【解説】中国観光ビザ個人取得の大きな壁

3月15日の観光査証発給再開後、申請自体は可能ですが、中国旅行へ行くのは、実際にはそんな簡単ではなかいことが自ら申請してみて分かりました。まずは、オンライン申請をクリアしなければなりません。実際にしてみた経過をレポートしました。

【必見】中国旅行に必要な「観光ビザ」取得方法を解説
https://travelers-china.com/secrets/plan/chinavisa-application.html
こちらのページでオンライン申請を中心にビザ取得までのプロセスを解説しています。

特に、個人が観光旅行で中国へ行く場合、ビザ取得はハードルが高いことは様々なリスクの項目で解説していますが、逆風もいいところです。相応の覚悟が必要ですが、こちらも経験者としてサポートできればと思います。

質問や疑問がありましたら、記事最後のフォームに書き込んでください。

大使館、総領事館への問合せ

ビザ取得に必要な書類に関して、詳細について電話やメールで問い合わせしましたのでその際の経過を解説します。

電話による問い合わせ

東京、大阪、名古屋、3箇所の中国ビザ申請センターへたまたま仕事を休んだ平日午前に電話をしました。

東京はプッシュボタンで番号を押すのですが、何回プッシュして、先に進もうとしても、途中で、一方的に、機械的に切断されて、オペレーターには繋がりませんでした。

大阪、名古屋は、ダイヤルしても、プルルルルーで、誰も出ませんでした。

結局、これ以上の問い合わせは断念しました。

メールによる問い合わせ

まだ諦めきれないので、メールでの問い合わせを試みました。意外にも、即日で返信が来ました。これで安心と思いきや、ところがどっこいでした。

申請の手順は、定型文だと思われますが、丁寧に案内されましたが、個別の質問については残念ながらゼロ回答でした。

案内があった具体的な情報

・管轄地域の確認
・所要資料が記載されたURL
・具体的な必要書類
・オンライン予約の案内
・普通申請は6営業日以上必要
・注意事項

特筆事項

メールの返信で気づいたことがありますので、参考までにお知らせします。

・追加書類を求められケースがあること
・それにより発給が遅れる可能性があること
・発給可否や発給されるビザの種類は領事判断
・サービス料金は発給できない場合でも返金なし
・航空券はビザ受領後購入するよう示 される

申請手順

中国旅行に必要な観光ビザの申請は可能で、管轄する中国ビザセンターへ来館予約をして、必要書類を持参する必要があります。

査証申請料金

ビザ種別を問わなくて、申請地や国籍二より料金設定がされています。

・シングルビザ料金
 普通申請8,000円 加急申請14,000円4 特急申請17,000円

中国査証(ビザ)申請料金表
中国査証(ビザ)申請料金表
(中国ビザ申請サービスセンター)

ビザ発給にまつわる様々なリスク

予約が間に合わないリスク

オンライン予約を経験して分かりました。少なくとも、東京・大阪・名古屋のビザ申請センターで管内在住者が個人でビザを申請する場合、書類を提出するための予約をオンラインでしなければなりません。

これが最低でも1ヶ月先しか予約を入れることできない(2023年7月~8月)のです。旅行の計画や航空券発券といったことを考えますと、少しでも早く中国旅行の計画に着手する必要があります。

旅行代理店で申請する場合は同じオンライン予約でもルートが異なるため、全般的に個人よりも早く予約ができます。(2023年7月~8月)

在住地リスク

注意すべきことは、大使館や総領事館には管轄地域があり、管轄地域に在住でなければ受け付けてくれないことです。例えば、千葉県在住ですと東京の中国大使館、大阪府在住ですと大阪の総領事館となります。

旅行代理店に依頼するとき、行き違いによる時間の浪費とならないように、地方在住者は受付しているのかどうか、必ずご確認ください。

地方在住者にとって中国ビザ取得は大学受験へ行くのと同様に大変 で詳しく解説しています。

航空券購入リスク

航空券は予約=購入ですが、査証申請制度の仕組み上、観光ビザ発給後では間に合いません。購入後は、基本的にキャンセル料が発生します。

予約だけいれるとなると、正規運賃の航空券を確保して、払い戻す。というやり方があるかもしれません。資金が必要ですし、仮に手数料がかからなければいいのですが、かかるなら無駄金が生じます。

ホテル代の支払いリスク

ホテルの予約はオンラインで行うケースが多いですが、旅程変更が生じた場合、先払いにしますとキャンセル料が生じますのでご注意を。

キャンセル料金ゼロの現地払いとすれば、ノーリスクで予約記録は入手できます。

同じ都市に滞在するのであればいいのですが、移動を伴う場合、各地の宿泊予約票が必要となります。

いくつかの町を巡る旅行を計画する際は滞在地ごとに予約が必要で、手間がかかります。

書類不足のリスク

余裕をもって申請しなければ、追加書類提出を求められ、揃えるまでに時間を要したら、間に合わなくなる恐れがあります。

必要書類のなかに直近の中国ビザ取得歴があり、現在のパスポートにない場合、どうすればよいのか、分かりません。

代理店に任せるリスク

情報が流動的な部分です。旅行代理店は観光ビザ取得代行を受けていない所が多く、法人の取引先のみといった制約が多く、仮に受けたとしても高い代行料金が必要です。残念ながらハードルが高いと言わざるを得ません。

旅行代理店のビザ申請代行

残念なことに、WEBで最新情報を提供している旅行会社、旅行代理店が大変少ないことが難点です。問合せも多いのでまともに対応してくれるかどうかも未知数です。

大手代理店を中心に情報を掲載しました。WEBページの場合は、情報が最新である代理店のみにしました。個人の予約を受け付けている代理店は本当に少ないです。いくつか確認できた情報をお伝えします。

時間の経過により変化しますので予めご了承ください。

HIS

来店予約制で店頭での確認すらできず。

JTB

都市部のカウンターで聞いたら取り扱いしていないとのことでした。

中青旅日本

東京のみ 普通申請 21,700円
「大変多くのお問い合わせをいただいているため、現在一般の方の新規受付を停止しております。」(2023/08/19)という表示となっていました。(リンクは解除しました)

IACEトラベル

問い合わせが多いため、取引企業のみに対する代行のみに制限。

CANツアー

短期査証免除再開後の返金の詳細まで記述まであり、比較的親切な方ですが、サポート代行手数料が20,000円必要です。詳細はこちら

ビザ取得難易度

別の例を挙げますと、ロシアビザは中国ビザに近く、確認書(バウチャー)が必要となりますが、個人で観光ビザを取得するには難易度が比較的高いと言えます。

チベットへ行くにはパーミッション(入境許可証)が必要で、現地のホテル予約などツアーという形でなければ入れないと言われています。状況はよく変化します。それに近い形態です。

問い合わせ先の電話が通じなく、追加書類を求められるなど、簡単に取得できるかどうか読みにくい状況です。

果たしてバックパック旅行は可能か?

バックパッカーが中国で自由旅行をすることは、この状況では困難です。

現在、中国の観光ビザ取得のハードルは極めて高いと言わざるを得ません。短期渡航の査証免除が早く復活することが望まれます。

作者プロフィール

旅人@中国旅行一筋30年
旅人@中国旅行一筋30年ブログサイト「中国旅行ドットコム」運営者
1991年から30年間で70回以上の中国訪問を経験するベテラン旅行ブロガー、新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。

【旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上 印象に残る旅のエピソード:数え切れず

安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。

1日100元以内で旅をするなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。

中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」の運営者。

ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問やお便りがきて、集まった情報をブログや動画に反映している。

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