個人で中国旅行する時必要な費用を旅歴30年の経験者が解説
旅行の費用がいくら位かかるのか? 中国へ個人で行くと結構予算が必要なのでは? と心配される方がいらっしゃるかもしれません。このトピックでは、2019年に福建で13日間個人旅行をした時の費用を例にどのくらい必要なのか、詳細の内訳を示しつつお話しします。
支出項目は、交通費、飲食費、宿泊費、観光費、その他(通信費や土産代など)に分け、日本円と中国元両方を示します。なお、往復国際線の交通費は含まれておりません。
交通費が含まれないのはANAマイレージクラブの特典航空券で利用しており、計算ができなかったからです。北京往復ですので中国系航空会社であれば3~5万円あれば足ります。
支出額(円) | 支出額(元) | 1日当たり(円) | 1日当たり(元) | 割合 | |
交通費 | 11,392円 | 660.5元 | 2,278円 | 50.8元 | 39.8% |
飲食費 | 3,606円 | 209.1元 | 721円 | 16.1元 | 12.6% |
宿泊費 | 8,865円 | 514.0元 | 1,773円 | 39.5元 | 31.0% |
観光費 | 0円 | - | 0円 | - | - |
その他費用 | 4,726円 | 274.0元 | 945円 | 21.1元 | 16.5% |
合計 | 28,590円 | 1,657.6元 | 3,177円 | 127.5元 | 100.0% |
個人旅行費用 全体総括(’19)
2019年4月~5月にかけて13日間、国際線のゲートウェーは北京で、福建省を列車で往復した場合の費用の支出実績です。
行先は、広東省の北東にある福建省です。北京から長距離列車で福建省に入り、甫田、南日島、崇武、泉州、安渓、官橋を巡りました。拠点都市が泉州で、ユースホステルの4人部屋に5泊程しているのが特徴です。
日本との往復ですが、国際線航空券はマイレージの特典航空券でしたので除きますが、次の表にあるように、滞在費は1,657.6元、当時のレートは1元=17.25元でしたので、日本円では28,590円でした。1日当たりは127.5元、3,177円でした。
大きな割合を占めるのが、交通費と宿泊費で、40%と31%を占め、合わせて7割と大半を占めています。夜行列車に乗って、交通費と宿泊費をひとつにしたり、安宿メインで宿泊しているので、1泊40元~80元で泊まりました。
一方で高くないのは13%の飲食費でして、朝食は5元もあれば済みますし、昼食は10元~15元、夕食は15~30元くらいで、50元/日あれば足ります。もっと豪勢にしようと思えばできますが、安くても質が悪いという訳ではありません。費用を差ほどかけなくても比較的満足度が高い部分です。海鮮料理など高い料理を食すれば3,000円以上はざらでしょう。
観光費がゼロなのは、旅のスタイルが町歩きやお金がかからない場所を見学しているためでして、福建省泉州を拠点として周辺の町を回ったのですが、烏龍茶の産地や温泉を訪れたり、オープン直後の映画館で無料で映画を見たり、古城を眺めたりするなど、楽しむ術を会得している部分が大きかったと思います。
その他費用ですが、お土産の烏龍茶の茶葉やモバイル通信用のSIMカード購入、理髪店でのカット代、小米ショップで買った電子量りが含まれています。
旅行支出簿
実際に記録した支出簿
次の3枚ある画像が具体的な支出項目や支出額を現地でスマートフォンでメモしたものです。支出した内容やカテゴリーなど詳細を示したものです。
旅行支出簿の対応した、1日当たりの支出額を示したものです。12日目が0円なのは、列車移動のためで、11日目に車内で食料を買い込んで乗車しているからです。2日目の支出が少ないもの同様の理由です。
滞在日別支出額
支出額(円) | 支出額(元) | |
1日目(2019年4月25日) | 3,553円 | 206元 |
2日目(2019年4月26日) | 129円 | 7.5元 |
3日目(2019年4月27日) | 2,225円 | 129元 |
4日目(2019年4月28日) | 5,821円 | 337.5元 |
5日目(2019年4月29日) | 673円 | 39元 |
6日目(2019年4月30日) | 1,121円 | 65元 |
7日目(2019年5月1日) | 1,052円 | 61元 |
8日目(2019年5月2日) | 2,449円 | 142元 |
9日目(2019年5月3日) | 8,408円 | 487.5元 |
10日目(2019年5月4日) | 914円 | 53元 |
11日目(2019年5月5日) | 2,192円 | 127.1元 |
12日目(2019年5月6日) | - | - |
13日目(2019年5月7日) | 52円 | 3元 |
合計旅行費用 | 28,590円 | 1,657.6元 |
1日平均旅行費用 | 2,199円 | 127.5元 |
支払方法
旅行費用の支払方法を種別に分けて紹介します。以前は現金のみでしたが、現金よりも銀聯カードの割合が高いのが大きな特徴です。
クレジットカードが使える場所は20年前も今も大きくは変わらず、他の国とは異なり、これだけで足ることはありません。クレジットカードに代わるものがデビットカードである銀聯カードですが、そこそこ使えるのですが、それをゆうに凌駕する決済手段が数年前に登場。それが日本でもやっと普通になったキャッシュレスです。
円 | (元) | 割合 | |
現金 | 8,134円 | 471.6元 | 28.5% |
クレジットカード | - | - | - |
銀聯カード(デビットカード) | 20,352円 | 1,180.0元 | 71.2% |
支付宝・微信(キャッシュレス) | - | - | - |
交通カード(PASMOのようなICカード) | - | - | - |
合計 | 28,590円 | 1,657.6元 | 100.0% |
2019年の福建旅行ではキャッシュレス決済はゼロですが、この次の旅行、コロナ前最後の旅行、2019年9月の陝西省への企画旅行では一変して、キャッシュレス決済の割合が激増しました。
安心していただいたいのは、現金が使えなくなったという訳ではないということです。
ただ、キャッシュレスが余りにも便利になりすぎて、お賽銭や路上生活者へのカンパまでもキャッシュレスになってしまう世の中であることを実感することになります。これも中国旅の体験ではないでしょうか。
1日当たりの中国旅行費用
では、平均的な旅行費用として日当たりでどの程度必要か、どの程度の予算を見積もっておけばよいかについて、これまでの個人旅経験を踏まえて解説します。
総合しますと、1日当たりの概算費用は450元/日、現在のレートは1元=20円ですので、9,000円/日、その他費用で1,000円、1日当たり1万円と考えましょう。移動を少なくしたり、町歩き中心の過ごし方にすれば、3,000円/日で過ごすことも現実的になります。各費目を次の表でまとめました。
必要費用 | |
交通費 | 2,000円/日 |
飲食費 | 1,000円/日 |
宿泊費 | 4,000円/日 |
観光費 | 2,000円/日 |
その他費用 | 1,000円/日 |
合計 | 10,000円/日 |
但し、入るレストランやホテル、移動が長距離に渡るなど、旅のスタイルによっては、費用が2倍3倍になる場合があります。
4星以上のホテルに宿泊すれば500元(1万円)ではすみませんし、高速鉄道で一気に移動すれば1万円以上かかりますので、中国の物価はイメージよりも高いということを知っていただければと思います。
何がしたい、どこへ行きたいなど、具体例を提示していただければ、試算できますので、興味のある方は、コメントフォームに書き込んでいただければ幸いです。
個別費用の目安
交通費
交通費は1都市滞在型であれば50元もあれば十分で、市内バスでの移動のみであれば、10元位で足りますし、数十キロ以内の郊外との往復であれば50元程度です。都市をまたがる長距離バスでの移動を伴う場合は、1日100元を見ておきましょう。高速鉄道を郊外まで又は長距離で利用する場合はそれぞれ×2としてください。
渡航費ですが、出発空港や行先によって、かなり幅が出ます。例えば、中国系航空会社利用であれば、3万円~5万円で直行便のある都市に行くことが可能です。ゲートウェーの都市から更に先の都市への移動となりますとプラス1万円~5万円必要です。時期によって燃料サーチャージ数千円から2万円と幅があります。
飲食費
飲食費は一番コストパフォーマンスが高い項目です。朝食は100円(5元)あれば十分満足いく食事ができます。昼食は定食やめん類ですと150円~300円(7.5元~15元)で食べれます。夕食はレストランに入ってビール1本と食事1~2品であれば、600円~1,000円(30元~50元)で大丈夫です。
外見が高級そうなレストランでも結構リーズナブルな店も多く、見かけだけでは分かりません。高いメニューもありますが、安いメニューもあるケースが多いです。プラスアルファして豪勢にしてもいいのではないでしょうか。
一方で、海鮮料理や動物系の料理など高級料理は青天井ですので高いレストランで爆食すれば日本円に換算してとんでもない金額になる可能性を秘めています。
宿泊費
ホテル
ホテル代は宿泊するホテルのレベルを日本のビジネスホテル相当に泊まるのであれば、4,000円(200元)/日を見込みます。
設備は、シャワー、トイレ付で、冷暖房ありを想定しています。旅で一晩明かすだけであれば、旅人にとっては十分なハードです。
セキュリティ的に安心して泊まりたいのであれば町にある名前の知れたホテルに泊まることになりますので6,000円(300元)以上は必要です。
安宿
地方都市
寝るだけだから、安い宿がよくて自分で探す気のある方は、ホテル代をもっと安くできます。街角にある《旅社》、《旅館》、《招待所》といった看板を探してください。駅や長距離バスターミナル近くに集中してあることが多いです。最近できた高速鉄道の駅やバスターミナルの近くにはほとんどないことを幾度も経験しています。
北京、天津、上海、広州、深圳など大都会ではない、省都クラス以下の町であれば、旅社といった安宿の宿泊代は1泊400円~1,200円(20元~60元)くらいで、比較的泊まりやすいです。
大都市
大都会の5都市は2,000円(100元)以上すると考えてください。過去に幾度も飛び込んで値段を聞いて部屋を見てチャレンジしていますが、どれだけ探しても100元を下回る宿は見つかりませんでした。結構な値段の割にはハードがいまいちなので、結局、ユースホステルに泊まっていますが、部屋・シャワー・洗面所共同で1ベット、800円~1,200円(40元~60元)が多いです。
都市部中心の日程であれば、旅行前に予約サイトで宿を予約しておけば、その分必要な現金がすくなくなり安全性が高まります。
観光費
観光費はメジャーな観光地ですと数百元かかりますので、行先によって変動が大きい部分ですが、1日100元としました。
世界遺産級のメジャーな所は、1ヶ所で300元、400元はざらにありますので、下手をすれば、日本の大型テーマパークよりも高い入場料となります。
基本入場料にオプションがたくさんあるというテーマパーク的な観光地もあります。
他方で、政府の施策によって、無料で開放している施設(博物館や記念館)がありまして、広くて見ごたえがありまして、そういった所に出逢うこともあります。
町歩きメインであれば一銭もかかりません。旅のスタイルや目的によります。
その他費用
土産代
空港で売っているお土産は高いのが相場です。現地のスーパーやコンビニで買うことをお勧めします。お菓子は充実していますので、逆に選ぶのが大変なくらいですが、現地価格で購入できます。グリコのポッキーといったお菓子やハウスのカレールーなど日本由来のものは受け入れられやすいです。
通信費
日本の通信キャリアの海外ローミングを使用する場合は1,000円単位で必要となります。私の場合は現地で購入したSIMカードの従量制の通信代(数元)くらいです。
保険代
海外旅行傷害保険は加入内容や日数にもよりますが、3,000円~5,000円みておきましょう。クレジットカード付帯の保険を使用する場合は適用条件を出発前に確認しておきましょう。
Last Updated on 2023-03-11 by 旅人@中国旅行一筋30年
作者プロフィール
-
1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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