中国での支払い方法を”複数”用意して備えよう!
中国へ旅行や出張で短期渡航される場合、スマホ決済が最初の選択肢。では、他のバックアップの支払い手段をどうするか考えてみましょう。
中国ではどの支払い方法を選ぶべきか?
結論を端的に言いますと、支払い方法を一つだけ選ぶことは正直、難しく、リスクがあります。
決済方法にそれぞれ特徴がありますが、得手不得手があり、残念ながらひとつだけで万能だというものは存在しません。
そこで、より深く検討するために、比較できるような表にまとめました。
中国で使える支払手段の比較表(2025年版)
滞在先で使える支払手段を6種類として、次の5指標を比較する内容として挙げました。
- 中国での適用度
- 決済手数料の有無
- 高額決済の適否
- データ通信環境の要否
- 日本人にとっての難易度
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それぞれの決済手段について特徴など詳細は、【徹底解説】中国滞在中、支払方法は何がある?で解説していますので併せてご覧ください。
支払できないリスクに備えた準備を!
WechatPayやAliPayが急に使えなくなるリスクが結構あることやクレジットカードや銀聯決済に対応していないなど、ひとつの決済手段で対応できないリスクが高まっており、それに対応する必要があります。
他の決済手段によるバックアップが必要
スマートフォンはQRコードを使ったキャッシュレス決済ができる便利なツールですが、次の例のように様々なトラブルが起こることが想定され、中国での決済手段にはバックアップが必要な場面があります。
スマホ決済が急に使えなくなるケース例
- データ通信回線が不調で決済アプリが使えない
- 電池切れでスマホが使えない
- 盗難や紛失によりスマホが手元になくなる
- スマホの指紋認証や顔認証が急にできなくなった
- 原因不明でアプリで決済することができない
- 決済アプリでセキュリティロックされた
日本で生活している時のことを考えてもらうとより分かりやすいです。助けてくれる家族や友人への連絡手段が複数あったり、銀行のキャッシュカードを財布に入れてあったりするなど、バックアップ手段はかなり充実していますが、それら全てを中国へ持ち込むことは物理的にできません。
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また、日本にいる時とは異なり、故障するリスクやソフト的に使えなくなるリスクなどが高くなり、それらに対していかに対応ができるかどうかがポイントとなります。
旅先、特に中国など海外では、使うことが可能な手段がどうしても限られてしまいますので、可能な限り、次に挙げるバックアップ手段を出発前に準備しておくことをお勧めします。
箇条書きにした上から順番に難易度が高い手段となります。
具体的なバックアップ方法
覚えておいてほしいのは、これら単体の支払い方法だけで考えますと、何れも万能ではないことです。予備の支払い手段として用意するのであれば、複数を考えるべきだと思います。
人民元
現金の肩身が狭くなってきているとはいえ、使用範囲が最も広いという大きなメリットは今でも健在です。
金種が最大100元札までしかないため、決済額が高いとお札の枚数が必要となり、盗難や紛失のリスクが生じます。
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現金は、手持ちの現金はどうしても限られておりますし、預金を直接引き出せる訳ではありません。
また、日本円を両替する必要があるということも他の支払い手段とは異なる煩雑な点です。
日本円
中国元に交換できる外貨です。米ドルに交換するまでではありません。数日の滞在であれば、数万円を持っているだけでも安心です。
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交換できる銀行や支店は限られ、米ドルよりは少ないですが、両替ができる店舗は都市部では多数ありますし、地方の県クラスの町でも1件は必ずあります。
クレジットカード
中国では2000年代前半でも使えたのですが、広く普及しませんでした。使用できる場所は銀聯カードよりも限定されますが、ホテルでの宿泊代金支払いなど、高額決済の時に持っていると便利な決済手段です。
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2024年春以降、外国人向けの決済手段を充実させるように中央政府から通達が地方政府に出ておりますので、復調基調にあります。
銀聯カード
中国では銀行口座のキャッシュカードとして使われているので保有率は抜群に高いですが、コロナ禍を経て決済端末が大幅に減少中しました。
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とはいえ、現地の銀行口座がなくても、日本のクレジットカード会社が発行している銀聯カードを用意すれば、スマホ決済に代わるキャッシュレス決済として活用可能です。
海外対応キャッシュカード
日本でつくった銀行で発行されたものの中で、中国など外国で出金できる海外対応の銀行のキャッシュカードがあるかどうかが鍵となります。
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海外対応かどうかの見分け方ですが、キャッシュカードに「Cirrus」「PLUS」のロゴがあれば大丈夫です。中国でも中国も含めた海外のATMでキャッシングができます。
デビットカードではなく、手数料はそれなりにしますが、現地通貨での引き出しが可能となります。中国の人民元が必要となった時の救済手段のひとつとなります。
人民元銀行口座
取得難易度のハードルは正直、高いのですが、中国語会話、英会話、ボディ―ランゲージ、筆談の何れかができて、親切な窓口スタッフに当たるかどうか次第で、元口座が開設できるかどうかが決まると言って過言はありません。
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2019年秋に企画体験旅行に行った際、体験プログラムの一環で、陝西省北部の県クラスの町の大手銀行支店で参加者複数名が希望した銀行口座開設をサポートしまして、問題なく開設できました。
中国滞在中の決済方法 ~実例集~
通信環境を確保できるのであれば、「キャッシュレス決済だけで旅行ができるようになりました。」と言いたいのですが、スマホ決済だけにすれば、電池切れや故障、盗難といったセキュリティリスクがあり、不安がどうしてもぬぐえません。
「本当にこれだけの種類必要なのか?」と思われるかもしれせん。バックアップを兼ねている手段も含まれています。このあたりは旅をする皆さんの考え方次第で変わるのではないでしょうか。
2023年9月コロナ禍後 最初の渡航時
実際、2023年9月、中国現地ではどのような決済手段を用意したかといいますと、最も主力だったのは「スマホ決済」でした。
到着直後から最初の3日間は、問題が発覚してデータ通信が使えなかったことで全く使えず、「現金」と「電子マネー」(北京市の交通カード)のみで過ごしました。
結果ですが、データ通信環境が回復してからは、ほぼ100%決済がAliPayとWechatPayでした。この便利さに慣れますとやめられませんでしたが、セキュリティエラーが出てしまい、万全ではなかったという実績が教訓として得られました。
「デビットカード」は、三井住友銀聯カードのことですが、列車の切符といった数十元から100元を超える運賃の決済に使いましたが、頻度は高くありませんでした。
「クレジットカード」は全く使いませんでした。元々、使うつもりはなかったのですが、片道航空券を急きょ買わないといけないときのバックアップ的なものとして想定していました。
2024年9月コロナ禍後 3回目の渡航時
トラブルが生じないよう事前対策を行ったこともあって、スマホ決済で10日間を過ごすことができました。
スマホ決済以外は、予備手段として念のために持っていったものですが結局使いませんでした。
「もう少し種類を少なくして絞ってもよかった。」というのが率直な感想でした。
バックアップ支払い手段の例
メインは「スマホ決済」にして、サブとして、「現金」や「クレジットカード」をチョイスします。
経験上、二つ以上の決済手段を持っていくことが望ましいやり方の例です。皆さんに適した組み合わせを探すための例として、挙げてみました。
まとめ
旅行や仕事で行くとき、スマホ決済が一番便利ですが、決済トラブルや電池切れなどで急に使えなくことがあります。そういったとき、どんな支払い方法を用意するかを考えることは重要です。
ひとつの決済手段だけでは、リスクが大きいので、別の決済手段を備えることで、ある程度リスクが軽減され、安心できるレベルまで上げることできますので、取り組んでみてはいかがでしょうか?
作者プロフィール
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- ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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