中国ビザ基本料金、2023年12月に値下げ!
中国ビザ申請の基本料金値下げが実施されました。ビザの種類や申請場所を問わず、申請して中国へ渡航する人全員がメリットを得ることができます。ここでは中国外交部報道官の記者会見について解説しています。
この情報は2023年12月8日夜にアップされた中国外交部記者会見で公式に発表されたものでして、発表直後にYoutube動画で解説をしました。
中国外交部12月8日記者会見の具体的な内容
中国外交部報道官のコメントの日本語訳は次のとおりです。
中国と外国との間の人的往来を促進するため、訪中する外国人に対して、ビザ申請や入国施策に関する新たな措置を継続的に打ち出しています。
暫定措置として、海外の中国大使館と総領事館は、2023年12月11日から2024年12月31日まで、中国入国ビザの申請料金を、当初設定した料金の75%とすることにしました。
具体的な情報については、各国の中国大使館や総領事館にお問い合わせください。
ビザ申請料金値下げに関する解説
記者会見の中国語の内容に関する補足ですが、「大使館や総領事館へお問い合わせを」ですが、日本の場合、「東京・大阪・名古屋の管轄在住者については、中国ビザ申請センターへ問合せください。それ以外は管轄の総領事館へお問い合わせを。」という意味に読み替えていただくと分かりやすいです。
日本国民に対するビザ免除施策の復活は未だ実現していませんが、中国政府として、外国人の訪中を促すための施策として、ビザ申請料金を25%値下げするということでした。これは、中国への観光客を増やしたり、中国への投資を促すことを意図しているものです。
日本国内での関係機関の公式発表は?
発表翌日、2023年12月9日土曜日午前10時30分時点では、東京の中国大使館のホームページにその情報について掲載はありませんでした。
一方で、東京ビザ申請センターと名古屋ビザ申請センターの予約制廃止の記事の配信が、若干タイムラグがありましたので、週明けの11日にはウェブサイトへアップされると思います。
東京、大阪、名古屋の各中国ビザ申請センターのホームページには、ビザ申請料金値下げに関する情報はまだアップされておりませんでした。中国大使館と同様に、明後日、週明け11日にアップされることが予想されます。
ところが、札幌総領事館は、12月8日金曜日8時56分にアップされていて、地方の方が情報提供の対応スピードが早いというのが現状でした。
新潟総領事館のホームページにもお知らせが掲載されていました。問合せ先も中国外交部記者会見でアナウンスのとおり総領事館の電話番号でした。
ビザ料金値下げ措置の背景
中国政府は、未だ日本人に対して、新型コロナ感染症拡大前のように、短期渡航の査証免除を復活させていません。
一方で、他国の動きとして、中国メディア、人民日報の報道によれば、シンガポール政府と中国政府が入国30日以内のビザ相互免除を実施することに同意した、と12月7日の外交部記者会見でスポークスマンが述べています。
2023年7月26日にはシンガポール国民に対する15日以内のビザ免除措置を再開しており、その時点で観光や仕事などの短期滞在目的であればノービザとなっていました。それよりもさらに踏み込んだ措置となります。
中国政府としては、日本政府に対して相互ビザ免除を求めている動きがありまして、それに日本政府が応じていないため、膠着状態が続いているものと見ています。
他にも福島原発事故の関係で、日本からの海産物輸入禁止を中国政府が発動するなど、日本特有の状況、政治的な問題が生じているため、期間限定ですが、一部ヨーロッパの国々に対する短期査証免除措置開始と比べても、動きが遅れているのが見て取れて分かります。
値下げ後の中国ビザ申請料金は?
ビザ料金ですが、東京・大阪・名古屋の各中国ビザ申請センターについては、東京ビザ申請センターに掲載の料金表では、1次ビザは税抜き8,000円ですので、25%割り引くと6,000円と2,000円の値下げとなります。
例えば、私が9月に中国ビザ申請センターで支払った料金は税込み8,500円でしたが、6,375円ということになる見込みと思っていたのですが、実はどうだったかといいますと・・・。
ところが、実際の値下げ幅は・・・
盲点となる部分かもしれませんが、東京、大阪、名古屋にあるビザ申請センターと総領事館は運営主体が異なります。
前者は企業みたいな所なので、中国政府が公式にビザ申請受付業務を委託しているものでして、申請センターの手数料は値下げは適用外だったのです。
つまり、ビザ基本料金にあたる3,000円の部分のみ値下げで、750円しか値下げの恩恵が受けられません。25%の値下げですが、あくまでも基本料金のみということです。
中国外交部の記者会見でそんな細かいことなど触れはしていませんでしたし、また、出席した記者がそこまで質問するには至らないでしょうから、情報は出なかったでしょう。
こちらは速報動画では間に合いませんでしたので、WEBのみで触れた内容です。
正くは基本料金値下げのみ
12月11日営業時間後に東京の中国ビザ申請センターのホームページで確認しました。嫌な予想は的中。正解でした。料金表は更新されていましたが、変更があったは、大使館や総領事館への支払いとなる基本料金3,000円のみ値下げでした。
その情況を詳しく解説したYoutube動画を12月12日にアップしました。
申請先がビザ申請センターの場合
東京・大阪・名古屋にある中国ビザ申請センターへ申請される場合の値下げ幅は、8,000円のうち領事館(領事部)が受け取る3,000円に対して750円の値下げのため、7,250円となります。ビザ申請センター受取分5,000円については値下げはありませんでした。よって、値下げ幅は10%にとどまりました。
申請先が総領事館の場合
福岡、札幌、長崎、新潟の各総領事館は1次ビザであれば、3,000円ですので、2,250円になります。値下げ幅はは25%となります。
一部中国メディアでは、既に値下げ後の各国のビザ申請料金表の掲載がありました。
日本の場合、1次ビザは2,250円とありました。これは総領事館で申請する料金ですので、厳密に言うと正しくない情報です。ここで言えるのは、東京の駐日大使館は中国メディアからの取材に対して料金表を提供したということです。
最後に
中国ビザに関する施策が次々と打ち出されて、情況は少しずつ改善していることは総じてよいことです。
値下げについても申請先によっては少額となるものの、ビザ申請者全員が恩恵を受けるお得な話であることには間違いありません。旅行やビジネスでの中国渡航の垣根が少しでも下がれば幸いです。
いつか、日本人に対しても短期渡航査証免除、ノービザが実現することを期待していますが、いつ、どのような形でなされるのかは、未だ予断を許せないところです。今後も、状況を注視していきたいと思います。
作者プロフィール
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問歴を有するベテラン旅行ブロガー。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」を運営。
新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【個人旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上
【印象に残る旅のエピソード】 数え切れず
【撮影した写真】 45,000点以上
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内での滞在に挑戦するなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、海外モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問がきて、いただいた情報をブログや動画に反映している。メーリングリスト立ち上げなど、新しい取り組みも行っている。
詳細は作者紹介をご参照ください。問合せはこちらまで。
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