中国政府 日本人のビザなし渡航、前向きに検討

中国外交部定例記者会見が2024年1月29日に行われ、記者からの質疑応答で日本人に対する短期渡航ビザ免除に関する話題が出ました。
日本経済新聞記者からの質問に対して、外交部スポークスマンは日本人に対する短期渡航時のビザ免除に関して前向きな回答がありました。

中国外交部 2024年1月29日 記者会見

最初のビザ免除関係質疑

外交部(日本の外務省に相当)記者会見の内容は中国語ですので、原文の日本語訳を記します。1件目の貴社とスポークスマンの質疑のやりとりは次のとおりです。

Q1. 日本人に対すてビザ免除をしない理由は?

日本经济新闻记者:
昨天,中国政府同泰国政府签署了关于互免持普通护照人员签证的协定。
虽然中国政府在疫情前对日本实行免签,但疫情后停止,至今仍未恢复。
请问这是为什么?

日本経済新聞記者
昨日、中国政府とタイ政府は一般旅券所持者に対する相互ビザ免除協定に署名しました。中国政府は新型コロナ流行前、日本に対するビザ免除を実施していましたが、新型コロナ流行後に停止され、現在も復活していません。
そこでお尋ねしますが、ビザ免除を復活しない理由は何でしょうか?

Q2. ビザ免除復活のための条件は何か?

很多日本企业希望早日恢复免签。
为了恢复免签需要什么条件?

多くの日本企業は一日も早くビザ免除が再開されることを望んでいます。
ビザ免除を復活するにはどのような条件が必要なのでしょうか?

日本経済新聞記者からの対日本人ビザ免除に関する質疑(1件目)抜粋

A1.A2. 外交部報道官回答

汪文斌:中方始终高度重视包括日本公民在内的外国人来华便利化问题。
对于日本各界希望恢复免签政策的诉求,中方将予以认真研究。
我们期待日方同中方相向而行,共同提升双方人员往来便利化水平。

汪文斌氏
中国政府は日本人を含む外国人の中国訪問の利便性を大変重視しています。
日本の各界からビザ免除復活の求めに対して、中国政府は真剣に検討しているところです。
我々は、日本と中国が同じ方向を向いて歩み出し、両国間の人的往来をよりスムーズになるまで、共にレベルを上げていくことを期待しています。

次のビザ免除関係質疑

続いて、2件目の質問についてのやりとりです。他国との比較を述べて具体的な見解を求めました。

Q. 他国対象のビザ免除を日本に適用するのか?

日本经济新闻记者:中国去年12月开始对德国、法国、意大利等欧洲国家免签,但这些国家迄未实行对中国公民的免签。
所以对中国的免签政策来说,相互对等似乎并不是必须的。你对此有何评论?

日本経済新聞記者
中国政府は昨年12月からドイツ、フランス、イタリアなど欧州各国に対するビザ免除を始めましたが、これらの国は何れもまだ中国人に対するビザ免除を実施していません。
従いまして、中国のビザなし政策からすれば、相互対等の原則は必ずしも必須ではないのでは?考え方をお聞かせください。

日本経済新聞記者からの対日本人ビザ免除に関する質疑(2件目)抜粋

A. 外交部報道官回答

汪文斌:各国自主制定本国的签证政策,我们欢迎其他国家和中国一道推进双边人员往来便利化。
最近,新加坡、泰国和中国签署互免签证协定,法国、瑞士宣布给予中国公民更多签证便利。
相信这些举措将有力促进中国同相关国家的人员往来和互利合作。

汪文斌氏 各国は独自にビザ政策を展開しており、我々は他国が中国と両国間の人的往来を進めることについて歓迎するものです。
最近、シンガポール及びタイと中国両政府は相互ビザ免除協定を締結し、フランスとスイスは中国人に対するビザ取得の利便性向上に関して発表しました。
これらの措置は、中国と関係諸国との人的往来やと相互協力を大きく促進するものだと考えています。

以上が1月29日の記者会見で取り上げられた質疑応答のやりとりでした。

ビザ免除に向けた最近の動向

2024年1月に日本から経済界代表団が訪中して北京で李強首相と会談しました。

会談の場で李強首相は両国とも同じ条件での実施が必要である趣旨の発言をしていました。相互互恵の原則に反するので、中国のみがビザ免除をすることはないという、これまでの中国政府の姿勢を示したものでした。

記者会見結果から見た今後は?

記者会見では、必ずしも「日本政府が中国人に対してビザ免除をしなければ、中国政府が日本人の訪中ビザ免除しないとは限らない」という、これまでの原則から逸脱した、前向きな発言が見られました。

ビザ免除の実施方法

ビザ免除を実際に行うためのやり方として次のふたつの方法があります。

  • シンガポールやタイのような当事者両国政府間による恒久的な措置
  • 中国政府がヨーロッパ各国に対して行った試行的、臨時的措置

両者違いはありますが、日本に対する短期訪中ビザ免除の選択肢としては何れも十分にあり得ます。

外交部記者会見のインパクト

それは中国政府の日本に対する姿勢を表すもので、メッセージ性があり、大きな意味を有することになります。

外交部スポークスマンの発言は李強首相の発言内容とは方向性が異なっておりますので、決して楽観視をしてはいけないとは思いますが、序列的には李強首相よりも数段も下位にありますが、外国の記者が多数在席する公の場での発言ですので、発言の重みや国際的な影響力は大臣クラス以上です。

予断は許さないが今後に期待

少しとはいえ、コロナ前のような短期査証免除措置を採る可能性が出てきたと見てよいのではないでしょうか。

日本人の往来について触れられていますが、ビザ必須となっている現在では、ビジネスや団体ツアーなど、大きな制約が生じており、両国の経済にとって決してプラスにはなっておりません。

発表は予告なく急に行われるケースが多いので、よい意味でのサプライズが今春以降あることを期待しています。

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