安く旅行できない地域
中国には外国人の個人旅行者にとって優しくない地域があります。チベットと新疆です。
チベットは、2006年7月1日、青海省とチベット自治区を結ぶ鉄道「青蔵鉄路」(鉄路:鉄道のこと)が開通して、北京や上海、成都など主要都市からラサまで鉄道で結ばれるという画期的な出来事がありました。
外国人がチベットを旅行するには、「入蔵函」というパーミッション(入境許可証)が必要で、高いお金を払って現地ツアーに参加しなければ入手できなかったのが、個人旅行者にも開放されるのではないかと当時は期待を抱いていました。
しかし、実際のところは、パーミッションがなければ乗車ができないルールがありまして、空路と同様にチベットへの道が遠いままでした。
結局、今まで自然と遠のいて、未だに足を踏み入れておりません。
一方、新疆は古代から西安から西へ続くシルクロードがある地域で、パキスタンなどと国境を接しています。
旅人のとって痛いのは、外国人が宿泊できるホテルが限定されている町が多いのです。
旅社や招待所といった安宿なんて、にべもなく断られ続けます。安めな飯店、賓館などホテルも全滅です。
宿がうまく取れない時は、ネットカフェで過ごしたり、夜行列車で移動するといった代替策を取ることがありますが、新疆は、鉄道が通っているところが限られ、本数も少ないため、必ずしも使えるわけではありません。
異国風情や民族的な食べ物を味わうことはできますが、そういった制約があって、こちらも足が遠退き、10年近く行っておりません。
食わず嫌いはよくありませんが、旅には予算がありますので、自分的には優先順位からは外れてしまいます。
都市間以外は交通アクセスがかなり貧弱で、長い時間を要してしまい旅程が成り立たないこと、個人旅で行ける場所が限られることも、あまり行かない理由のひとつです。
それでも、それらを超える何かを秘めている地域で、いつかは気持ちを盛り上げて、行ってみたいと思っています。
作者プロフィール
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問を経験するベテラン旅行ブロガー、新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上 印象に残る旅のエピソード:数え切れず
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内で旅をするなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」の運営者。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問やお便りがきて、集まった情報をブログや動画に反映している。
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