【解説】中国旅行前に必見!「観光ビザ」申請の手順とポイント

中国への旅行を計画中の方にとって、観光ビザの申請から取得までのプロセスは複雑に感じるかもしれませんが、事前に関連情報を知っておけばスムーズに手続を進めることができます。そんな皆さんのために、中国旅行に必要な観光ビザの申請方法と知っておくと便利なコツについて、ブログサイト作者の経験や読者からの情報を踏まえて、詳しく解説します。

中国の「観光ビザ」って何?

中国ビザは渡航目的により取得しなければならないビザの種類が異なります。

中国旅行が目的の場合に取得が必要なビザの種類は「観光ビザ」(通称:Lビザ)です。観光ビザについて、中国政府は「観光の目的で訪中する方」と規定しています。個人や団体ツアーを問わず、中国旅行をされる予定の方は漏れなくあてはまります。

ちなみに、「Lビザ」の由来は、中国語の旅游「Lvyou」の発音からとっています。旅游は日本語で旅行や観光を意味する単語です。

「観光ビザ」サンプル

下の写真が実際に取得した観光ビザです。パスポートに貼付されたものです。番号に従って記載内容解説します。

①が「L]とありますが、これは観光ビザを指します。
③ビザ発行日から3ヶ月以内②に入国しなけば失効となります。
⑦「01」は一次ビザ(入国は1回のみ)を指し、入国してから⑧30日以内の滞在が可能です。

中国への個人旅行が可能に!

2023年5月以降、新型コロナ感染症に関する日中両国の規制が解消され、PCR検査や抗原検査の陰性証明が必須ではなくなったことで、ビザ(査証)さえ取得すれば、中国へ旅行することができるま所までハードルが下がりました。

コロナ後に観光ビザを2度取得

査証免除を復活させるタイミングを失ってしまったのか、国際情勢の関係のためか、未だ復活の見通しが立たない中で、すぐには変わらないと予想して、2023年9月に約4年ぶりの中国旅行に行くことを決め、観光ビザを取得しました。スケジュールが空いたので、2023年12月にも再びビザを取得しましたので、2度の経験をしました。

観光ビザの申請先

ビザを申請する場所ですが、居住する都道府県によってどこが管轄するかが決まっています。日本国内には、ビザ申請センターが全国に3ヶ所、総領事館が4ヶ所あり、それぞれに管轄があります。

地図で分かるように管轄地域を示しました。場所や問合せ先など詳細情報は【解説】中国渡航に必要なビザ申請方法(2024)をご確認ください。

中国ビザ申請 管轄地域図

申請料金

ブログ記事で速報を出しましたが、2023年12月11日から中国ビザの申請料金が25%値下げとなりました。引き下げ対象は領事館が受け取る手数料部分です。

名古屋ビザ申請センターで2023年9月に観光の一次ビザを申請しましたところ、請求書には「8,500円」と記載があり、クレジットカードで支払いました。

2023年12月申請した時は値下げ後の金額7,750円でした。750円の値下げでした。こちらは個人で東京・大阪・名古屋ビザ申請センターへ申請した場合の料金です。

総領事館での申請の場合は、ビザセンターが受け取る手数料は不要となりまして、具体的には3,000円が2,250円となります。

申請方法

個人で申請するか代理店を通じて申請するかいずれかの方法となります。

個人申請なら2回の訪問と8,000円強又は2,500円弱の費用で済みますが、代理店経由の場合は手数料が上増しがあり、20,000円以上するようですが、手間はある程度省くことができます。

代理店への依頼に興味がある人は中国ビザ申請を代行業者に依頼する際の注意事項をご覧ください。

事前準備が必要な書類

観光ビザを取得するときに必ず求められるものがありますのでリスト化しました。

観光ビザ申請に必要な書類

  • 査証オンライン入力確認ページ(中国签证在线填表确认页)
  • 査証申請書(中华人民共和国签证申请表)
  • パスポート原本(有効期限は6ヶ月以上、余白2ページ以上)
  • パスポート「顔写真」掲載ページのコピー
  • 証明写真 1枚(4.8×3.3cm・カラー・背景は白)
  • ホテル手配確認書(滞在中全日程の宿泊予約記録)
  • 往復航空券(E-ticket控えを印刷したもの)

全員が必要ではありませんが、必要なケースがある書類はこちらです。不足していた場合に、持ってくるように現場の窓口で言われるケースが多発していますのでご注意ください。

ケースにより提出を要する書類

  • パスポートの中国ビザ貼付ページのコピー(観光ビザ2回目以降申請時)
  • 招聘状(知人友人宅に宿泊する場合)
  • 戸籍謄本(子どもを伴う場合)

過去に観光ビザを取得したことがある場合は、前回(直近)の観光ビザを貼付したページの写しが必要です。

申請先により運用が異なるので要注意

ビザセンターや総領事館により必要書類について細かな運用が異なりますので、それに沿ったものを用意しなければなりません。

例えば、招聘状の書式ですが、様式(サンプル)があったり、記載項目だけ提示するだけの場合があります。

観光ビザ「申請から受取まで」の流れ

全体のスケジュール感をつかんでいただくことができるよう、実際に申請を経験した具体的なプロセスを順番別に示しました。渡航スケジュールを固めてから実際に中国へ行くまで2ヶ月を要しました。括弧( )は私が実際に着手した時期を指します。

中国ビザ申請から受取までのプロセス実例

  1. 旅行日程(出国日と帰国日)を決定する。(2023年7月中旬)
  2. オンライン申請用写真を撮影する。(7月中旬)
  3. 航空券を手配する。(7月中旬)
  4. 中国ビザの「オンライン申請書作成」を行う。(7月下旬)
  5. オンラインで「ビザ申請センター」の申請日時予約を行う。(7月下旬)
  6. 宿泊先を予約する。(7月下旬)
  7. 申請表に貼付する写真を用意する。(8月上旬)
  8. 必要書類を印刷する。(8月下旬)
  9. 管轄のビザ申請センターへ予約時間に赴き対面申請をする。(9月上旬)
  10. 指定された日時以降にパスポート受領に行く。(9月上旬)
  11. 旅行に出発する。(9月中旬)

オンライン申請からビザ申請センターでの申請まで1ヶ月要しているのですが、予約制を採っている時期でして、現在は予約不要ですので、もっと圧縮して短縮できます。

それぞれ注意すべきことがありますので、経験を基にポイントを解説します。

旅行日程決定

観光ビザを申請するには、中国の入国日と出国日を決まっていなければなりません。理由は、オンライン申請のフォームに入力欄があるためです。

有休休暇や長期休暇を取得する場合は事前に職場へ申請や根回しを行うなど、下準備が必要となります。

ビザ発給にあたって最も重要な情報の一つであるため、日程が変わった場合は、オンライン申請をやり直さないと、窓口で受け付けしてもらえない場合があるからです。

航空券手配

真っ先に目途をつけなければならないのは、往復の移動手段です。国際線区間の航空券を手配して日程をはっきりさせる必要があります。

格安航空券は予約記録のみの長期間確保は困難ですので、発券、購入しなければなりません。窓口の申請で審査が通らないことがあり得ますが、キャンセル料は自己負担となります。

窓口では必ず往路と復路のフライト日の確認がありますので、オンライン申請時に入力を間違えないようにしてください。

写真撮影

写真は2種類用意しなければなりません。実例の順番で言うと2番と7番です。
一つ目がオンライン申請時にアップロードする写真ファイルで、二つ目は窓口での申請に必要な証明写真です。詳細は次のブログ記事で解説しています。

中国ビザ用写真を用意する詳細手順を解説
オンライン申請用の写真は証明写真とは別に用意しなければなりません。規格にあった写真の様子する方法を紹介。

中国ビザ申請時の証明写真を30円で用意する方法
写真代を安くしたい場合、最安で1枚30円で対面申請に使う写真を調達できる手順について確認できます。

ビザ用顔写真の背景を白地化する方法
中国ビザのオンライン申請時のアップするには、背景が白地でなければ受け付けてくれません。白地化する方法について解説しています。

宿泊先予約

窓口で申請する際に、宿泊予約記録とオンライン申請した中国国内の日程と照合しますので、観光ビザ申請で重要な部分を占めます。

インターネットでの予約でも、別の手段の予約でも構いませんが、印刷した予約記録を持参してください。

家族で申請する場合は同じ予約票でも構いませんが、必ず、全員の氏名が記載されていなければなりません。

オンライン申請

観光ビザのオンライン申請は他の種類と共通する部分がありますので、別の記事で解説しました。ここでは観光ビザに特化した内容に触れたいと思います。

【解説】中国ビザオンライン申請書の作成方法(2024)
最初の関門は、オンラインで申請書に記入して送信するまでのプロセスです。その内容をひとつひとつキャプチャーした画面を付けて解説しています。

第2部分 申請情報

ちらでは申請するビザの種類や滞在期間、回数などの情報を入力しますが、2.1A ビザの種類及び渡航目的は「(L)Tourism」を選択します。

2.3 ビザ申請の基本情報では、有効期限と最長滞在日数、回数の入力欄がありますが、好きな日程を入れたら審査が通る訳ではありません。数日の旅行であれば、有効期限は3ヶ月、最長滞在日数は30日、回数はSingleを入力すれば間違いありません。

それ以外の数字を入力しますと、窓口で確認されると思います。

必要書類印刷

もし、自宅にプリンターがない場合は、USBメモリに印刷するデータを保存してコンビニなどでプリントアウトするか、クラウドにアップロードして、キンコーズやアクセアといったビジネス向けのオフィスコンビニで印刷するといった手段で用意します。

管轄のビザセンター又は総領事館へ申請

準備した書類をビザセンターや総領事館へ持参するのですが、ここが一番の大関門です。ただ、緊張せずに臨んでください。必要な準備がきちんとできていれば受付されますのでご安心ください。

作者は2度、観光ビザを窓口で申請しました。いわゆる個人申請です。慣れれば個人でも大丈夫です。指摘はありましたが、問題なく受付されました。

名古屋中国ビザセンターで申請した詳細を解説
観光ビザの対面申請は名古屋ビザ申請センターで行いましたが、審査時にチェックされたことや待ち時間やアクセスなど詳細を解説しました。

地図にあるように遠くの県から行かなければならない場合があります。現状では本人申請か代理店経由の申請しかないため、避けられません。次のコラムで地方の人にとっての苦労を解説しました。

地方から悲痛の声、中国旅行はまだ先か?
ビザ申請センターや総領事館まで距離があって、遠い人にとっては中国への渡航は大変であることについて、地方視点で書かれた記事を紹介。

パスポート受取と申請料金支払

申請完了時に受取可能な最初の日時が示されます。審査期間中にオンライン申請時に記載した連絡先に電話がかかってくる場合がありますが、連絡がなければ、審査が通ったものと考えてもらって構いません。あとは、示された代金を窓口で支払い、観光ビザが貼付されたパスポートを受け取るだけです。

観光ビザ申請で苦労したこと ~体験談~

短期査証免除の頃は、日程の確定や航空券手配はぎりぎりでも大丈夫でしたが、観光ビザ申請では1ヶ月前には日程を確定しなければならないのが少し負担に感じました。

2023年9月の旅行ですが、7月中旬には休暇を取得する見込みは何とかなりまして、航空券の発券までしなければならなかったのですが、7月下旬の日曜日の午前半日を費やしました。

午後半日で中国観光ビザのオンライン申請を行いました。写真の調整に苦労しました。撮影した写真のサイズ調整に手間取り、写真のアップロード完了がOKとなるまで1時間以上はかかりました。

オンライン申請の写真データをアップするのが第一関門でしたが、何とかクリアして、大きく分けて9項目にも及ぶ入力や選択に四苦八苦しながら、送信までこぎつけました。時間的には、休日1日あれば何とかなりました。

観光ビザ取得の参考になる情報

中国ビザ申請に関する個別記事が多数あります。ひとつのページで全てを書ききることはできないので、内容別に分けています。参考にしていただければと思います。

オンライン申請とビザ申請センター(総領事館)での対面申請については、ボリュームがあるため例示を別にしましたので、個別記事をご覧いただければ幸いです。

中国ビザ申請に役立つリンク

【解説】中国渡航に必要なビザ申請方法(2024)
中国ビザ取得に必要な基本情報を網羅的にまとめたものです。全体を把握すると進めやすいので是非ご一読を。

経験者が語る【中国ビザ】よくある質問&申請時の注意点
これまでに質問があった内容をQ&A形式で紹介するとともにビザ申請センターや総領事館での申請事例を掲載。

質問があれば遠慮なくどうぞ

観光ビザの取得方法をはじめとして、中国旅行に関する質問を受け付けております。作者自身は2度経験して、他にも多くの方から質問をいただきアドバイスしております。皆さんからのご質問を歓迎します。入力フォームに必要事項を入力して送信してください。

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まとめ

観光ビザ申請は決して難しくありません。ポイントを押さえて、事前にコツを知っておけば、待ち時間は場合により長くなる場合がありますが、窓口では案外スムーズにに申請ができます。この記事や関連記事を参考にして、無事観光ビザ取得に挑戦してください。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問を経験するベテラン旅行ブロガー、新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上 印象に残る旅のエピソード:数え切れず

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内で旅をするなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」の運営者。

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