高速鉄道ばかりの中国の鉄道網
中国の鉄道地図を見ましたら、高速鉄道の路線が10年前と比べてもかなり増えていました。
ランダムに列車時刻を調べても、ある区間では、G、Dといった列車番号の新幹線のような高速列車ばかりで、一般列車がほとんど運行されていません。
30年以上、旅人として地にはった中国を見てきた私にとって、驚愕の状況で、展開が早すぎるというのが本音です。
中国の鉄道ですが、2013年に国出資により設立された中国国家鉄路集団有限公司が運営する「中国鉄路」の公式サイトです。以前は鉄道部という国務院の傘下で鉄道経営が行われましたが、日本の国鉄民営化のように、形式上は会社となりました。
中国鉄路12306
https://www.12306.cn/
では、この現状が中国への個人旅にとって、どのような影響があるかを考えます。
中国鉄道公式サイトで広東省広州から北隣の湖南省長沙までの時刻表を2022年10月11日に検索しました。
10月14日(金)に運行する128本のうち、106本が高鉄(G列車・高速列車)で、既に8割を占めています。残り22本が一般列車です。
これ程に減っているということは、一般列車のほとんどは長距離列車であるため、夜行列車が激減したとうことで、日本で言えば、在来線に新幹線が走る区間はまだまだ多くて、在来線の運行本数が激減していることを意味します。
ちなみに、高速列車の夜行は北京―上海など、差ほど多くありません。
限られた日程のなかで、夕方に乗って、翌朝に着く夜行列車は、寝台も高くなく、リーズナブルな移動手段でしたが、かつての蒸気機関車SLのように、高速列車に蹂躙されて、お役目御免となりつつあります。
デメリットとして、夜行泊という日程を組むことが難しくなってきています。区間によっては、高速列車が走らない町もあるので、さすがに、全部が高速鉄道になることは、ないと思いますが、ただ、中国なら全廃もあり得ることが脳裏に走りました。
逆に、隣町へ移動する程度の近距離では、長距離バスで移動するよりも早く着けるのはメリットですが、高速鉄道の駅の立地によっては、中心部へのアクセスが悪いため、相殺されることも多々あります。
どう変化するとしても、旅人として死ぬまで中国の鉄道の今後を見つめていきたいと思います。
作者プロフィール
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1991年から30年間で70回以上の中国訪問を経験するベテラン旅行ブロガー、新型コロナウイルス後の中国旅行に対応した最新情報から、大都会の路地裏から田舎の町や村まで足を運ぶ、ツアーでは決して体験できない独自の旅行スタイルを持つ。
【旅の実績】 訪問した省・市・自治区:32(残1) 訪問地:200以上 印象に残る旅のエピソード:数え切れず
安宿に泊まり、長距離バスや夜行列車などのローカルな移動手段を使って、現地の人々と触れ合い、肌に感じる旅をして、リアルな中国渡航情報を発信中。
1日100元以内で旅をするなど、旅の費用を抑える工夫が得意。独自の旅のノウハウを有し、モバイル経験も長く、ANA陸マイラーでもある。
中国旅行に興味がある方や個人旅行を計画している方、中国のリアルな姿を知りたい方向けのブログサイト「中国旅行ドットコム」の運営者。
ブログをご覧になられた読者との交流も大切にしており、ほぼ毎日質問やお便りがきて、集まった情報をブログや動画に反映している。
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