ANAマイルの効率良い使い方 ~国際線特典航空券の交換~
貯めたANAのマイルを最も価値のある形で使う方法は国際線特典航空券に交換することです。1マイルの価値を考えながら、具体的な交換例で理解を深めて、マイルを効率よく活用しましょう。
1マイルの価値を考えよう
1990年代後半から20年以上ANAマイレージクラブ会員をしていて、最もコストパフォーマンスが高いのは国際線特典航空券への交換です。
マイルを交換するにあたって、1マイルいくらに相当するかを考えると価値があるかどうか決める判断材料となります。経験上、1マイル=4円以上あれば合格点です。
私は中国へ行くことが多いのですが、特典航空券に交換するときは、できる限り単純往復ではなく、中国国内線を加えることで、最大のコスパを発揮するようにしています。
例えば、成田→北京→成都の往復ですと2区間×2の4区間になり、中国国内線部分(北京→成都)が1,000元とすると、1,000元×20円=20,000円となり、往復で40,000円の価値があります。
国際線(成田→北京)往復が50,000円とすると併せて90,000円となり、23,000マイルで割れば1マイル=3.91円になります。実際の相場は変動しますが、4円程度の価値があるということです。
これは一例ですが、中国でもマイナーな都市や遠方の都市へのフライトでしたら、更に1マイル当たりの価値がアップします。
最近は、いろいろな交換手段があるので、価値を考えずに自分がしたいことを優先されることは一つの考え方です。検討の中で、こういった考え方があるということを知ってもいただきければと思います。
有効期限の近いマイルを効率的に消費
時系列で残高推移を見ていきます。23年3月と23年10月がありますが、2023年3月末期限は全て2024年3月に移行しました。それに2023年4月~2024年3月に期限到来する残高が2024年3月へ移行という流れです。
どこまでの有効期限を注意すればよいか?
一瞬、「2024年3月の残高を使い切れば大丈夫。」と錯覚しそうですが、決してそうではありません。少なくとも1年後の2025年3月までに有効期限が到来するマイル残高を同時に注意することが必要です。
これは通常の期限切れマイル対策となりますが、先の先を見越して、マイル利用を考えることで、得られたマイルの有効活用ができます。
買い物で使うといったことであれば、それだけで終了ですが、国際線特典航空券ですと、出発日と帰国日を意識しなければなりません。休みが取れずに変更することも想定する必要がありますし、考えることはいくつもあります。
2023年3月現在
では、私のマイル残高を例にお話ししたいと思います。マイル残高は2023年3月末に全体の1/3以上もあり、本来であれば既に有効期限切れとなり使えなくなるはずだったマイルで、新型コロナ感染拡大により、命運を保つことができたものです。
特に、海外旅行で使っている人にとっては、コロナ禍が続き、使うチャンスがなかったので、万単位のマイルが貯まっている方がいらっしゃるのかもしれません。
まずしなければならないことは、①2023年3月末までに有効期限が切れるマイルがどれだけあるか、加えて④2023年4月から2024年3月までに有効期限が切れるマイルがどれだけあるかを確認します。
②は2023年3月末現在のマイル口座残高、③は②-①の数字となります。
④-③のマイルは、2023年4月から2024年3月までの1年間に有効期限を迎えるマイルで、これらは全て2024年3月末まで延長されます。
31,055マイル+11,640マイル=42,695マイルが延長対象になりますが、見逃してはいけないのは、④46,713マイルのうち、2024年4月以降に順次期限切れになるマイルがあることです。これらも含めて、1年後の2024年3月末までに何らかの使途を決めて、交換しなければなりません。
2023年10月現在
半年が過ぎました。延長期限到来まで残り半年です。
2024年3月末期限のマイルが23,239マイル、2024年4月~2025年3月に有効期限が到来するマイルは24,871マイルです。(53,701-28,380マイル)
マイル有効期限が3年であるため、どうしても次のことも考えざるを得ません。2025年3月までの有効期限のマイル残高は48,110マイル。どう使っているか考えなければなりません。
2024年12月 特典航空券発券
残高がちょうど60,000マイルあります。増えたマイルも含まれています。半年前と比べるとこの3月末に期限を迎えるマイル数がわずかとなりました。
これは2023年9月と12月に国際線特典航空券に交換した残りです。20,000マイル+23,000マイルで43,000マイル交換したことが大きかったです。私の場合はこのようにして期限切れマイル対策を行いました。
ただ、これだけでは終わりません。2024年4月~2025年3月までに期限がくるのは26,00マイルですので、そのマイルをどうするかを考える必要があります。
ゴールデンウィークの予約をして、だめなら夏の旅行に流用するとすればかなりのマイル消化となります。残ったマイルを救うために、別のポイントへ移行することも考えています。毎月有効期限がくるので、無駄を減らすためには、やはり、2024年3月末までにマイルを使うことがベターだと思います。
2024年3月24日 特典航空券発券
マイルの有効期限が10日を切ったなか、ようやく動きました。
年末年始が連休となっていることを注目して、特典航空券に交換しました。発見前2週間前からフライトの組み合わせを空席状況を何パターンも検索して考えていました。今回、23,000マイルを消費しましたので、61,000マイルが38,100マイルに減りました。
発券したら2024年12月まで残マイルの期限が12月までとなり先延ばしとなりました。次の特典航空券発券を考える時期は24年12月までになります。そこから1年以内に出発する特典航空券を発券するかどうか検討が必要です。
提携会社特典航空券を発券しました。燃油サーチャージや空港税など34,600円がかかりました。年末年始やゴールデンウィークなど、ハイシーズンでも23,000マイルで発券できるのでよく活用しています。
日程ですが、1日違うだけで席がないといったことが多々ありました。偶然、年末の出発便と年始の帰国便の日程がドンピシャリであったので、発券することにしました。半年以上前でも空席がない便は結構ありますので、こればかりは運だと思いますが、日程を柔軟に組むためにも、できる限り早く動くことをお勧めします。
期限切れマイルの対策を考えよう
24年3月に期限切れを迎えるマイルですが、一番コスパがよいのは、航空券と交換することです。例として国際線航空券を挙げます。
私の場合は、20年間、特典航空券の国際線一択でした。2023年7月に20,000マイルを消費して残高を減らしました。それでもまだ数万マイルが残っています。
自分自身もマイル残高がある皆さんと同じようにリアルタイムで残高をどのようにして減らしていくか考えていかなければなりません。
買い物など使い道は多数
もしくは、国内旅行で使ったり、ポイントに変えるなど、別の使い方も並行して考えれば、期限切れ確定のマイルを消化できます。
「ANA Mall」、「ANAショッピング A-style」、「ANAセレクション」では20%マイル還元キャンペーンを実施しており、2024年2月は第2弾の開催されました。
これらのショッピングサイトでは買い物で1マイル=1円として使えます。1マイルの価値としては高くはないのですが、マイル還元といったのと併用すると価値が多少上がります。
ANA自社便の国際線特典航空券
1マイルの価値という物差しで見て、コスパが良いのは国際線です。
お金を出して買うとなると、航空券代金が極端な話でピークシーズンとローシーズンで2倍以上も差が出る場合がありますが、マイレージはそこまでの差はありません。中国線を例に特典航空券を解説します。
ゾーン区分
コロナ禍で全便運行はできていませんが、中国本土へは北京、大連、瀋陽、青島、上海、杭州、広州、厦門、成都、武漢、深セン(深圳)の11都市への路線があります。
シーズン区分
ANAの場合、自社特典航空券と提携会社特典航空券がありますが、自社特典の場合は、シーズンがローシーズン、レギュラーシーズン、ハイシーズンの3つのシーズンに分かれています。
必要マイル数
中国線は全日空の公式ページを見ますと、中国はアジア1(Zone3)ですので、エコノミークラス(Y)の必要マイル数は、ローシーズン(L)は17,000マイル、レギュラーシーズン(R)20,000マイル、ハイシーズン(H)23,000マイルです。
ハイシーズンとローシーズンとの差は5,000マイルですが、市販されている航空券までの差はありません。
参考リンク
ANA国際線特典航空券 シーズン・必要マイルチャート
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/amc/award/international/terms/
ANA国際線特典航空券 ご利用条件
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/amc/award/international/usage/
ANA提携会社便の国際線特典航空券
ゾーン区分
一方で、ANAの提携航空会社はシーズン制は採用されておらず、ゾーンのみで必要マイル数が決まってきます。中国は自社特典航空券と同じ区分、アジア1(Zone3)です。
参考リンク
ANA提携航空会社特典航空券 ゾーン・必要マイルチャート
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/amc/award/tk/zone/
ここでは日本発がZone 1-AとZone 1-Bに分かれていることが大きな特徴です。前者のZone 1-AはWEBでの説明では「国際線往復2区間のみの旅程、国際線往復2区間に加え日本国内のみで乗り継ぎをしている旅程。」です。
必要マイル数
後者Zone 1-Bは同じ所に説明はありませんが、下の方に「日本発 Zone 1-B 適用旅程の例」が2つあり、見る限り、海外での乗り継ぎ区間がある場合は、Zone 1-Bが適用されます。
エコノミークラス(Y)ですと、Zone 1-Aは20,000マイル、Zone 1-Bは23,000マイルとなります。
利用条件
利用条件には、途中降機や乗換についてルールが記載されており、日本発は途中降機できない、途中降機は往路復路各2回までとあります。
参考リンク
ANA提携航空会社特典航空券 ご利用条件
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/amc/award/tk/usage/
コロナ後、初めての旅行で発券した例(2023年7月)
私がよく使うのは、ゲートウェーの都市から1回乗り継いで、遠くの町へ行くパターンで発見する国際線特典航空券です。中国国内線の移動は万単位で必要なので、これを往復特典航空券でカバーできれば、1マイルの価値がだいぶん上がり、コスパの良い移動になるからです。
コロナ前は多用していたのですが、2023年7月に発券する際に、ANAホームページで中国国内線を検索しても、航空便が全く出てきませんでした。フライトが飛んでいない訳ではなく、ANAのシステムの問題のようでした。電話でも確認したのですが、同じように特典航空券で使える座席がないと聞いて、この手段は使えませんした。
ですので、日本国内線と成田・羽田-北京の往復を確保しました。レギュラーシーズンで自社便なので国内線と国際線を合わせて20,000マイルでしたので、可能な限りのコスパも発揮することができて満足しています。
途中、問合せをして国際線のみの単純往復に区間変更をしたかったのですが、電話が繋がらなかったのと、米国対応時間帯のスタッフ対応に難があり、変更を断念せざるを得ませんでした。
また別記事で取り上げる予定ですが、予約システムに問題があり、使い勝手が悪いため、すべてWEBで完結できるようなシステムにしてほしいものです。
キャンセル待ちしたが確保できなかった例(2023年12月)
動きが遅かったので仕方ない部分がありますが、11月に国内線と羽田発着の上海線をキャンセル待ちしました。往復6区間あり、国際線往復を含めて4区間確保できましたが、残念ながら、発地発着(第1区間と第6区間)の国内線が何れも取れず、12月14日17時の期限切れを迎えました。
提携航空会社の特典航空券が確保できた例(2023年12月)
もうあきらめていたのですが、気を取り直して、再チャレンジをすることに。年末29日日本発の中国系航空会社と年明けの中国系航空会社の便に空席がありましたので、すぐに確保しました。
期限切れまでにどうするか?
マイルの有効期限はあっという間にやってきます。もし、国際線特典航空券以外の使い道を求めるのであれば、国内線特典航空券で使用することやデジタルクーポンにするとか、他のポイントに換えることを考えるのが得策です。
国際線航空券の場合は、足と日程の確保が旅の一歩ですので、まずは、ANAのWEBサイトで空席状況のチェックをするところからスタートするのもよいのでは。
”期限近いマイルの使い方” まとめ
ANAマイルの延長措置は2024年3月末で終わりました。これからは通常に戻り、貯めて消費するという流れとなります。
作者自身を例にして延長期限が近いマイルの使い方を挙げました。コスパが一番高いのは国際線特典航空券なので、1年近く先になりますが、旅程成り立つ日程で発券しました。
国際線だけでなく国内線を利用したり、買い物で利用するなど、いろいろな使い方で、マイルを消費することができます。難しいのであれば、そろそろ別のポイントに移行するアクションをする必要があります。
皆さんも、できる限り早く、マイルの期限切れを想定して、早めに無駄のないマイル消化を目指してみてはいかがでしょうか。
作者プロフィール
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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