楽しめるおすすめグルメを5つ厳選しました。

各地には様々なグルメがあります。そういったものを現地で出会うことが中国旅行の最大の楽しみです。

① アツアツの海鮮粥 (海南省海口市)

早朝、地元の人に混ざって食べた海鮮粥は、まさに「アツアツ」で具だくさん。新鮮な海鮮の旨みが凝縮されたお粥は、一杯10元程度で、朝から元気になれる一品でした。

アツアツすぎる具だくさんの海鮮粥(海南省海口市)
アツアツすぎる具だくさんの海鮮粥(海南省海口市)

② シンプル・イズ・ベスト汁なし麺(福建省泉州市)

「草本湯」というお店で食べた汁なし麺ですが、きざみ葱のアクセントがよくて、5元程度とリーズナブルでおかわりをしてしまいました。小腹を満たすのにちょうど良い量でした。

《草本湯》で食べた汁なし麺(福建省泉州市)
《草本湯》で食べた汁なし麺(福建省泉州市)

③ おかずを選べる定食 (浙江省瑞安市)

街角では、20種類以上のおかずから好きなものを選べる定食なような形で食べることができる形態の食堂が多数あります。

ご飯とおかず2品で15元程度。色々な味を少しずつ楽しみたい方におすすめです。

定食屋で20種類のおかずから選ぶ(浙江省瑞安市)

④ 一品料理+ビール1本(中国各地)

各地の食堂で楽しめる一品料理は、ビールとの相性抜群。特に、炒め物でもよし、チャーハンでもよし。日本でも良く知られる一品もあります。一日の疲れを癒すのに最適です。

⑤ 持ち帰り総菜(中国各地)

各地のスーパーやレストランで利用した持ち帰り惣菜も、コスパ最強グルメ。グラム単位で好きな量を買えるので、一人でも気軽に楽しめます。ホテルでゆっくり食事したい時におすすめです。

朝食「あつあつ」で失敗知らず

個人旅行の一番の楽しみが朝食です。この時間帯こそ、最もローカル感を味わえるチャンス。キーワードは「あつあつ」です。

これは立ち上る湯気のことを指すのですが、早朝から客を受け入れるために、夜が明ける前から仕込みが始めている姿が見えるお店はすぐに見分けられます。

そんな早くから仕込みしているということは、それだけお客さんが来る証拠。「ぼっち飯」を気にする必要もなく、そういった所で食べれば、味でがっかりするリスクはグッと下がります。

美味しい朝食の探し方

とにかく人が集まるお店を目指しましょう。長距離バスターミナルや古くからある駅周辺などが定番スポットです。

都市ですと、大きな通りから小路を入り、住宅地のなかにも朝食を提供しているお店が結構あります。朝の散策がてら、地元の人々の生活感を味わってみてください。

落ち着いて食べられる場所選び

朝食は出勤前や移動前に短い時間で食べる地元の人が多いです。ひとりでもじっくり落ち着いて食べたいのであれば、店舗がある食堂を選びましょう。

朝メニューの傾向

さっと済ませるなら露店で営業しているお店でOKです。中国では「モーニングセット」のような概念はあまりなく、欲しいものを単品で注文するスタイルが一般的です。

露店でも食堂も共通ですが、メニューが書かれていないケースが多いのには注意が必要です。

少しでも中国語を話すことができると楽なのですが、そうでなくても、指差しで注文することはできます。

朝食の費用目安

中国滞在中の飲食費の中で一番安いのが朝食です。マントウ(馒头)小麦粉で蒸したパンや油条(油条)小麦粉をひねって揚げたもの)は1個(1本)1元~2元(約20~40円)。

お粥(粥)や豆乳(豆浆)は1杯2~3元。具入りの肉まん(包子)は1~2元など、費用としては、日本で言う「ワンコイン」以下の予算でで充分楽しめます。

いくらかかるかですが、中国滞在中の飲食費の中で一番安いのが朝食です。マントウ(小麦粉で蒸したパン)や油条(小麦粉をひねって揚げたもの)は1個1元。お粥や豆乳は1~3元。具入りの肉まんは1元~2元など、費用としては微々たるものではないでしょうか。

朝食で中国語を実践するチャンス

以前行ったグループ企画旅で、ホテルの質素なビュッフェでは満足できなかったので(これもある意味中国らしさなのですが)、路線バスで市内を移動して、降りたバス停近くに偶然見つけたローカル食堂で朝食をとりました。こういったことはよくあります。

参加者の皆さんの中には、たどたどしい中国語の方もいましたが、そんなことは気にせずに、身振り手振りを織り交ぜて、各自好きなものを注文していました。

現地の人と生の中国語で会話できるので、よい経験になったのではないかと思います。

現地の人と生の中国語で会話できる絶好の機会なので、「我要一个油条和一碗豆浆」(ウォーヤオイーガヨウティアオハーイーワントウジャン)「油条一本と豆乳一杯ください」と言ってみるだけでも、旅の充実度がグンと上がります。

昼食「麺」や「定食」で元気をチャージ

旅先では日本にいるときよりも歩いたりして結構動くことが多く、朝早くから活動していると、お昼頃にはかなりお腹が空いてきます。

メインの活動時間の合間にとるのが昼食です。旅程によって食事の時間が変わってくるのと、ささっと短めに済ませたいことがあり、私は気軽に食べることができる面や定食をよく選んでいます。

メニュー選びのコツ

気軽に食べることができる麺類(面条)や定食(盖饭)を選ぶのがベストです。

朝昼晩と1日の食事はしっかり摂りたいので、ボリュームが多くこれらの食事は最適です。「ぼっち飯でも満足感がある」点も魅力です。

昼食の費用目安

麺類は具なし麺なら5元前後、野菜中心の麺であれば5~10元、肉入り麺は5~15元の価格帯多いです。

食べる量に応じて、大椀、小椀といった単位で売っていて、小椀は5元、大椀は8元など差をつけています。

定食は、日本の丼に近いのですが、丼茶碗はなく、ご飯とおかずが左右に分けておかれるのが定番のパターン。お皿にご飯が載せられ、その上におかずがあるケースもあります。値段は15元前後が多いです。

たおえメニューで定食の表記がなくても、ご飯とおかず1品を注文すれば「自作定食」の出来上がりです。ご飯は2~4元で、おかずが8元からというのがだいたいの相場です。

ローカル定食店のウマさを体験

並べられた20種類以上のおかずから好きなものを指差して選ぶスタイルが多いです。指差しで注文できるので言葉の壁を感じることなく、中国の家庭料理を楽しめます。

夕食「一品料理+ビール」で至福の時間

日が暮れて、よく歩いて足がパンパン。「今日もぼっち飯か…」と思わず、どこかでゆったり落ち着いて食事をしたくなります。一日の疲れをいやしたいでしょう。

夜行列車や夜行バスに乗る予定があれば、スマホの電池も心配なので充電もしたくなるでしょう。

店選びの極意

朝食や昼食よりは値段が張りますが、店構えがある程度しっかりしたお店を選びましょう。

だからといって値段が高いとは限りません。立派だなと思い入ってみたら、チェーン店だったこともありますが、それは「ご愛嬌」。

ハルビン駅近くの餃子専門店に入った後、豪華そうな店でしたが、しばらくしてチェーン店だと分かりましたが、餃子(饺子)ばかりを専門に出しているだけあって、味は絶品でした。

ひとり旅の品数に迷う

ひとり旅だと、1品または2品にビールでお腹がいっぱいになります。1品ならおかず系、2品ならご飯系とおかず系、またはおかず系2つといったところでしょうか。

周りのテーブルの料理を観察したり、店員に「一个人够吗?」(イーゴォ―レンゴウマ?)「一人前で足りますか?」と直接量を聞いたりして、適量を見定めましょう。

ひとりで食する夕食 ~ 煮魚・炒め物・米飯・スープ・ビール ~(海南省海口市)
ひとりで食する夕食 ~ 煮魚・炒め物・米飯・スープ・ビール ~(海南省海口市)

メニュー選びは真剣勝負

「これを選んだら失敗した。」となっても、替えがききませんので、メニュー選びは真剣そのもの。メニューとにらめっこです。

晩ご飯は選択肢がたくさんあって、外れる率は朝昼よりは高いですが、万が一外れても、外の露店で何かつまめばいいですし、何とでもなります。そういったことも振り返れば旅の思い出です。

注文の仕方次第では出てこない場合がある冷たいビール(啤酒)。「冰的,谢谢(ビンダ,シエシエ:冷たいのをお願いします)」と伝えるのを忘れずに。コップについで、冷えたビールを一杯飲むと一日の疲れも吹き飛びます。

夕食の費用目安

ビール1本の値段は?

各地で1本3元のものを愛飲しています。コーラと同じ値段です。一番安いのはコロナ前の2019年5月、福建省甫田市の雪村碑酒 330ml 2.5元でした。

飲食店のランクにもよりますが、おかず1品は10元~40元が相場です。

持ち帰りも「あり」の選択肢

時には「今日は人と話す元気がない」といった日もあるでしょう。そんな時はスーパーや副食品店、レストランの外売(持ち帰り)コーナーで売っている惣菜にビールを合わせるのも立派な選択肢です。

グラム単位で売っているので、その時の食欲に応じて量の調整が可能です。宿泊先へ持ち帰って、一杯やるのも中国旅行ならではの楽しみ方です。

旅行者必見!食の安全と値段交渉のコツ

中国の食事で気になるのは衛生面ではないでしょうか。基本的に「人が多く集まる店」「回転の早い店」を選べば問題ありませんが、さらに安心したい方は次の点に注意しましょう。

  1. 繁盛している店を選ぶ
    (地元の人で賑わう店は間違いなし)
  2. 店内や調理場が見える店を選ぶ
  3. 加熱調理して提供される料理を選ぶ
    (生野菜よりも炒め物や煮込み料理)
  4. ペットボトルの水や煮沸したお湯で提供された茶を飲む
  5. 食器を手持ちのティッシュなどで拭く
    (水滴が残っている時などは特に)

価格交渉は必要?

観光地以外の一般的な食堂では、メニューに表示された価格で提供されるため、交渉は不要です。

市場や屋台では値段が表示されていないことがありますが、地元向けであれば、ぼったくりは余程でなければありません。

「多少钱?」(ドゥオシャオチィエン?)「いくらですか?」と尋ね、高すぎると感じたら、量は少なくてもいいので安くできないかといった交渉はできると思います。

まとめ ~中国ひとり旅の食事は「冒険」と「発見」の連続~

このように見ますと、朝昼晩の食事がバラエティに富んでいることがお分かりいただけたでしょうか?朝は地元民の活気ある姿に触れ、昼は手軽に腹ごしらえ、夜はじっくりと一日の締めくくり。

お腹に余裕があるなら、夜食(夜宵)として屋台の串焼き(烧烤)を追加するのもいいですね。

「ぼっち飯」という言葉がありますが、中国旅行では「おひとりさま」の食事こそ、現地の食文化を肌で感じる最高の体験になります。

言葉が通じなくても、メニューの写真を指さしたり、他の客の料理を見て「这个」(ジェイガ)「これ」と言えば何とかなるのが中国の食堂の良いところです。

30年間の中国旅行で得た教訓は、自分の直感を信じて「とりあえず入ってみる勇気」が一番大切だということ。

もし味や雰囲気が合わなければ、その時だけがっかりして、次から別のお店を選べばいいだけです。個人旅行の醍醐味を肌で実感できるのは、やはり食事の時間なのです。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。

大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

旅先での中国語会話を実践して、通じる中国語を教えることにも取り組んでいる。中国語に堪能でVIP通訳に従事したことがあり、訪日視察団のアテンドをしたことも。経験を活かして、コミュニケーション促進のための中国語も含め講師として教えて6年超。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、いただいた質問に対応したり、いただいた情報をブログや動画に反映している。

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