中国でのクレジットカード決済や現金使用の利便性向上へ
中国ではWechaPayやAliPayといった急速なキャッシュレス決済の普及に対して生じた弊害に対応するため、2024年4月に大きな動きがありました。今後は、飲食、宿泊、移動、観光、買い物、娯楽、医療といった各分野での支払が一層便利になります。
中国政府の文化和旅游部など関係機関と中国人民銀行が合同で「关于进一步优化重点文旅场所支付服务 提升支付便利性的通知」(重点文化・観光施設における決済サービスの更なる最適化並びに利便性に関する通知)という文書を発出しました。
中国に来訪する外国人や高齢者が観光施設での支払で不便となっているため、中国政府は各地の地方政府関係部門と連携して、新たなアクションを起こすものです。既に普及しているキャッシュレスを否定する政策ではありません。
クレジットカード普及の道のり
中国でクレジットカードが普及せず、最近は衰退してたくらいですが、中国でインバウンド対応していたホテルやデパート、空港などが自主的に対応してきた部分がありました。コロナで外国人が全く来なくなったため、クレジットカード決済端末を廃止するといった逆行する動きがありました。
対象施設
- 3スター級以上のホテル
- 5A、4Aクラスの観光施設
- 国家級、省級旅游度暇区(観光リクリエーション地区)
- 国家級旅游休閑街区(都市部にある観光客向けの通り)
改善措置
次の措置は、日本人を含めた訪中外国人や国内の高齢者が消費者として支払いの選択権を与える趣旨のものです。
- クレジットカード払いに対応
- 現金決済を残す
- 有人窓口は廃止せずに維持する
- 外貨両替所を増設する
今後予想されるの動き
政府の動向は地方の動きに速やかに反映されています。皆さんが次に中国へ行く頃には、キャッシュレス決済の便利さは維持されつつ、現金決済が断られるといったことは減るのではないかと期待しています。
例えば、北京首都国際空港や北京大興国際空港の到着ロビーにはこの施策に対応する場所ができました。
列車で移動する時の切符や空港で航空券を購入する時にクレジットカードが使えることになると、高額決済で現金を持つ必要がなくなりますし、WechaPayやAliPayも引き続き使えます。
タクシーで「お釣りがない」と言われたりすることも減ってきますし、両替所が少ないといったことも外国人が多い都市では少しずつ減って来るのではないでしょうか。
あと期待したいのは、旅行会社のツアーに参加するときにカード決済できることでしょうか。何千元もするので現金を用意するのは負担だからです。
実際にどこまで進化するか楽しみですね。
作者プロフィール
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
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